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複数店舗MEOの契約書で確認する6項目|店舗追加・権限・口コミ返信・店舗別レポート・解約単位

部署:マーケティング担当者部署:経営者・責任者レベル:実践
複数店舗のMEO契約書と店舗一覧を照合している担当者のデスク

複数店舗のMEO運用を外注するとき、契約書に「30店舗分のMEO運用」と書かれているだけでは、店舗ごとの運用は決まりません。契約開始後に新店の追加、閉店、休業、移転が起こり、本部と店舗で権限や承認の流れも分かれるためです。1店舗向けの条件を店舗数分に増やしただけの契約では、こうした場面で本部と外注会社の認識がずれやすくなります。

この記事は、MEO対策会社の比較や費用相場を調べる段階ではなく、外注先をすでに決めた複数店舗企業が、契約書・申込書へ署名する直前に条件を照合するための記事です。署名前に確かめることは、次の6項目です。

  1. 対象店舗と店舗追加・停止の単位
  2. Googleビジネスプロフィール(GBP)の所有権・管理権限
  3. 投稿・写真・基本情報更新の担当範囲
  4. 口コミ返信の対象・承認・エスカレーション(要確認の口コミを本部へ戻す流れ)
  5. 店舗別レポートと成果確認の単位
  6. 店舗単位の解約と契約終了時の権限返却

外注先の比較がすでに終わっているなら、会社選びをやり直す必要はありません。契約対象の店舗と店舗ごとの条件を1行ずつ並べた一覧(以下、店舗台帳)と契約書・申込書・仕様書を並べ、店舗単位で条件が一致しているかを確認してください。この記事を読むと、6項目それぞれについて、書面のどこを見るか、担当会社に何を質問するか、どの状態を避けるかが分かります。

この記事で確認するのは「外注先決定後・契約署名前」の条件

この記事で扱うのは、契約先を決めた後の最終確認です。MEO対策会社の選び方、費用相場、複数社の比較、内製か外注かといった判断は扱いません。確認の対象は、選んだ会社との契約条件が自社の店舗運用に合っているかどうかです。

外注先を決める前に、MEOを内製・外注・ハイブリッドのどの体制で進めるか整理したい場合は、MEO導入の内製・外注判断を確認してください。

契約書だけでは作業範囲が読み切れない場合は、申込書、見積書、仕様書、提案書、店舗台帳、運用ルールも同時に確認します。

複数店舗の契約では、次の3つの単位が一致しているかを見ます。

  • 契約単位:会社全体で一括契約なのか、店舗ごとに契約条件が変わるのか
  • 権限単位:本部・店舗・外注会社の誰が、どのプロフィールを操作できるのか
  • レポート単位:全店舗合計だけでなく、店舗別に成果を確認できるのか

この3つが曖昧なままだと、店舗追加時の請求、閉店時の停止、口コミ返信の承認、契約終了時の権限返却で認識違いが起こりやすくなります。以降の節では、6項目を順に確認します。

なぜ「1店舗の条件×店舗数」では足りないのか

複数店舗のMEO契約では、全店舗に共通する条件と、店舗ごとに変わる条件を分けて確認する必要があります。次の図は、その分け方を整理したものです。

複数店舗のMEO契約を全店舗共通条件と店舗ごとの条件に分けて整理した図

たとえば「30店舗を対象にMEO運用を代行する」と書かれていても、次の条件が明記されていなければ、実際の運用は確定しません。

  • 新店を追加した日から料金が発生するのか、翌月からなのか
  • 休業店舗を一時停止できるのか
  • 閉店店舗の契約枠を別店舗へ振り替えられるのか
  • 本部は全店舗、各店舗は自店舗だけを操作するのか
  • 投稿は全店共通か、店舗別に作成するのか
  • 口コミ返信は全件か、指定口コミだけか
  • レポートは全体集計だけか、店舗別に出るのか
  • 一部店舗だけ契約終了できるのか

これらの条件は、冒頭の6項目のどれかに当たります。契約書では会社全体の条件だけでなく、店舗単位の条件を別紙や店舗台帳で確認できる状態にしておくことが重要です。

会社全体の条件と店舗単位の条件を分けて確認する

契約直前には、契約書の本文と店舗台帳を分けて確認すると整理しやすくなります。会社全体で共通化しやすいのは、契約期間、支払条件、秘密保持、全体の報告頻度などです。一方、店舗ごとに差が出やすいのは、対象可否、権限、投稿、口コミ返信、休業・閉店、新店追加などです。

次の表は、確認する単位ごとに、主な確認内容をまとめたものです。

確認単位 主な確認内容
会社全体 契約期間、支払条件、更新、解約通知期限、全体レポート
店舗単位 対象可否、追加・停止、GBP権限、投稿、口コミ返信、店舗別レポート
契約終了時 店舗単位の停止可否、データ受け渡し、外注会社の権限解除

店舗台帳を契約書の別紙として扱える場合は、「対象店舗名」「GBP URL」「契約開始日」「投稿担当」「口コミ返信担当」「レポート対象」「休業・閉店予定」まで紐づけておくと、契約後の確認がしやすくなります。

1. 対象店舗と店舗追加・停止の単位は書面で確定しているか

最初に確かめるのは、契約の対象になる店舗と、店舗が増減したときの扱いです。店舗数だけでなく、どの店舗が対象なのかを一覧で確定し、追加と停止の条件まで書面で確認します。

書面で確認する項目

契約書・申込書で、次の項目が確認できるかを見ます。

  • 契約開始時の対象店舗数
  • 対象店舗を特定する一覧・別紙の有無
  • 新店追加時の申請方法
  • 追加料金の発生日
  • 初期設定費用の有無
  • 日割り計算の有無
  • 休業・閉店時の停止条件
  • 店舗枠の振り替え可否

担当会社へ確認する質問

書面に条件がない項目は、署名前に担当会社へ次のように質問します。

契約後に新店が1店舗増えた場合、いつから料金が発生しますか。月途中の場合は日割りですか。

休業・閉店した店舗だけ停止できますか。停止した枠を別の新店舗へ振り替えることはできますか。

契約対象店舗は、契約書または別紙の店舗台帳で確定できますか。

避けたい契約書の状態

「30店舗分」とだけ書かれ、どの店舗が対象か特定できない状態は避けます。

また、「店舗追加は別途相談」とだけ記載され、料金発生日や手続きが決まっていない場合も、契約後に認識が分かれる可能性があります。

店舗数が多いほど、契約店舗数ではなく、店舗名まで書面で一致しているかを確認してください。

2. 自社はGoogleビジネスプロフィールの所有権・管理権限を保てるか

この項目で確かめるのは、MEO運用を外注しても、自社がGoogleビジネスプロフィールを管理できる状態が続くかどうかです。次の図は、本部が所有権を保持し、店舗とMEO外注会社へ必要な権限を付与する構造を示しています。

本部が所有権を保持し、店舗とMEO外注会社へ必要な権限を付与する構造図

Googleビジネスプロフィールにはオーナーと管理者があり、操作できる範囲が異なります。契約確認では細かな機能説明よりも、契約終了後も自社だけで管理へ戻れる権限設計になっているかを確認します。

書面で確認する項目

契約書・仕様書で、次の項目が確認できるかを見ます。

  • 自社が所有権または共同所有権を保持すること
  • 外注会社へ付与する権限の種類
  • 本部が全店舗を確認できること
  • 店舗担当者へ付与する範囲
  • アカウント追加・削除の担当者
  • 契約終了時の外注会社権限の解除方法

担当会社へ確認する質問

権限の付け方は会社ごとに違うため、署名前に次の点を担当会社へ質問します。

契約開始後も、自社側のアカウントで全店舗を管理できますか。

外注会社にはどの権限を付与しますか。所有権を移す必要はありますか。

契約終了時は、誰が何日以内に外注会社のアクセスを解除しますか。

避けたい契約書の状態

外注会社だけがプロフィールを管理し、自社に必要な権限が残らない状態は避けます。契約終了後に自社だけで管理へ戻れなくなるためです。

また、複数担当者で同じID・パスワードを共有するのではなく、必要な担当者ごとに権限を付与する運用を前提にします。

3. 投稿・写真・基本情報の更新は誰がどこまで担当するか

「MEO運用代行」「投稿対応」といった記載だけでは、実際の作業範囲が分かりません。

複数店舗では、全店共通の情報と店舗ごとの情報が混在します。そのため、作成・承認・公開を誰が担うかまで契約上で確認します。

書面で確認する項目

契約書・仕様書で、更新の対象と担当が次の単位で書かれているかを見ます。

  • 営業時間・住所・電話番号など基本情報の修正
  • 商品・サービス情報の更新
  • 写真追加
  • 投稿文の作成
  • 投稿画像の準備
  • 店舗ごとの内容調整
  • 本部・店舗の承認有無
  • 公開作業の担当者

担当会社へ確認する質問

投稿の回数や担当は表現があいまいになりやすいため、次のように具体的に質問します。

「月4回投稿」は、全店舗共通の投稿を4回配信する意味ですか。それとも各店舗ごとに4回作成しますか。

店舗独自のキャンペーン情報は、誰が収集し、誰が原稿へ反映しますか。

営業時間などの変更連絡を受けてから、何営業日以内に反映しますか。

避けたい契約書の状態

「投稿月4回」とだけ書かれ、原稿作成・画像作成・店舗別調整・承認・公開のどこまでが契約範囲か分からない状態です。

特に複数店舗では、回数だけでなく、1回の投稿が全店舗共通なのか店舗別なのかを確認してください。

4. 口コミ返信の対象・承認・エスカレーションはどう決まっているか

口コミ返信を外注する場合は、「返信代行あり」と書かれているだけでは不十分です。

返信は公開され、店舗の顧客対応として見られます。そのため、外注会社が判断できる範囲と、自社の確認へ戻す範囲(エスカレーション)を契約前に決めます。次の図は、通常の口コミと低評価・トラブルの口コミで、返信の承認の流れを分ける考え方を示しています。

通常の口コミと低評価・トラブル口コミで返信承認の流れを分ける図

書面で確認する項目

契約書・仕様書で、返信の対象と判断の流れが次の項目まで書かれているかを見ます。

  • 返信対象が全件か、一部か
  • 返信期限
  • 返信文を作成する担当
  • 本部承認の有無
  • 店舗確認の有無
  • 低評価口コミの扱い
  • クレーム・事故・個人情報を含む口コミのエスカレーション先

担当会社へ確認する質問

書面に判断の流れがなければ、次の3点を署名前に質問します。

口コミ返信は全件ですか。低評価のみですか。対象外となる口コミはありますか。

外注会社だけで公開できる範囲と、本部承認が必要な範囲を分けられますか。

事故・クレーム・従業員個人名などを含む口コミは、自動返信せず本部へ戻す運用にできますか。

避けたい契約書の状態

「口コミ返信込み」とだけ記載され、誰が判断して公開するか決まっていない状態です。

全件を同じ承認フローにすると本部の負担が大きくなります。一方、すべて外注会社の判断で公開すると、店舗の事情を反映できない場合があります。そのため、通常の口コミと要確認の口コミを分ける条件まで決めておきます。

5. 店舗別レポートで成果を店舗ごとに確認できるか

複数店舗のMEOでは、全店舗合計だけでは改善対象を判断できません。

全体の数値が伸びていても、一部の店舗だけが伸び、別の店舗は下がっている可能性があります。そのため契約書・仕様書では、何をどの単位で確認できるかを見ます。

書面で確認する項目

契約書・仕様書で、レポートに次の項目が含まれるかを見ます。

  • 全店舗合計のレポート
  • 店舗別レポート
  • 前月比較
  • 過去推移
  • 検索・閲覧に関するデータ
  • 電話・経路案内などのユーザー行動
  • 口コミ件数・評価
  • 実施施策の記録
  • Google由来データと独自ツールデータの区別

担当会社へ確認する質問

レポートの中身は見本がないと判断しにくいため、次の点を担当会社へ質問します。

全店舗の合計だけでなく、各店舗の数値を個別に確認できますか。

順位データを出す場合、対象キーワードと計測地点は確認できますか。

レポート内の数値がGoogleビジネスプロフィール由来か、独自ツール由来か区別できますか。

避けたい契約書の状態

「月次レポートあり」とだけ書かれ、店舗別の状況を確認できない状態です。

複数店舗の契約では、レポートの有無ではなく、店舗別に比較・改善判断できる粒度かを確認してください。

6. 店舗単位で解約でき、契約終了時に権限が戻る契約か

複数店舗の契約では、会社全体を解約できるかだけでなく、一部の店舗だけを停止できるかが重要です。

50店舗契約のうち5店舗が閉店した場合、5店舗だけ停止できる契約と、次回更新まで50店舗分が続く契約では扱いが異なります。次の図は、契約開始から新店追加、閉店、契約終了までの店舗数の変化を示しています。

MEO契約開始から新店追加、閉店、契約終了まで店舗数の変化を示した図

書面で確認する項目

契約書・申込書で、停止と終了に関する次の項目が確認できるかを見ます。

  • 最低契約期間
  • 自動更新の有無
  • 解約申請期限
  • 中途解約条件
  • 店舗単位の停止可否
  • 閉店・休業時の扱い
  • 店舗枠の振り替え可否
  • 契約終了時の外注会社権限の解除
  • レポート・店舗台帳・運用履歴の受け渡し

担当会社へ確認する質問

解約の条件は、申請の時期や単位で扱いが分かれやすいため、次のように質問します。

会社全体ではなく、閉店した店舗だけ契約対象から外せますか。

店舗停止は申請月からですか。翌月からですか。契約更新時のみですか。

契約終了後、自社だけで全店舗を管理できる状態へ戻す手順は書面化されていますか。

最終レポート、店舗台帳、運用履歴は受け取れますか。

避けたい契約書の状態

「解約は○日前まで」とだけあり、店舗単位の停止や権限返却が書かれていない状態です。

契約終了時は、投稿や口コミ返信が残るかどうかと、外注会社の管理権限を解除することを分けて確認します。終了時の引き継ぎ手順(オフボーディング)まで契約前に確認しておくと、運用会社を変更するときも引き継ぎやすくなります。

署名前に書面で確認する6項目のチェックリスト

契約直前は、次の6項目が書面で確認できるかを最終チェックします。表の番号は、各節の番号と対応しています。

項目 書面で確認する内容
1. 対象店舗・増減 店舗台帳、追加日、料金発生日、日割り、休業・閉店時の停止
2. GBP権限 自社の所有権、本部・店舗・外注会社の権限、終了時の解除
3. 投稿・情報更新 原稿、画像、店舗別調整、承認、公開の担当範囲
4. 口コミ返信 対象口コミ、返信期限、承認、要確認口コミのエスカレーション
5. 店舗別レポート 全体・店舗別の数値、比較単位、データ元、施策記録
6. 解約・返却 店舗単位停止、申請期限、権限解除、データ・履歴の受け渡し

「対応します」「レポートします」「口コミ返信込みです」といった説明だけでは足りません。どの店舗に、何を、誰の判断で、いつまでに行うのかが、契約書・申込書・仕様書で確認できる状態を目指してください。

店舗台帳と契約条件を1行ずつ照合する

最後に、実際の店舗台帳と契約条件を1行ずつ照合します。次の表は、その記入例です。

店舗 GBP 契約対象 契約開始日 投稿担当 口コミ返信 店舗別レポート 状態・備考
A店 あり ○ 10/1 外注 外注 ○ 通常営業
B店 あり ○ 10/1 本部 外注 ○ 店舗独自投稿あり
C店 あり × - 店舗 店舗 × 閉店予定

この例では、投稿の担当が店舗ごとに異なり、C店は口コミ返信も店舗が担当します。C店は閉店予定で、契約対象に含まれていません。1行ずつ並べると、契約書の店舗数だけでは見えない違いを確認できます。

さらに店舗の増減が多い場合は、次の列も追加すると確認しやすくなります。

  • 新店追加の申請日
  • 料金発生日
  • 日割り有無
  • 一時休業の停止可否
  • 閉店日
  • 店舗枠の振り替え先
  • 外注会社の権限付与日・解除日

契約書の本文に全店舗の詳細を書けない場合でも、店舗台帳を別紙として紐づけておけば、「契約店舗数と実際の対象店舗が違う」「閉店したのに請求対象が残る」「口コミ返信の担当が店舗ごとに違う」といった認識違いを発見しやすくなります。

まとめ:署名前に、店舗単位で条件が一致しているかを確かめる

複数店舗MEOの契約直前に確認すべきなのは、外注会社の比較や費用相場ではなく、選んだ会社との契約条件が店舗単位で実際の運用に一致しているかです。

確認する6項目は、対象店舗と増減条件、GBP権限、投稿・情報更新、口コミ返信、店舗別レポート、店舗単位の解約と権限返却です。

複数店舗では「1店舗向けの条件×店舗数」では足りません。契約単位、権限単位、レポート単位を分け、店舗台帳と契約書・申込書・仕様書を照合してください。

外注先が決まっている段階だからこそ、会社比較へ戻るのではなく、契約後に揉めやすい店舗追加・停止・権限・承認・解約の条件を署名前に書面化することに取り組んでください。最初の一歩は、店舗台帳を作り、1行ずつ照合することです。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

  • Google Business Profile Help「Business Profile third-party policies」
    https://support.google.com/business/answer/7353941?hl=en
  • Google Business Profile Help「Manage your Business Profile owners & managers」
    https://support.google.com/business/answer/3403100?hl=en
  • Google Business Profile Help「Manage agency business groups」
    https://support.google.com/business/answer/7655842?hl=en
  • Google Business Profile Help「Bulk location management overview」
    https://support.google.com/business/answer/3217744?hl=en
  • Google Business Profile Help「ユーザーからのクチコミを管理する」
    https://support.google.com/business/answer/3474050?hl=ja

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