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オウンドメディアコンサルと運用代行の違い|戦略だけ頼むか実務まで任せるかの判断基準

部署:マーケティング担当者部署:経営者・責任者レベル:実践
オウンドメディアの外注で戦略判断と運用実務のどちらを任せるか検討している会議テーブル

オウンドメディアの運営を外部へ依頼すると決めても、「コンサルティング(以下、コンサル)と運用代行のどちらに頼むべきか」で迷うことがあります。違いを分ける基本は、自社に足りないものが「判断」なのか「実行」なのかです。戦略や優先順位を決める力が足りないならコンサル、記事制作・更新・改善作業を進める人手が足りないなら運用代行が中心になります。

ただし、サービス名だけでは実際の支援範囲が分かりません。そこでこの記事では、責任範囲・成果物・必要な社内体制・費用の決まり方を比べ、自社がどちらへ相談すべきかを整理できるように解説します。

結論|「判断」が不足しているならコンサル、「実行」が不足しているなら運用代行

オウンドメディアコンサルと運用代行の違いは、外部会社が主に何を担当するかにあります。

コンサルは、現状分析、戦略設計、KPI設定、施策の優先順位付け、改善提案など、「何を、なぜ、どの順番で進めるか」を決める支援が中心です。コンサルの中でオウンドメディア構想をAIO・集客へ具体化した例として、株式会社カーチスの導入事例があります。

これに対して運用代行は、記事の企画・執筆・編集・入稿・更新・リライト・レポート作成など、決めた方針を実際に進める業務まで担当する支援が中心です。はてなとコンマルクの解説でも、両者の基本的な違いは「戦略・助言」と「実務の遂行」という軸で整理されています。

自社にどちらが必要かは、最初に次の3点を確認すると見分けやすくなります。

  • 何を改善すべきか決められないのか
  • やるべきことは分かっているが、実行する人が足りないのか
  • 判断する人も実行する人も不足しているのか
オウンドメディア運営の流れの中でコンサルの判断支援と運用代行の実行支援の範囲を示した図

図のとおり、両者の違いは名称よりも「どの工程の責任を外部へ任せるか」で整理すると分かりやすくなります。

次の表は、先ほどの3点を必要な支援タイプに対応させたものです。上の3行が3点に当たります。下の2行は、判断と実行のどちらかを社内で担える場合の例です。

自社の状態 主に必要な支援
課題や優先順位を決められない コンサル
方針はあるが制作・更新が進まない 運用代行
戦略も実務も不足している 両方を含む支援
実務は社内で進めたいが判断に不安がある コンサル
社内に責任者はいるが制作工数が足りない 運用代行

ここで注意したいのは、「コンサル」「運用代行」というサービス名だけで決めないことです。実際には、運用代行でも戦略設計まで含む会社があり、コンサルでも記事制作を提供する会社があります。そのため契約前に、誰が何を担当するのかを業務単位で確認しましょう。

コンサルと運用代行は何が違うのか|6つの軸で比較

この節では、名称ではなく、責任範囲・成果物・社内に必要な体制・費用を左右する要素を比べて、違いを確認します。次の表は、6つの軸で両者を並べたものです。

比較項目 コンサル 運用代行
主な役割 戦略・分析・判断支援 制作・更新・運用実務
主な業務 課題分析、KPI設計、テーマ設計、改善提案 企画、執筆、編集、入稿、更新、リライト
主な成果物 戦略、分析レポート、改善案、優先順位 記事、編集済み原稿、更新ページ、運用レポート
社内に必要な体制 実行担当者が必要 判断・承認する責任者が必要
費用を左右する要素 分析範囲、会議頻度、戦略設計の深さ 制作量、作業範囲、記事本数、運用工数
向く課題 何をすべきか決められない 決めた施策を実行できない

表を読むときの軸は、多くの行で「決める側」か「進める側」かです。たとえば「向く課題」の行は、何をすべきか決められないならコンサル、決めた施策を実行できないなら運用代行という読み方になります。

自社に不足している判断力と実行力からコンサルか運用代行かを判断する診断フロー

図のように、「何をすべきか決められない」のか、「決めたことを実行できない」のかを分けると、必要な外部支援を整理しやすくなります。

以下では、表の内容のうち、責任範囲(主な役割・主な業務)、成果物、社内に必要な体制、費用の4点を順に詳しく見ていきます。

責任範囲は「提案まで」か「実行まで」か

最も大きな違いは、改善策を提案した後に誰が実行するかです。たとえば、「既存記事100本を分析し、優先順位を付けてリライトする」という施策で考えてみます。

  • コンサルが中心の契約では、分析、対象記事の選定、改善方針の提示までを外部会社が担当し、実際のリライトやCMSへの反映は自社が担当するケースがあります。
  • 運用代行では、対象記事の選定だけでなく、構成変更、執筆、編集、CMS反映まで依頼できる場合があります。

この違いは、施策が進むかどうかに直結します。提案内容が優れていても、自社に実行担当者がいなければ、コンサルだけでは施策が止まる可能性があります。反対に、社内で実行できても優先順位が決まっていなければ、制作量を増やすだけでは課題解決につながりません。

成果物は「判断材料」か「実際のコンテンツ」か

コンサルの代表的な成果物は、戦略資料、分析結果、改善リスト、KPI設計、テーマやキーワードの優先順位などの判断材料です。

一方、運用代行では、記事原稿、取材記事、編集済みコンテンツ、CMSに公開されたページ、リライト済み記事など、実際に公開・運用する成果物が中心になります。

ただし、運用代行でも分析レポートを提出する会社はあります。成果物の名前だけで判断せず、「その資料を受け取った後に、自社で何をしなければならないか」まで確認しましょう。

社内に必要な体制は、コンサルと運用代行でどう違うか

オウンドメディア運営で社内に残す判断承認と外部へ任せられる実務を整理した役割分担図

どちらを選んでも、社内に残る役割はあります。契約前に、社内と外部の責任範囲を明確にしましょう。

コンサルを利用する場合は、提案を受けて実行する担当者が必要です。記事制作担当、編集者、CMS更新担当、デザイナー、エンジニアなど、施策によって必要な人は変わります。社内に実行体制がないままコンサルだけを契約すると、改善案が積み上がる一方で実装が進まない状態になりやすくなります。

一方、運用代行を利用しても、自社側の担当者が不要になるわけではありません。事業目標、商品・サービスの正確な情報、公開可否、表現上の判断、社内確認などは、外部会社だけでは決められないためです。実務を外へ出すほど、自社には「何を任せ、何を承認するか」を判断する役割が必要になります。

費用は「コンサルか代行か」より支援範囲で変わる

費用を比較するときは、「コンサルの方が安い」「運用代行の方が高い」と固定的に考えない方が安全です。費用を左右するのは、支援の種類よりも、どこまでの業務を含むかだからです。

  • コンサルでは、調査・分析の対象範囲、定例会の頻度、戦略設計の深さ、改善対象となるサイト規模などが費用へ影響します。
  • 運用代行では、記事本数、取材の有無、編集・校正の範囲、画像制作、CMS入稿、既存記事の更新、分析や改善まで含めるかによって、必要な工数が変わります。

複数の支援会社が公開する料金にも幅があり、サービス名称だけから適正価格を決めることは困難です。まず同じ業務範囲にそろえて比較しましょう。

オウンドメディアコンサルが向いているのは、どのような場合か

コンサルが向いているのは、社内に実行できる人はいるものの、「何を優先するか」「今の運営方法が正しいか」を判断しにくい状態です。次の3つの場面が目安になります。

記事は作れるが成果につながるテーマを決められない

社内ライターや編集担当者がいても、事業目標と記事テーマのつながりが弱ければ、記事数だけが増えることがあります。

どの読者を狙うのか、どの検索テーマを優先するのか、問い合わせまでどのページを経由させるのか。これらを整理する支援が必要なら、コンサルとの相性がよい状態です。

データはあるが改善の優先順位を決められない

Google Search Consoleでは、検索結果でのクリック数、表示回数、CTR(表示回数に対するクリックの割合)、平均掲載順位を確認でき、クエリやページ単位でも分析できます。Google Analyticsでは、ユーザーがどの経路から訪問したかなどを確認できます。

ただし、データが見られることと、次の施策を決められることは別です。

「表示回数を伸ばすのか」「CTRを改善するのか」「既存記事をリライトするのか」「問い合わせ導線を変えるのか」といった判断が止まっている場合は、分析と優先順位付けを支援するコンサルが選択肢になります。

社内運用を続けながら判断力を高めたい

将来的にも記事制作や更新を社内で続ける予定なら、外部会社へすべての実務を移すより、社内担当者と一緒に判断基準を整える方法があります。

マーケティング業務のアウトソーシングを扱った2020年の研究では、外部活用と社内のマーケティング能力の関係は単純ではなく、企業側に既存の能力や外部知識を取り込む力があることが、学習に関係すると報告されています。対象はオウンドメディアそのものではないため直接比較はできませんが、外部へ任せる場合でも社内側に判断や学習の接点を残す必要性を考える参考になります。

オウンドメディア運用代行が向いているのは、どのような場合か

運用代行が向いているのは、やるべきことがある程度見えている一方、制作・編集・公開・改善を進める人手が足りない状態です。次の3つの場面が目安になります。

記事企画はあるが制作が追いつかない

公開したいテーマが決まっていても、構成作成、執筆、編集、確認に時間がかかり、更新が止まっている場合があります。

この場合は、新しい戦略を作るより、現在の方針に沿って制作量を確保する支援の方が直接的です。

CMS更新やリライトまで手が回らない

既存記事を分析して改善対象が見えていても、修正原稿の作成やCMSへの反映が進まなければ結果は変わりません。

公開作業、記事更新、リライトまで外部に依頼したい場合は、契約範囲に実作業を含む運用代行を確認します。はてなは、運用代行の範囲として記事制作、入稿、リライト、効果測定、改善施策の実行などを挙げています。

担当者が兼務で継続運用の時間を確保できない

オウンドメディアには、記事を公開する作業だけでなく、企画、編集、公開管理、既存記事の更新、数値確認など継続的な仕事があります。

社内責任者はいるものの、日常業務の実行時間が不足しているなら、実務部分を外へ移す方が課題へ直接対応できます。

戦略も実務も不足している場合は支援範囲を組み合わせる

「コンサルか運用代行か」を、必ず二者択一で決める必要はありません。実際の支援サービスには、戦略設計から制作、分析、改善までを一体で提供するものもあります。

戦略判断から企画制作、公開運用、分析改善までを一体で支援するオウンドメディア運営の循環図

戦略と実行の両方が不足している場合は、支援範囲を分断せず、戦略設計から制作・分析・改善までを一体で依頼する方法もあります。

外部支援を選ぶ前提として、社内に残す業務と外注する業務の切り分けは、オウンドメディア運営の内製・外注の考え方で整理しています。

ここまでの内容をまとめると、選び方は冒頭の3点で整理できます。決められないのが「判断」ならコンサル、足りないのが「実行」なら運用代行、両方が足りないなら両方を含む支援が中心です。まず取りかかるのは、自社がどれに当たるかを決め、候補の支援会社に「誰が何を担当するのか」を業務単位で確認することです。

参考文献・出典

この記事で参照した情報を確認できます。

  • はてな「オウンドメディア“運用代行”会社選びで、失敗しないための判断軸|費用相場と5つのポイント」
    参照ページ
  • コンマルク「オウンドメディアコンサルに依頼できること|費用相場や失敗しない選び方を解説」
    参照ページ
  • Google Search Console ヘルプ「Performance report (Search results): Overview and basic setup」
    参照ページ
  • Google Analytics ヘルプ「[GA4] Traffic acquisition report」
    参照ページ
  • Industrial Marketing Management, “Lone wolf or social monkey? The role of marketing outsourcing in the development of second-order marketing competences”
    参照ページ

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