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口コミ削除申請が不成立だった後の対応|再審査・返信・法務相談・評判改善の切り替え方

部署:広報・PR担当者部署:経営者・責任者レベル:実践口コミ対策、レピュテーション管理、口コミ分析風評被害対策
口コミの削除申請が不成立になった後、企業担当者が再審査・返信・法務相談・評判改善の次の対応を検討している様子

口コミの削除申請を出したのに「不成立」や「削除対象外」と判断されると、次に何をすればよいのか迷います。もう一度申請するのか、返信で対応するのか、弁護士に相談するのか、判断に困る場面です。

本記事が扱うのは、すでに口コミの削除申請を行い、不成立・削除対象外などの判断が出た後の対応です。初回の削除条件、申請方法、媒体別の削除手順は扱いません。これらを確認したい場合は、先に「ネット上の投稿を削除依頼する方法|媒体別の流れと削除できない場合の対処法」を確認してください。

不成立の後にまず避けたいのは、同じ申請を繰り返すことです。判断材料が増えていないまま申請を重ねても、結果が変わるとは限らず、担当者の工数がかかるからです。代わりに不成立理由、追加できる根拠、被害が進行しているかを確認し、再審査、公開返信、法務相談、検索上の評判改善のどこへ切り替えるかを決めます。

この記事では、削除申請が一度不成立になった企業の広報・店舗運営・風評対策担当者向けに、次の一手を選ぶ判断基準を整理します。媒体の仕組みは、Google ビジネス プロフィールの案内を主な例にして説明します。

結論|不成立理由・追加根拠・被害進行性の3点で次の対応を決める

削除申請が不成立になった後は、「再申請するか、諦めるか」の二択ではありません。最初に次の3点を確認すると、進む方向を絞れます。

確認項目 確認すること 次の対応への影響
不成立理由 なぜ削除対象外と判断されたのか 再審査の余地があるかを判断する
追加根拠 初回申請時になかった事実・資料・ポリシー該当箇所があるか 再審査を行う合理性を判断する
被害進行性 個人情報、脅迫、転載、複数媒体への拡散などが進んでいるか 返信より法務相談を優先すべきか判断する

被害進行性とは、被害が広がり続けているかどうかを指します。3点の確認結果によって、優先する次の一手は次の表のように分かれます。

状態 優先する次の一手
正式な再審査ルートがあり、追加根拠もある 再審査
追加根拠がなく、主観的な不満や低評価が中心 公開返信・サービス改善
権利侵害が疑われる、被害が進行している 法務相談・必要な専門対応
削除は難しいが、検索時の印象への影響が大きい 返信・公式情報整備・評判改善
最終判断済みで、新しい根拠もない 削除申請を反復せず別の対応へ切り替える

再審査について、Google ビジネス プロフィールでは、ポリシー違反に該当しない口コミは削除対象にならず、削除対象外と判断された口コミについてはクチコミ管理ツールから1回限りの再審査請求ができると案内されています。

そのため、不成立後に「もう一度送れば通るかもしれない」と反復するのは得策ではありません。次の一手に進む条件を先に決めておきます。以降の節で、その判断に使う記録と、4つの対応(再審査・公開返信・法務相談・評判改善)を順に説明します。

最初に、不成立時点の記録を残す

この節では、不成立後の判断に使う記録を決めます。削除申請前の一般的な証拠保全ではなく、ここで残すのは不成立判断後の意思決定に必要な記録です。

最低限、次の情報を同じ案件フォルダや管理表にまとめます。

  • 不成立時点の口コミ本文と星評価
  • 投稿URLと確認日時
  • 初回の削除申請日時
  • 初回申請で記載した理由
  • 媒体から届いた審査結果・通知
  • 再審査の可否が分かる画面
  • 初回申請後に確認できた追加事実
  • 社内の確認担当者と確認結果

口コミ削除申請が不成立になった後、投稿内容・審査結果・社内記録を保存して整理するイメージ

目的は、証拠を大量に集めることではありません。「初回申請時点から何が増えたのか」を後から比較できる状態にすることです。この比較が、次の節で再審査に進めるかを決める材料になります。

企業側の認識と確認できた事実を分けて判断する

たとえば来店記録が見つからなくても、それだけで「利用していない人の虚偽投稿」と断定できるとは限りません。電話予約、代理予約、同行者名義など、通常の記録に残りにくい利用経路がないかも確認します。

再審査でも公開返信でも、企業側の感覚ではなく、確認できた事実を基準に判断します。

公開返信に進む場合も、先に不成立時点を保存する

返信後に投稿者が口コミを編集する場合があります。そのため、公開返信へ進む場合も、先に不成立時点の投稿と審査結果を保存しておきます。「どの内容に対して、なぜその対応を選んだか」を社内で説明しやすくなるためです。

再審査に進むのは、追加根拠がある場合だけ

この節では、再審査に進むかどうかを決めます。判断の軸は、初回申請と同じ主張を繰り返さないことです。

再審査制度がある媒体では、初回申請後に追加できる客観情報や、具体的なポリシー該当箇所があるかを確認します。Googleの再審査請求は1回限りのため、追加根拠がそろう前に使い切るのは避けた方がよいと考えます。

再審査を検討できる状態

次のような追加材料がある場合は、再審査を検討する余地があります。

  • 初回申請後に、投稿内容と明確に矛盾する客観記録を確認できた
  • 利益相反を示す事情を新たに確認できた
  • 個人情報、脅迫、なりすましなど、該当するポリシー項目を具体的に示せる
  • 初回申請では不足していた時系列や資料を追加できる
  • 媒体側が正式な再審査ルートを用意している

口コミ削除申請が不成立になった後、追加根拠の有無によって再審査または返信・法務相談・評判改善へ分岐する判断図

上の図のように、追加根拠があれば再審査へ進み、なければ返信・法務相談・評判改善へ分かれます。

再審査を続けず、別の対応に切り替える状態

一方、次の状態では、再審査を繰り返すより別の対応へ切り替えます。

  • 初回申請と同じ理由しか出せない
  • 「評価が低い」「表現が厳しい」ことだけが問題
  • 企業側の認識と違うが、客観的な追加根拠がない
  • 正式な再審査ルートを使い切っている
  • 媒体側の最終判断が出ている

この段階で削除申請を反復すると、担当者の工数だけが増え、返信や顧客対応、法務相談など別の選択肢が遅れる可能性があります。次の節からは、その別の選択肢を見ていきます。

削除できない口コミには、次に読む人に向けて返信する

この節では、削除対象にならなかった口コミへの公開返信を決めます。削除できない口コミでも、返信によって企業側の確認姿勢や対応方針を示せる場合があります。

返信の目的は、投稿者を言い負かすことではありません。その口コミを後から読む見込み客・求職者・取引先に、企業側がどのように確認し対応しているかを伝えることです。

低評価口コミへの企業返信が、投稿者だけでなく見込み客・求職者・取引検討者にも読まれることを示す図

Googleも口コミへの返信について、プライバシーを守ること、個人攻撃を避けること、簡潔で役に立つ内容にすることなどを案内しています。

ホテル分野の実験研究では、否定的な口コミに企業からの返信がある場合、返信がない場合より、将来の利用者が企業に対して抱く信頼や「顧客を気にかけている」という評価が高まったと報告されています。対象業界は限定されますが、返信が投稿者以外にも読まれることを考える参考になります。

事実関係を特定できない場合の返信例

社内で確認しても、口コミに書かれた利用の事実を特定できない場合は、次のように確認の姿勢と窓口を示します。

ご意見をお寄せいただきありがとうございます。社内で確認しましたが、現時点ではご記載の内容に該当する状況を特定できておりません。差し支えなければ、利用日時や状況を当社窓口までお知らせください。確認のうえ対応いたします。

この例のポイントは、断定せずに確認の窓口を示していることです。利用実態を完全に確認できていない段階で、「虚偽投稿です」「利用者ではありません」と断定するのは避けます。

実際の不満が含まれる場合の返信例

口コミに実際の不満が含まれていると考えられる場合は、次のように受け止めたうえで、対応の方向を示します。

このたびはご期待に沿えず申し訳ありません。ご指摘いただいた点は担当部署で確認し、同様のことが起きないよう対応を見直します。個別の状況を確認したい場合は、当社窓口までご連絡いただけますと幸いです。

どちらの返信でも、顧客名、予約内容、相談内容など個別の情報は書きすぎないようにします。

法務相談へ切り替える条件を決めておく

この節では、再審査や公開返信にとどめず、法務相談へ進む条件を決めます。削除申請が不成立だったことは、「法的にも問題がない」と確定したことを意味しません。媒体のコンテンツポリシーによる審査と、名誉毀損やプライバシー侵害などの法的判断は別だからです。

次のような場合は、再審査や公開返信だけで抱えず、法務担当者や弁護士への相談を早めに検討します。

状況 優先する対応
個人情報・秘密情報が公開されている 不成立時点を保存し、法務担当者・弁護士へ相談
脅迫・継続的な嫌がらせがある 安全確保を優先し、必要に応じて警察・専門家へ相談
具体的な事実を断定する投稿で重大な信用毀損が疑われる 媒体対応と並行して法的整理を検討
複数アカウント・複数媒体で投稿が続く 時系列と関連投稿をまとめて相談
投稿者の特定や損害賠償まで検討している 手続や期限も含め早めに弁護士へ相談

相談の際は、不成立時点の投稿と審査結果、時系列、関連する投稿をまとめておくと、状況を伝えやすくなります。法務省は、インターネット上の名誉毀損やプライバシー侵害などに関する削除依頼の方法や相談窓口を案内しています。

なお、本記事は一般的な対応の整理であり、個別案件の違法性や削除可能性を判断するものではありません。

削除に固執せず、検索上の評判改善へ切り替える

この節では、再審査も法務対応も当てはまらない場合の進め方を決めます。その場合は、削除できない口コミ1件だけに対応工数を集中させない方がよいケースがあります。

代わりに、企業名・店舗名を検索した人が接触する情報全体を確認します。

削除できない口コミだけに固執せず、口コミ返信・公式サイト・企業情報など検索時に見られる情報全体を改善する考え方

確認するのは、たとえば次の項目です。

  • Google ビジネス プロフィールなどの基本情報は最新か
  • 低評価口コミに未返信が集中していないか
  • 公式サイトに料金、サービス内容、対応方針などの判断材料があるか
  • よくある不安や誤解に答えるFAQがあるか
  • 採用候補者や取引先が見る会社情報は最新か
  • 企業名検索で古い情報や誤解を招く情報が目立っていないか

既存顧客へ口コミ投稿を依頼する場合は、公平な方法で行います。Googleは、口コミの投稿・修正・削除と引き換えに割引や特典を提供することや、肯定的な口コミだけを選んで集める行為を禁止しています。

削除できない低評価を作為的な高評価で埋めるのではなく、実際の利用者から継続的に率直な口コミを集め、必要な返信とサービス改善を続けます。

実際の利用者へ公平に口コミを依頼する設計や、規約リスクを避ける考え方は、口コミ獲得・増加施策の設計と規約リスクで詳しく整理しています。

状況別の判断表|再審査・公開返信・法務相談・評判改善のどれを優先するか

ここまでの4つの対応を、状況ごとの優先度で整理します。表の記号は、◎が最も優先する対応、○が併せて検討する対応、△が状況に応じて判断する対応、バツ印が当面使わない対応という目安で読んでください。

状況 再審査 公開返信 法務相談 評判改善
追加根拠があり正式な再審査ルートがある ◎ △ 必要に応じて △
追加根拠がなく主観的な不満が中心 × ◎ 原則優先しない ○
個人情報・脅迫・重大な権利侵害が疑われる △ 先に相談 ◎ △
最終判断済みで削除困難、検索露出が大きい × ○ 必要に応じて ◎
複数媒体へ拡散・実害が進行 △ 慎重に判断 ◎ ○

この表から読み取れる最も大事な点は、追加根拠がないまま再審査を続けないことです。

削除申請を終える判断は、対応の放棄ではありません。返信、法務、評判改善へ、担当と目的を切り替えるための判断です。

ケースで見る|削除申請が不成立だった後の次の一手

判断表の考え方を、4つの具体的な場面に当てはめます。自社の状況に近いケースから読んでください。

ケース1|ポリシー違反の追加根拠が見つかった

不成立通知を保存し、初回申請時になかった根拠を整理して、正式な再審査ルートへ進みます。

再審査では、前回と同じ主張を繰り返すのではなく、新たに確認できた事実と該当するルールを対応させます。

ケース2|低評価だが実体験に基づく不満と考えられる

削除に固執せず、返信、事実確認、サービス改善へ切り替えます。

同じ不満が複数の口コミで繰り返されている場合は、返信文だけでなく、実際の顧客体験や運用上の原因も確認します。

ケース3|虚偽情報・個人情報・脅迫などが含まれる

公開で反論する前に、不成立時点の投稿と審査結果を保存します。

そのうえで、法務担当者や弁護士へ相談し、媒体対応とは別に必要な手続を整理します。

ケース4|削除は難しいが会社名検索で目立つ

口コミ単体ではなく、検索結果全体を確認します。

返信、公式情報の更新、FAQ、会社情報、他の口コミへの対応など、第三者が企業を判断するときに見る情報を整えます。

削除不成立後のチェックリスト

対応を決める前と、実際に動き出す前に、次の項目を確認します。

  • 不成立時点の口コミ画面を保存した
  • 初回申請日時・理由・審査結果を保存した
  • 不成立理由を確認した
  • 初回申請後に追加できる客観的根拠があるか確認した
  • 正式な再審査ルートと利用可能回数を確認した
  • 追加根拠がない場合は再審査を反復しないと決めた
  • 公開返信で個人情報を出さないよう確認した
  • 法務相談へ切り替える条件に該当しないか確認した
  • 企業名検索や他媒体への拡散状況を確認した
  • 削除困難な場合の評判改善施策を整理した

よくある質問

削除申請が通らなかったら、すぐ再申請した方がよいですか

同じ理由のまま再申請を繰り返すのは避けます。

まず不成立理由を確認し、初回申請時になかった追加根拠があるかを確認してください。正式な再審査制度があり、新しい根拠を示せる場合に再審査を検討します。

追加根拠がない場合は、削除を諦めるしかありませんか

削除申請を続けないことと、対応を終えることは同じではありません。

公開返信、サービス改善、法務相談、検索上の評判改善など、削除以外の対応へ切り替えます。

事実と違う口コミなら必ず再審査で削除されますか

必ず削除されるとは限りません。

媒体のポリシー判断と、企業が把握している事実、法的な権利侵害の判断は別です。客観的な記録を整理し、必要に応じて法務相談へ進みます。

削除できない口コミには返信した方がよいですか

主観的な不満や低評価が中心で、法的な問題が強く疑われない場合は、返信を検討する価値があります。

ただし、個人情報、脅迫、重大な権利侵害が疑われる場合は、公開返信より先に専門家へ相談した方がよいケースがあります。

高評価の口コミを増やせば、悪い口コミの影響を下げられますか

作為的に高評価だけを増やす運用は避けます。

実際の顧客へ公平に口コミを依頼することはできますが、特典と引き換えに投稿・修正・削除を求めたり、肯定的な顧客だけを選んで依頼したりする運用はGoogleのポリシーに反します。

まとめ

口コミ削除申請が不成立だった後は、同じ申請を繰り返すのではなく、不成立理由・追加根拠・被害進行性の3点で次の一手を決めます。切り替えの目安は次のとおりです。

  • 追加根拠があり、正式な再審査ルートが残っている場合は、再審査へ進みます。
  • 追加根拠がない場合は、公開返信やサービス改善へ切り替えます。
  • 個人情報、脅迫、重大な信用毀損などが疑われる場合は、法務相談を優先します。
  • 削除が難しく検索上の影響が大きい場合は、公式情報や口コミ対応を含む評判改善へ切り替えます。

「削除できなかった=何もできない」ではありません。削除申請後の状況に応じて目的を切り替え、第三者が企業を判断するときに残る不安を減らしていきます。

最初の一歩は、不成立理由を確認し、不成立時点の口コミと審査結果を保存することです。

社内で対応判断を整理したい場合は、証拠保存・再審査・返信・法務・評判改善の確認項目をまとめた無料ダウンロード資料も活用できます。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィール上の不適切なクチコミを報告する」
使用内容:削除対象となる口コミ、1回限りの再審査請求。
Google公式ページ

Google マップ ユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー「禁止または制限されているコンテンツ」
使用内容:虚偽のエンゲージメント、利益相反、口コミ操作に関するルール。
Google公式ポリシー

Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Tips to get more reviews」
使用内容:口コミ返信の基本、インセンティブ付き口コミや選別的な口コミ依頼に関する注意。
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法務省「インターネット上の人権侵害をなくしましょう」
使用内容:インターネット上の名誉毀損・プライバシー侵害等に関する削除依頼・相談窓口。
法務省公式ページ

Sparks, B. A., So, K. K. F., & Bradley, G. L.(2016)“Responding to negative online reviews: The effects of hotel responses on customer inferences of trust and concern.” Tourism Management, 53, 74–85.
DOI:10.1016/j.tourman.2015.09.011
使用内容:否定的口コミへの企業返信が、潜在顧客の信頼・配慮の推測に与える影響。
論文情報

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