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職種別求人ページの作り方|仕事内容・給与・勤務地・選考フローを1求人単位で整理

部署:人事・採用担当者部署:経営者・責任者レベル:実践
採用担当者が職種別の求人情報を1求人単位で整理しているデスクと、1求人=1つの応募判断というメッセージ

採用サイトに複数の職種を載せていても、仕事内容や給与、勤務地、働き方が1つのページに混ざっていると、求職者は「自分が応募する仕事には、どの条件が当てはまるのか」を判断しにくくなります。

職種別求人ページは、募集要項を職種ごとに分けるだけのページではありません。仕事内容、応募条件、給与、勤務地、働き方、選考フロー、応募方法までを、1つの求人として矛盾なく確認できる状態にすることが重要です。

検索の面でも、1つの求人を1ページで説明する形が求められています。Googleは、求人情報を検索エンジンに伝えるJobPosting構造化データについて、複数求人の一覧ページではなく、1件の求人を詳しく説明する個別ページへの実装を求めています。

この記事では、職種別求人ページに何を載せ、どの順番で整理し、公開後にどう更新すればよいかを、実務で使える形にまとめます。

求人ページはなぜ「1求人=1つの応募判断」の単位で作るのか

職種別求人ページの基本は、求職者が1ページを見れば「どんな仕事で、どの条件で働き、どう応募するのか」まで確認できる状態です。

会社紹介、福利厚生、社員インタビューなどは、採用サイト内の別ページに分けられます。一方、求人を判断するための情報は、別ページを何度も往復しなくても把握できるようにします。

特に次の7つの情報は、求人ごとの違いが分かるように整理します。次の表は、求職者が判断したいことと、求人ページで確認できる情報を対応させたものです。

判断したいこと 求人ページで確認できる情報
何の仕事か 職種名、役割、具体的な仕事内容
自分が対象か 必須条件、歓迎条件、経験・資格
条件が合うか 給与、勤務時間、休日、雇用形態
どこで働くか 勤務地、転勤・配置変更の範囲
どう働くか 出社・リモート、シフト、残業など
応募後どう進むか 選考回数、選考内容、応募方法
今も募集しているか 掲載日、更新日、募集終了時の表示

表の左列は求職者の問いで、右列はその問いに答えるための情報です。それぞれの問いに、1つの求人ページの中で答えられるかを確かめてください。

職種別求人ページで仕事内容を知り、条件を比較し、選考を確認して応募判断するまでの4段階の流れ

職種別求人ページでは、仕事内容の理解から条件比較、選考確認、応募までを1つの流れとして確認できる状態を作ります。

冒頭で触れたとおり、GoogleのJobPostingは、そのページ上で求職者が求人内容を読めることを求めています。そのため、職種・仕事内容・条件が異なる求人は、個別ページへ分ける方が管理しやすくなります。

求人ページは職種ごとに分けるべき?判断基準は「求職者の判断条件が変わるか」

職種名が違うたびに機械的にページを増やす必要はありません。迷ったときは、求職者の応募判断に関わる情報が変わるかどうかを基準にします。

仕事内容や給与、勤務地、選考など応募判断の条件が変わるかで求人ページを分ける判断フロー

別ページにした方がよいケース

次のような違いがある場合は、求人を分けた方が情報を整理しやすくなります。

  • 主な仕事内容が異なる
  • 求める経験・資格が異なる
  • 給与体系や給与レンジが異なる
  • 雇用形態が異なる
  • 勤務地によって仕事内容や条件が異なる
  • リモート勤務など働き方の条件が異なる
  • 選考方法や選考回数が異なる

たとえば「法人営業」と「カスタマーサクセス」で担当業務や評価される経験が異なるなら、同じ「営業系職種」として一括掲載するより、それぞれの求人ページを用意した方が比較しやすくなります。

無理に分けなくてもよいケース

職種名、仕事内容、給与、勤務条件、応募条件が同じで、勤務地だけが複数ある求人では、必ずしもページを複製する必要はありません。同じ求人を複数URLへコピーすると、管理する箇所が増えるためです。

条件差が小さい場合は、1ページの中で勤務地を分かりやすく整理する方法もあります。基準にするのはページ数ではなく、どの条件が自分に適用されるのかを求職者が迷わないことです。

職種別求人ページには何を載せる?必須項目を1求人単位で整理する

求人ページでは、「魅力を伝える情報」と「応募条件を確認する情報」を分断せず、同じ求人の情報としてつなげます。載せる項目を決める前に、まず法令上の明示事項を確認しましょう。

厚生労働省は、インターネットを含む労働者募集の広告について、募集主の名称・住所・連絡先・業務内容・就業場所・賃金を表示するよう案内しています。また、募集時の労働条件明示では、2024年4月から業務の変更範囲、就業場所の変更範囲、有期契約を更新する場合の基準などが追加されています。

あわせて、実際の求人ページでは、法令上の明示事項だけでなく、求職者が比較するための情報も整理します。次の表は、1求人ごとに載せる項目と、ページ設計上のポイントをまとめたものです。

項目 掲載する内容 ページ設計上のポイント
職種名 一般に理解できる職種名 社内だけで通じる名称だけにしない
この求人の概要 役割、所属、何を担う仕事か 冒頭で仕事の全体像を伝える
仕事内容 日常業務、担当範囲、相手、役割 抽象的な業務名だけで終わらせない
応募条件 必須経験、歓迎経験、資格など 必須と歓迎を分ける
雇用形態 正社員、契約社員など 求人ごとに明記する
給与 金額・範囲、手当など 数字が何を含むか分かるようにする
勤務地 勤務先、変更の範囲 配属・転勤の条件も整理する
勤務時間 始業・終業、シフト等 職種固有の働き方があれば明示
休日・休暇 休日体系、休暇制度 共通制度へのリンクも利用する
働き方 出社、在宅勤務など 利用条件があれば記載する
試用・契約 試用期間、有期契約等 本採用時との条件差も確認する
選考フロー 応募から採用まで 面接回数や試験の有無を示す
応募方法 CTA、フォーム、必要書類 次の行動を迷わせない
掲載・更新情報 掲載日、更新日、募集期限 古い求人を残さない運用とセットにする

項目は多く見えますが、どれも「この求人に応募してよいか」を判断するための情報です。法令上必要となる内容は雇用形態や募集方法によって確認が必要です。実際の掲載時には、自社の労務・法務上の確認と合わせて運用してください。

職種別ページだけでなく、会社情報・制度・社員情報・FAQまで含めた採用サイト全体の情報設計は、採用サイトに載せるべき情報の全体像で確認できます。

仕事内容は、入社後の仕事が想像できる4段階で書く

仕事内容は、「営業活動全般」「マーケティング業務」「システム開発」といった業務名だけでは、仕事の違いが十分に伝わりません。入社後の仕事を想像できるように、次の4段階で整理すると具体化しやすくなります。

1.最初に、この職種が担う役割を短く書く

会社やチームの中で何を担うポジションなのかを、短く説明します。

たとえば法人営業なら、「法人顧客への新規提案」が中心なのか、「既存顧客の継続支援」が中心なのかで、働き方は大きく変わります。

2.具体的な業務を、行動が分かる粒度で書く

日常的に担当する仕事を、実際の行動が分かる粒度まで落とします。

  • 顧客との商談
  • 提案資料の作成
  • 社内担当者との調整
  • 契約後のフォロー
  • 数値の確認と改善提案

項目を並べるだけでなく、誰に対して何を行う仕事なのかを補足すると、理解しやすくなります。

3.仕事の範囲と他部署との関係を示す

同じ職種名でも、企業によって担当範囲は異なります。営業が受注まで担当するのか、契約後も担当するのか。マーケティング担当者が広告だけを見るのか、Webサイトや営業連携まで担当するのか。こうした境界が分かると、求職者は自分の経験との近さを判断しやすくなります。

4.入社後の立ち上がり方を伝える

公開できる場合は、研修、OJT、独り立ちまでの流れ、最初に任せる仕事なども説明します。

採用情報の具体性は、求職者の判断にも関係します。154人を対象に異なる求人広告を比較した研究では、提示情報の違いが応募意向に関係し、その関係には情報の信頼性が関与していました。また、385人の求職者を対象とした研究では、採用サイトの情報品質が、サイトの有用性の認識やサイトへの態度と関係していました。

どちらも海外研究のため、日本の採用市場へそのまま当てはめることはできません。ただ、「情報量を増やす」だけでなく、「応募判断に使える具体的な情報にする」ことを考える際の参考になります。

給与・勤務地・働き方は「自分の場合どうなるか」が分かる形にする

給与、勤務地、働き方は、数字や制度名を置くだけでは判断しにくい項目です。「自分の場合はどうなるか」が分かるように、項目ごとに補足を加えます。

給与では、たとえば「月給30万円〜」と記載する場合でも、どのような経験や条件で幅が生じるのかを、説明できる範囲で補足します。GoogleのJobPostingで給与情報を記載する場合も、baseSalaryは企業が提示する実際の基本給を使用し、給与レンジの場合は最小値と最大値を指定する仕組みになっています。

勤務地では、現在の配属先だけでなく、募集時に明示が必要となる就業場所の変更範囲も確認します。厚生労働省では2024年4月から、募集時の明示事項として「就業の場所の変更の範囲」を追加しています。

リモート勤務についても、「リモート可」という一言で終わらせません。完全在宅なのか、出社日があるのか、対象地域に制限があるのかなど、自社の実態に合わせて記載します。

選考フローは応募ボタンを押した後まで見えるようにする

求人ページを最後まで読んでも、応募後に何が起こるか分からなければ、求職者の不安は残ります。少なくとも、次の流れを確認できるようにします。

  1. 応募
  2. 書類確認
  3. 面接・面談
  4. 必要に応じた試験や適性検査
  5. 最終選考
  6. 内定・条件確認

すべての求人で同じ選考フローなら、共通ページへのリンクでも構いません。ただし、職種によって面接回数や試験内容が違う場合は、求人ページ側にも違いを明記します。

応募CTAも、「エントリーはこちら」だけではなく、「この職種に応募する」と分かる位置へ配置し、別職種のフォームへ誤って移動しないようにします。GoogleのJobPostingに関するガイドラインでも、求人ページ上に応募手段がないことは問題として挙げられています。

求人ページ本文とJobPosting構造化データは、同じ情報にそろえて管理する

JobPostingは、検索エンジンが求人情報を理解するための構造化データです。大切なのは、構造化データを追加すること自体ではなく、求職者が読むページ本文と内容を一致させることです。

Googleは、構造化データ内の職種名とページ上の職種名が異なる場合や、構造化データに給与を書いているのにページ上では確認できない場合を、不一致の例として示しています。

求職者が読む求人ページの職種名や給与などとJobPosting構造化データの項目を一致させる考え方

求人ページ本文とJobPostingは、別々の情報ではありません。職種名、仕事内容、給与、勤務地などを同じ内容にそろえます。確認するときは、次の対応表を使うと分かりやすくなります。

求人ページ上の情報 JobPostingで確認する主な項目
職種名 title
仕事内容 description
掲載日 datePosted
募集期限 validThrough
雇用形態 employmentType
採用企業 hiringOrganization
勤務地 jobLocation
完全リモート等 jobLocationTypeなど
給与 baseSalary

表の左列がページに書く情報、右列がJobPostingで見る主な項目です。Googleはtitleについて、求人広告のキャッチコピーではなく職種名そのものを使い、住所、給与、会社名などを詰め込まないよう案内しています。

求人ページを更新したら、本文だけ、または構造化データだけを変更するのではなく、同じタイミングで両方を確認する運用にしましょう。

求人ページはいつ更新する?「更新日」より、更新が必要になる条件を決める

求人ページの運用では、「毎月更新する」といった頻度だけを決めるより、どんな変更が起きたら更新するかを決める方が実務的です。更新のきっかけとして、少なくとも次の10項目を管理します。

  • 募集開始・募集終了
  • 職種名の変更
  • 仕事内容・担当範囲の変更
  • 必須条件・歓迎条件の変更
  • 給与や手当の変更
  • 勤務地・転勤条件の変更
  • 出社・リモートなど働き方の変更
  • 雇用形態・契約条件の変更
  • 選考フローの変更
  • 応募フォームや応募先の変更
募集終了や給与・勤務地などの変更をきっかけに求人ページ本文とJobPostingを同時更新する運用フロー

定期的に日付だけ変えるのではなく、仕事内容や条件が変わった時点で、求人ページ本文とJobPostingを同時に確認します。

特に募集終了時は注意が必要です。Googleは、募集が終了した求人について、validThroughを過去の日付にする、ページ自体を削除する、JobPosting構造化データを削除するなどの対応を求めています。

「更新日を表示しているから最新」と考えるのではなく、現在募集している条件とページの情報が一致している状態を保ちます。

公開前に確認すること:1求人として情報がつながっているか

公開前は、文章の読みやすさだけでなく、「1求人として情報がつながっているか」を確認します。次の15項目を、求人ページ1件ごとに見ていきます。

  • 職種名だけで仕事の種類が分かる
  • この職種の役割を冒頭で説明している
  • 仕事内容が具体的な行動まで書かれている
  • 必須条件と歓迎条件を区別している
  • 給与とその条件が分かる
  • 勤務地と変更範囲を確認している
  • 勤務時間・休日を確認できる
  • リモートやシフトなど職種固有の働き方が分かる
  • 雇用形態・試用期間・契約条件を確認できる
  • 選考フローが分かる
  • この職種への応募方法が分かる
  • 募集終了時の対応ルールが決まっている
  • ページ本文とJobPostingの内容が一致している
  • 更新担当者が決まっている
  • 変更があったときに本文と構造化データを同時に確認できる

すべての求人を一度に作り直す必要はありません。まず、応募を増やしたい主力職種を1件選び、この型で求人ページを整理します。その後、共通項目と職種固有項目を分けてテンプレート化すると、他職種へ展開しやすくなります。

職種別求人ページの項目整理や採用施策の見直しに使える資料は、無料ダウンロードページから確認できます。

まとめ|判断の単位をそろえ、主力の1求人から始める

職種別求人ページの目的は、職種ごとにページを増やすことではありません。仕事内容、給与、勤務地、働き方、応募条件、選考フロー、応募方法を1つの求人として整理し、求職者が自分に合う仕事か判断できる状態を作ることです。

ページを分ける基準は、求職者の判断条件が変わるかどうかです。仕事内容や給与、勤務地、雇用形態、選考方法などが異なるなら、個別の求人ページとして整理する価値があります。

公開後は、ページ本文とJobPosting構造化データを一致させたまま、募集条件が変わったときや募集が終了したときに、両方を更新できる運用を作ります。

最初の一歩は、主力求人を1ページ選び、「1求人=1つの応募判断」ができる状態になっているかを確認することです。そこから始めると、職種別求人ページの改善を進めやすくなります。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

・Google Search Central「Job posting (JobPosting) structured data for Job Search」
求人ごとの個別ページ、JobPostingと表示内容の一致、給与、勤務地、募集終了時の対応等の確認に使用。
Google Search Central公式ページ

・厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」
業務の変更範囲、就業場所の変更範囲、有期契約更新基準の確認に使用。
厚生労働省公式ページ

・厚生労働省「労働者の募集広告の表示について」
インターネット等で募集情報を掲載する際の表示事項の確認に使用。
厚生労働省公式ページ

・Acarlar, G. & Bilgiç, R. “Factors influencing applicant willingness to apply for the advertised job opening: the mediational role of credibility, satisfaction and attraction.”
The International Journal of Human Resource Management, Vol.24, 2013. DOI: 10.1080/09585192.2012.667427。154人を対象に求人広告の情報と応募意向との関係を検討した研究。
論文情報

・Priyadarshini, C., Sreejesh, S. & Anusree, M.R. “Effect of information quality of employment website on attitude toward the website.”
International Journal of Manpower, Vol.38 No.5, 2017, pp.729–745. DOI: 10.1108/IJM-12-2015-0235。385人の求職者を対象に採用サイトの情報品質とサイトへの態度との関係を検討した研究。
論文情報

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