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Googleマップと公式サイトの営業時間が違うとき、来店前の利用者はどちらを確認する?営業時間が違うときの行動を調査

部署:マーケティング担当者部署:経営者・責任者レベル:実践
店舗情報をスマートフォンで確認した後、公式サイトでも営業時間を確認する利用者と81.1%という調査結果

[独自調査] Report ID: SBR-2026-011

公開日:2026年9月11日 著者:菊地 将

要旨

本記事では、来店前の利用者行動に関する外部調査と、約4.8万社分のWeb観測データを持つ独自企業データベースを組み合わせ、情報不一致が起きる構造的な理由と、利用者が最終的にどちらの情報を頼りにするかを明らかにします。※構造化データは「何らかの型を実装しているか」の割合であり、営業時間を保持できる型(LocalBusiness系)に限定した割合ではない点に注意。

調査概要

  • 対象:企業の公式サイト
  • 期間:2026年9月4日時点
  • 方法:公式サイトの構造化データ(schema.org markup)実装状況の観測
  • サンプル:47,967社(Web観測成功)

「Googleマップでは営業中と出ているのに、行ってみたら閉まっていた」「公式サイトとGoogleマップで営業時間の表記が違う」。こうした食い違いに出会ったとき、来店前の利用者はどちらの情報を頼りにしているのでしょうか。

結論から言うと、Googleマップの情報が不十分だと感じた利用者の多くは、公式サイトを確認しています。そのため、公式サイトに正確な営業時間を明記しておくことが、来店機会を守る基本になります。一方で、営業時間を検索エンジンに機械的に伝えるための準備を整えている企業は、独自データベースでは少数でした。

本記事では、来店前の利用者行動に関する外部調査と、約4.8万社分のWeb観測データを持つ独自企業データベースを組み合わせ、情報のズレが起きる構造的な理由と、利用者が最終的に頼る情報源を整理します。最後に、自社サイトで確認したい4つの点も示します。

営業時間を含むGoogleビジネスプロフィール全体の整備方法は、 Googleビジネスプロフィール最適化の実践ガイド で確認できます。

来店前に確認される情報の最上位は、営業時間と所在地

株式会社Patheeが2021年5月に実施した調査(4,411名対象、Webアンケート)によると、来店前にインターネットで確認する情報のうち、「必ず調べる」「概ね調べる」の合計が最も高かったのは営業時間と所在地で、どちらも77%でした【外部一次情報】。価格帯や取り扱い商品ジャンルの確認率より高く、営業時間は来店前によく確認される情報の一つだとわかります。

確認に使われるサービスは、Google検索77%、Googleマップ69%、Yahoo!検索63%の順でした【外部一次情報】。Googleマップは、来店前の情報収集における主要な接点の一つです。では、その営業時間は利用者に信頼されているのでしょうか。

地図の情報が不十分だと感じた利用者の8割は、公式サイトを確認する

利用者はGoogleマップの情報に満足しているわけではありません。株式会社Finextが2026年2月16日〜21日に実施した調査(20〜60代、317名対象、クラウドワークス経由のインターネット調査)では、Googleマップで店舗を探した際に困ったこととして、「評判・口コミが少ない」52.4%に次いで、「営業時間が最新でない」が51.1%でした【外部一次情報】。約半数が、営業時間の鮮度に不満を持っていることになります。

注目したいのは、不満を感じた後の行動です。同調査では、Googleマップの情報が不十分だと感じた利用者のうち、81.1%が「ホームページを確認する」と回答しており、圧倒的多数を占めています。一方で、36%は「別の店舗を選ぶ」と回答しており【外部一次情報】、情報が不十分なまま離脱してしまう利用者も一定数います。二つの割合を足すと100%を超えるため、複数回答の設問だったとみられます(記事側の推測です)。

Googleマップの情報が不十分な場合に81.1%がホームページを確認し36%が別店舗を選ぶ利用者行動

上の図のとおり、店舗情報が不十分なとき、多くの利用者は公式サイトで再確認しますが、そのまま別の店舗へ移る利用者もいます。

裏を返せば、Googleマップの情報に不安を持った利用者が公式サイトを開いた時点で、正確な営業時間が明記されていなければ、来店を見送られる可能性が高くなると考えられます。

なぜ営業時間はズレるのか:地図の情報には複数の更新経路がある

Googleマップと公式サイトの営業時間がズレる背景として、Googleビジネスプロフィールの運用ガイド(gyro-n.com)は次の3つの理由を挙げています。

  1. Googleが関連するWebサイトやポータルサイトの情報をもとに、プロフィール情報を自動的に更新することがある
  2. 検索ユーザー自身が店舗情報の修正を提案できる仕組みがあり、その提案は必ずしも正確とは限らない
  3. 店舗側がビジネスプロフィールを更新せず放置していると、Googleが自動的に情報を収集・更新する

外部Web情報や利用者の修正提案、店舗側の更新状況によって地図と公式サイトの営業時間が食い違う構造

上の図のように、地図上の店舗情報には複数の更新経路があるため、公式サイトと営業時間の表示が一致しない場合があります。

3つに共通するのは、店舗が意図しない経路でも地図上の情報が書き換わり得る点です。このことから本記事では、Googleが公式サイトの情報を正として扱う仕組みは強くない、と考えます(gyro-nの記述そのものではなく、本記事の解釈です)。この見方と関わる点として、公式サイトが営業時間を機械的に伝える準備をどの程度しているかを、独自データベースで調べました。

独自データベースで確認:営業時間を伝えられる型を実装する企業は全体の3.3%

自社の独自企業データベース(2026年9月4日時点の観測データ、Web観測に成功した47,967社が対象)で、各社の公式サイトが構造化データ(schema.org markup)をどの程度実装しているかを確認しました。構造化データとは、ページの内容を検索エンジンに正しく伝えるために、決まった書式で埋め込む情報のことです。結果は次のとおりです。

  • 構造化データを何らかの形で実装している企業:47,967社中15,953社(33.3%)【弊社調査】
  • そのうち、営業時間情報を保持できる「LocalBusiness」系(実店舗・実業種を表す型)のマークアップを含む企業:1,595社(構造化データ実装企業のうち10.0%、全体に対してはわずか3.3%)【弊社調査】

構造化データを実装している企業でも、大半(約9割)は「Organization」や「WebSite」といった一般的な型にとどまり、営業時間を機械的にGoogleへ伝えられる型までは実装していません。つまり、公式サイトの営業時間をGoogleが自動的に読み取れる土台を持つ企業は全体の3.3%で、実測では少数派です【弊社調査】。なお、この3.3%は型の有無を見た数字で、営業時間の値まで入っている企業は、これよりさらに少ない可能性があります(詳しくは後述の注意点を参照)。

47,967社のうち構造化データ導入企業は33.3%、LocalBusiness系は全体の3.3%であることを示す図

上の図が示すとおり、何らかの構造化データを持つ企業は33.3%でしたが、営業時間を保持できるLocalBusiness系まで絞ると全体の3.3%でした。

Googleが公式サイトの情報を正として扱う仕組みは強くないと先ほど述べましたが、その背景には、企業側が「正として扱ってもらうための情報」、つまり構造化データを用意できていない実態があると考えられます。これが、ユーザー投稿や放置後の自動収集による情報のズレが起きやすい構造的な一因になっている可能性があります。

業種別に見ると、構造化データの導入率には開きがあります。表1では、抜粋した業種のうち、IT・DX・マーケが45.5%と最も高く、自動車整備が22.5%と最も低くなっています。

表1:業種別 構造化データ導入率(観測成功企業300社以上の業種のみ抜粋)【弊社調査】

業種 観測成功企業数 構造化データ導入企業数 導入率
IT・DX・マーケ 820社 373社 45.5%
情報通信 980社 413社 42.1%
不動産仲介 702社 278社 39.6%
製造業 3,762社 1,307社 34.7%
不動産 612社 179社 29.2%
ソフトウエア 483社 111社 23.0%
自動車整備 364社 82社 22.5%

※表1の導入率は「何らかの型を実装しているか」の割合です。営業時間を保持できる型(LocalBusiness系)に限定した割合ではない点に注意してください。

Googleマップを公式サイトに埋め込む企業は、1割に届かない

もう一つ確認したのが、公式サイトにGoogleマップを埋め込んでいるかどうかです。Googleマップを自社サイトに埋め込んでいれば、少なくとも運営者がGoogleビジネスプロフィール側の情報を意識している可能性があります。確認結果は次のとおりです。

  • Googleマップ埋め込みURL保有率(全体):観測成功企業37,934社のうち3,753社(9.9%)【弊社調査】

業種別に見ると、不動産仲介業19.8%、総合工事業18.6%、サービス業18.5%など、実店舗・拠点を構える業種で比較的高くなっています。一方、IT・DX・マーケ1.7%、HR・経理2.2%など、非店舗型ビジネスが多い業種では1%台にとどまり、業種によって10倍以上の差があります【弊社調査】。ただし、埋め込みの有無は、地図側の営業時間が正しいかどうかを示すものではありません。表2は、観測成功企業が300社以上の業種を抜粋したものです(HR・経理は表に含めていません)。

表2:業種別 Googleマップ埋め込みURL保有率(観測成功企業300社以上の業種のみ抜粋)【弊社調査】

業種 観測成功企業数 Googleマップ埋め込み企業数 保有率
不動産仲介 601社 119社 19.8%
総合工事業 1,314社 244社 18.6%
サービス業(service) 1,042社 193社 18.5%
医療・福祉・介護 415社 63社 15.2%
不動産 515社 43社 8.3%
ソフトウエア 330社 21社 6.4%
IT・DX・マーケ 702社 12社 1.7%

企業規模が大きいほど整備が進むとは限らない

一般的には「企業規模が大きいほどWeb施策が整備されている」と想定しがちですが、構造化データの導入率に関しては逆の傾向が見られました。表3は、従業員規模別の導入率です。

表3:企業規模別 構造化データ導入率【弊社調査】

従業員規模 観測成功企業数 構造化データ導入率
1〜10人 13,321社 36.8%
11〜50人 542社 41.9%
51〜200人 700社 38.0%
201〜1,000人 534社 30.9%
1,000人以上 207社 20.3%

11〜50人規模が41.9%で最も高く、1,000人以上の企業では20.3%と最も低くなっています【弊社調査】。大企業では、複数のブランドサイト、独自CMS、大規模なシステム構成になっているケースが多く、店舗単位での構造化データの実装が後回しにされやすいことが背景として考えられます。多店舗展開する大企業ほど、店舗ごとの営業時間情報が整理されにくい可能性がある点には注意が必要です。

この結果を読むときの注意点

ここまでの数値は、次の限界を踏まえて読んでください。

  • 独自データベースの構造化データ集計は、「schema.orgのマークアップの型が存在するか」を検出したものです。その中に実際に営業時間(openingHours)の値まで記載されているかどうかは確認していません。LocalBusiness系の型を実装していても、営業時間プロパティ自体は空欄の可能性があります。
  • Finextの調査(317名、2026年2月)はクラウドソーシング経由のインターネット調査であり、対象の属性(年齢・地域・業種利用歴など)に偏りがある可能性があります。
  • Patheeの調査は2021年5月時点のものであり、検索行動の傾向が現在と多少異なっている可能性があります。

また、独自データベースは業種を店舗型に限っていません。表1や表2に製造業やソフトウエアなどが含まれるように、実店舗を持たない企業も多く含むとみられるため、3.3%や33.3%を「店舗を持つ企業だけの割合」として読まないでください(記事側の推測です)。

店舗運営・MEO担当者にとっての意味

Googleマップの情報が不十分だと感じた利用者の8割以上が、公式サイトを確認しています【外部一次情報】。地図上の表示を整えるだけでなく、利用者が裏付けを取る公式サイトにも正確な営業時間を明記しておくことが、来店機会を守る備えになります。

さらに、営業時間を機械的に伝えられる型(LocalBusiness系)を持つ企業は全体の3.3%にとどまっています【弊社調査】。構造化データで正確な情報を伝える土台を整えれば、他社との違いを出せる余地があると考えます。ただし、整備が地図上の表示や来店数にどう影響するかは、今回のデータでは確認していません。

自社サイトで確認したい4つのこと

営業時間の明記、情報の一致、構造化データ、店舗情報への導線の4点を、定期的に確認しましょう。

公式サイトと地図の営業時間を一致させるために店舗運営者が確認する4項目

それぞれの確認内容は次のとおりです。

  1. 公式サイトのトップページまたは店舗情報ページに、営業時間が明記されているか
  2. Googleビジネスプロフィールと公式サイトの営業時間の表記が一致しているか、定期的に確認しているか
  3. 公式サイトに構造化データ(LocalBusiness型、可能であればopeningHoursSpecification)を実装しているか
  4. 公式サイトにGoogleマップを埋め込み、店舗の所在地・情報への導線を明示しているか

1と2は、利用者が公式サイトで裏付けを取る場面に備える確認です。3は営業時間をGoogleに機械的に伝える確認、4は地図と所在地情報への導線を確かめる確認です。

まとめ:まず公式サイトの営業時間を確かめる

来店前の利用者は営業時間を最も重視する情報の一つとして確認しており、Googleマップの表示に疑問を感じたときは、8割以上が公式サイトで裏付けを取ろうとします【外部一次情報】。しかし独自データベースの実測【弊社調査】では、営業時間を機械的に伝えられる構造化データの型を持つ企業は全体の3.3%にとどまっています。このことから、情報のズレが起きやすい構造にあると考えられます。

最初の一歩は、公式サイトに営業時間が明記され、Googleビジネスプロフィールの表記と一致しているかを確かめることです。そのうえで、構造化データの整備を検討しましょう。

参考文献・出典

この記事で参照した情報を確認できます。

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