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採用サイト1,000社を調査|キャリア・評価制度・給与など24項目の情報開示率

部署:人事・採用担当者部署:経営者・責任者レベル:実践
採用サイト1,000社を24項目で調査し、キャリア・評価制度・昇進などの情報開示率を比較した調査記事のアイキャッチ

[独自調査] Report ID: SBR-2026-014

公開日:2026年9月17日 著者:菊地 将

要旨

本記事では、独自企業データベースから固定条件で抽出した1,000社の採用サイト・採用関連ページを対象に、24項目の情報開示状況を調査しました。調査では、仕事内容33.7%、選考・面接・筆記試験26.2%など比較的確認しやすい項目がある一方、キャリア・評価制度・昇進は2.4%、福利厚生6.6%、研修7.6%、給与・年収10.6%にとどまりました。本記事の目的は、採用サイト上で、求職者の比較材料となる情報がどこまで用意されているかを定量的に確認し、自社サイトの不足項目を見つけることです。なお、「キャリア・評価制度・昇進が2.4%だから、必ず最優先で追加すべき」とまでは言えません。

調査概要

  • 対象:採用サイト・採用関連ページ
  • 期間:2026年9月14日
  • 方法:採用サイト・関連ページの確認
  • サンプル:1,000社(話題性が高いと判定された企業404社、近い条件の企業475社、無作為抽出121社)

求職者が企業を比べるには、仕事内容や選考情報だけでなく、給与、福利厚生、研修、キャリア、評価制度などの情報が必要です。では、実際の採用サイトでは、これらがどこまで具体的に開示されているのでしょうか。

結論から言うと、仕事内容や選考の流れは比較的確認しやすい一方、入社後のキャリアや評価、給与などの情報は、確認できた企業が少数にとどまりました。独自企業データベースから固定条件で抽出した1,000社の採用サイト・採用関連ページを対象に24項目を調べたところ、仕事内容は33.7%、選考・面接・筆記試験は26.2%でした。これに対し、キャリア・評価制度・昇進は2.4%、福利厚生は6.6%、研修は7.6%、給与・年収は10.6%でした。

本記事の目的は、口コミと公式情報のどちらを信じるべきかを判断することではありません。採用サイト上で求職者の比較材料がどこまで用意されているかを数字で確認し、自社サイトの不足項目を見つけることです。以下では、調査の方法、項目ごとの結果と数値の読み方、自社サイトを点検する5つの観点、そしてこの調査から言えないことを示します。

調査方法|1,000社の採用サイトを24項目で確認

最初に、何を対象にどう数えたかを確認します。後の数値を読むときの前提になります。

独自企業データベースに登録された企業の中から、固定条件で抽出した1,000社を対象に、採用サイト・採用関連ページを確認しました。内訳は、話題性が高いと判定された企業404社、それに近い条件の企業475社、無作為抽出121社です。データ取得日は2026年9月14日です。

確認した24項目は次のとおりです。

  • 給与
  • 年収
  • 勤務時間
  • 残業
  • 休日
  • 福利厚生
  • リモートワーク
  • 副業
  • 転勤
  • 配属
  • 研修
  • キャリア
  • 昇進
  • 評価制度
  • 社風
  • 離職率
  • 定着率
  • 選考
  • 面接
  • 筆記試験
  • インターン
  • 仕事内容
  • 新卒採用
  • 中途採用

各項目について、対応するページや記載が採用サイト上にあるかを確認しました。たとえば、給与に関する記載、キャリアパスを示すページ、社員紹介ページ、選考フローの説明、新卒・中途それぞれの採用ページなどです。この記事では、対応する情報を確認できた企業の割合を「開示率」と呼びます。

サイト取得に失敗した企業を「情報なし」として扱うと開示率が実態より低くなるため、各項目で実際にページを確認できた企業だけを分母としています。観測できた企業数は項目によって759〜972社でした。

開示率が低かった項目|キャリア・評価制度・昇進など

24項目のうち、開示率が低かった主な項目は次のとおりです。中途採用の0.8%が最も低く、給与・年収でも10.6%でした。

項目 開示率 主な確認対象
中途採用 0.8% 中途採用ページ
キャリア 2.4% キャリアパスを示すページ
評価制度 2.4% キャリアパスを示すページ
昇進 2.4% キャリアパスを示すページ
新卒採用 4.5% 新卒採用ページ
インターン 4.5% 新卒採用ページ
福利厚生 6.6% 福利厚生ページ
研修 7.6% 研修・教育ページ
給与 10.6% 給与に関する記載
年収 10.6% 給与に関する記載

表の「主な確認対象」は、開示の有無を判定するときに見たページや記載です。同じページで判定している項目は、開示率も同じ値になります。数値の読み方を、項目の組み合わせごとに見ていきます。

キャリア・評価制度・昇進が2.4%の意味

「キャリア」「評価制度」「昇進」は、いずれも開示率2.4%でした。観測できた866社のうち、入社後のキャリアパスを具体的に示すページを確認できた企業は一部にとどまりました。

注意したいのは、この数値の意味です。3項目は同じ「キャリアパスを示すページ」の有無で判定しているため、開示率も同じになりました。したがって2.4%は、評価制度や昇進制度そのものがある企業の割合ではなく、公式サイト上で対応する情報を確認できた割合です。

求職者が入社後の成長や将来像を比べたいとき、制度名だけでは判断できません。キャリア例、評価の考え方、役割が変わる道筋といった具体的な情報があって、はじめて比較の材料になると考えます。

福利厚生6.6%、研修7.6%、給与・年収10.6%は1割前後

福利厚生は6.6%、研修は7.6%、給与・年収は10.6%でした。いずれも応募前に確認されやすい基本情報ですが、今回の確認方法で対応する情報を明確に確認できた企業は、1割前後にとどまっています。

採用サイトを改善するなら、「働きやすい環境」「成長を支援」のような抽象的な表現で終わらせないことが出発点です。対象者、条件、制度内容、運用方法まで読み取れる状態になっているかを点検しましょう。

新卒・中途・インターンの数値は「専用ページ」の有無を表す

「中途採用」0.8%、「新卒採用」4.5%、「インターン」4.5%は、専用ページという特定の形式を明確に確認できたケースに限った数値です。新卒採用・中途採用・インターンそのものを実施していない企業の割合ではありません。

複数の採用区分を1ページにまとめている企業もあるため、この3項目は他の項目より解釈に注意が必要です。

比較的開示率が高かったのは仕事内容・選考・残業

一方、比較的開示率が高かった項目は次のとおりです。

項目 開示率 主な確認対象
仕事内容 33.7% 職種別の募集要項ページ
面接 26.2% 選考フローの説明
選考 26.2% 選考フローの説明
筆記試験 26.2% 選考フローの説明
残業 25.3% 採用FAQ
離職率 21.6% 社員紹介ページ、採用FAQ
社風 18.2% 社員紹介ページ
定着率 18.2% 社員紹介ページ

仕事内容は33.7%で、表の中で最も高い結果でした。選考・面接・筆記試験は、同じ選考フローの説明の有無をもとに確認しているため、いずれも26.2%です。残業は25.3%で、採用FAQなどで説明されているケースが見られました。

この結果から、企業は「応募するために必要な情報」や「直近の仕事内容」は比較的用意している一方、入社後のキャリアや評価など、中長期の比較材料は手薄になりやすいと考えられます。ただし、理由までは今回調べていません。

検討段階別に見ると、比較検討段階の2.4%が特に低い

項目ごとの差を、求職者の検討段階という視点でまとめます。24項目を、基本情報の確認段階・比較検討段階・不安要素の確認段階・応募段階の4つに分けて平均開示率を出すと、次のようになりました。表の「該当する項目の例」は、各段階に含まれる項目の一部です。

検討段階 平均開示率 該当する項目の例
不安要素の確認段階 21.9% 残業、社風、離職率、定着率、面接
基本情報の確認段階 13.8% 給与、年収、福利厚生、研修、仕事内容
応募段階 12.4% 選考、筆記試験、新卒採用、中途採用、インターン
比較検討段階 2.4% キャリア、昇進、評価制度

平均開示率が最も低いのは、キャリア・昇進・評価制度にあたる比較検討段階の2.4%です。不安要素の確認段階の21.9%と比べても、大きな差があります。

仕事内容や選考情報があっても、「入社後にどう成長できるか」「何を基準に評価されるか」「どのように役割が変わるか」が分からなければ、求職者は企業同士を中長期の視点で比較しにくくなります。

採用サイトの情報設計では、応募フォームへ進むための情報だけでなく、候補者が複数社を比較するときの判断材料が足りているかも見る必要があります。その確認に使える観点を、次の節で整理します。

採用サイトの情報不足を点検する5つの観点

今回の結果を自社の採用サイトの改善に使う場合は、開示率が低かった項目をそのまま追加するのではなく、求職者が判断できる具体性があるかを確認します。次の5つの観点で点検してください。

1|キャリアパスを具体例で示しているか

「多様なキャリアがあります」だけでは、求職者は入社後の姿を想像できません。入社後にどのような役割を経験し、どのような選択肢があるのかを、具体例で示します。

2|評価制度の対象・基準・時期が分かるか

評価制度という名称を掲げるだけでは、求職者は自分がどう評価されるのか分かりません。何を評価するのか、誰が評価するのか、いつ評価するのかを確認できる状態にします。

3|昇進・役割変更の道筋が分かるか

役職名だけで終わらせず、役割が変わる条件や、実際のキャリア例を示せているかを確認します。

4|給与・福利厚生・研修の条件が具体的か

制度の有無を書くだけでなく、対象者、適用条件、実施内容まで説明します。

5|応募情報と比較情報の両方がそろっているか

選考フローや仕事内容といった応募情報に加えて、入社後の成長、評価、働き方まで確認できるかを点検します。

この調査で分かること・分からないこと

点検の優先度を決める前に、今回の数値をどこまで使えるかを確認しておきます。

今回の調査から分かるのは、対象1,000社の採用サイト上で、24項目に対応する情報をどの程度確認できたかです。サイト取得に失敗した企業は分母から除外しています。

一方、次の点は今回の調査だけでは判断できません。

  • 情報開示率が低いことが、応募率や内定承諾率をどの程度下げるか
  • 各項目について、求職者が実際にどの程度重要視しているか
  • 情報不足によって、口コミサイトやSNSの利用が何ポイント増えるか
  • 業種別・企業規模別で、開示率がどの程度違うか
  • 今回の1,000社が、独自企業データベース全体約13万社を代表しているか

そのため、「キャリア・評価制度・昇進が2.4%だから、必ず最優先で追加すべき」とまでは言えません。自社の採用ターゲットや応募時の質問、選考辞退理由などと照らし合わせて、改善の優先度を決めましょう。

まとめ|開示率の低さを自社サイトの点検に生かす

採用サイト1,000社を24項目で確認したところ、仕事内容33.7%、選考・面接・筆記試験26.2%、残業25.3%などは比較的確認しやすい一方、キャリア・評価制度・昇進は2.4%、福利厚生6.6%、研修7.6%、給与・年収10.6%にとどまりました。とくにキャリア・評価制度・昇進にあたる比較検討段階は平均2.4%で、応募段階や不安要素の確認段階より情報が手薄でした。

今回の数値は、求職者の重要度や応募への因果効果を示すものではありません。自社の採用サイトで不足している情報を見つけるための比較材料として使うのが適切です。

最初の一歩は、仕事内容や選考フローに加えて、入社後のキャリア、評価の仕組み、昇進の道筋、給与・福利厚生・研修の具体性まで確認できるかを、自社の採用サイトで点検することです。

調査で見えた不足を、採用サイトに載せる情報全体から見直したい場合は、採用サイトに載せるべき情報の基礎知識を確認してください。

特に開示率が低かったキャリアパスを具体的に作り込みたい場合は、採用サイトのキャリアパスページの作り方で手順を確認できます。

‹ 親記事: 採用サイトには何を載せるべきか。ページの作り方とSEO・AIOの基礎知識

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