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口コミ削除申請の進捗管理|受付・再確認・責任者報告の期限

部署:広報・PR担当者レベル:実践
口コミ削除案件の進捗表と確認期限をPCで管理する広報担当者の手元

口コミの削除申請は、申請ボタンを押した時点では終わりません。実務で起こりやすいのは、「誰が申請したか分からない」「結果確認を忘れた」「却下後に再審査できたのに放置した」といった、申請後の管理漏れです。

特に複数店舗・複数媒体を扱う企業では、削除方法を知っているだけでは足りません。受付日、対象URL、申請理由、証跡、次回確認日、再審査の可否、最終判断までを、案件単位で管理する必要があります。

ここで押さえたいのは、Googleなど媒体側の審査期間は自社で決められないという点です。そのため、媒体の処理を待つのではなく、「いつ自社が確認し、どの条件で次の対応へ進むか」を自社で決めておきます。この記事では、自社が次に動く期限の取り決めを「自社SLA」と呼びます。

以降では、削除申請後の進捗を漏れなく追跡するために、管理項目、確認サイクル、そして責任者や専門部署へ案件を引き上げるエスカレーションの基準を整理します。エスカレーションの基準は、経過日数だけでなく案件のリスクも合わせて決める考え方を取ります。

削除依頼の全体像や前提は「【最短即日】ネットの削除依頼方法!流れや削除できない場合も解説」で整理しています。

削除申請は送信後も「案件クローズ」まで管理する

口コミ削除業務の終了条件は、申請を送信したことではありません。最終結果を確認して記録し、案件をクローズするまでを一つの案件として管理します。

口コミ削除案件を受付から申請、判定、再審査、最終確認、クローズまで管理するフロー図

最低でも、対象案件が「削除」「非削除で確定」「再審査終了」「別の対応へ移行」のいずれかに到達し、担当者が結果を記録したところまでを管理します。

Google ビジネス プロフィールでは、ポリシーに違反する口コミを報告できます。初回判断で削除対象外となった口コミについては、条件を満たせば1回限り再審査を請求でき、再審査後の結果はメールで通知されます。つまり少なくともGoogleでは、次の4段階を順に管理することになります。

  1. 削除申請
  2. 判定確認
  3. 必要なら再審査
  4. 最終結果確認

実際、2026年のGoogle ビジネス プロフィール ヘルプコミュニティにも、「判定待ち」が長期間続くケースや、再審査後も「エスカレーション済み」の状態から更新されないという相談が投稿されています。コミュニティ投稿はGoogle公式の処理期限を示すものではありませんが、申請した案件を放置せず継続して確認する必要性を示す事例として参考になります。

媒体の処理期限と自社SLAは分けて決める

進捗管理では、媒体が約束している処理期限と、自社が設定する確認期限を混同しないことが出発点になります。

Google公式ヘルプでは、口コミの削除可否や再審査の仕組みは説明されていますが、「すべての削除申請を○営業日以内に処理する」といった一律の処理保証は示されていません。

そこで企業側では、媒体の処理を待つのではなく、自社が次に動く期限を定める「自社SLA」を設定します。決めるのは「いつ結果を確認し、次の対応を判断するか」です。

媒体の処理期間と自社で設定する口コミ削除確認SLAを分けて管理する図

次の表は、管理段階ごとの自社SLAの例と、各段階で担当者が行うことをまとめたものです。

管理段階自社SLAの例担当者が行うこと
受付当日案件ID発行、URL・投稿内容・証跡を保存
申請受付から1営業日以内ポリシー確認後に正式申請
初回確認申請から3営業日後ステータス、メール、掲載状態を確認
継続確認以後5営業日ごと状態変化、追加対応可否を確認
不承認確認後1営業日以内再審査可否と追加証拠を確認
再審査判断後1営業日以内必要な案件のみ実施
長期未解決社内基準到達時責任者・専門部署へエスカレーション
クローズ結果確認当日最終結果、対応履歴、証跡を保存

表の日数は、媒体が保証する処理期間ではありません。たとえば「申請から3営業日後」は3営業日後に削除されるという意味ではなく、3営業日後に自社担当者が一度確認するという管理上の期限です。なお表中の「不承認」は、初回判断で削除対象外となったことを指します。

この区別をルール化しておくと、「Googleが遅れているから管理できない」という状態を避けられます。

案件台帳には最低12項目を記録する

削除申請を担当者のメールやチャットだけで管理すると、異動、休暇、複数案件の同時進行によって履歴が失われます。そこで、1案件を1行として、最低限次の12項目を台帳に記録します。

項目記録内容
案件ID一意の管理番号
媒体Google、口コミサイトなど
店舗・企業名対象となる拠点
口コミURL対象投稿を特定できるURL
投稿日口コミの投稿日
検知日社内で発見した日
申請日削除申請を実施した日
申請理由該当すると判断したポリシー
証跡スクリーンショット等の保存先
現在ステータス受付、申請済み、判定待ちなど
次回確認日次に確認する期限
担当者現在の案件オーナー
口コミ削除案件を案件ID、申請日、証跡、ステータス、次回確認日、担当者など12項目で管理する台帳

12項目のうち、「現在ステータス」「次回確認日」「担当者」は必須項目にします。確認漏れを防ぎやすくなるためです。

中でも次回確認日は重要です。「対応中」と書くだけでは、いつ再確認するのか分かりません。「ステータス」と「次回確認日」を必須にしておけば、未処理の案件を一覧から機械的に抽出できます。

再審査を行う場合は、この12項目に加えて「再審査日」「追加証拠」「ケースID」「結果通知日」も記録します。

進捗ステータスは7段階に統一する

担当者ごとに「対応中」「確認中」「申請済み」など異なる表現を使うと、案件全体を集計できなくなります。運用上は、次の7段階にステータスを固定すると管理しやすくなります。

  1. 受付
  2. 事実・ポリシー確認中
  3. 削除申請済み
  4. 判定待ち
  5. 再審査判断中
  6. 再審査・エスカレーション中
  7. クローズ

「クローズ」は、削除に成功した案件だけを意味しません。削除されなかった場合でも、利用可能な申請・再審査を終え、別の施策へ切り替えると判断した案件はクローズします。こうしておけば、「永久に対応中」の案件が台帳に残り続けることを防げます。

Googleの口コミはステータス・メール・実際の表示の3点で確認する

Google ビジネス プロフィールでは、クチコミ管理ツールから報告済み口コミの状況を確認できます。再審査後は結果がメールで通知され、「エスカレーション済み – メールで最新情報をご確認ください」と表示される場合があります。この「エスカレーション済み」はGoogle側の表示で、この記事でいう自社内のエスカレーションとは別のものです。

そのためGoogleの案件では、管理台帳だけでなく、次の3点を確認します。

  • クチコミ管理ツールのステータス
  • Googleから届いたメール
  • 実際のGoogle検索・Googleマップ上の掲載状況

3点を重ねて見る理由は、通知と実際の表示が食い違った事例があるためです。2026年4月には、「削除した」という通知後も口コミが見えていた事例がGoogleコミュニティへ投稿されています。回答では、管理ツール上の状態や、別アカウント・シークレットモードからの表示確認が案内されていました。

したがって、「メールが来たから完了」とせず、最終的な表示状態まで確認して案件を閉じる方が安全です。

削除されなかった案件は「再申請」ではなく次の選択肢を判断する

削除されなかった口コミを見つけるたびに同じ申請を繰り返す運用は避けるべきです。Googleの場合、公式に案内されているのは、初回判断後に条件を満たす口コミについて行う1回限りの再審査請求です。

不承認になった案件では、次の4点を確認します。

再審査できる状態か

管理ツール上で、再審査の対象として選択できるかを確認します。

初回申請にない追加情報があるか

同じ主張を繰り返すのではなく、該当ポリシー、投稿URL、時系列、スクリーンショットなど、判断材料を整理します。

削除以外の対応を並行すべきか

削除結果が確定するまで口コミが公開されたままになる場合があるため、内容に応じて、冷静な返信、社内事実確認、顧客対応などを並行します。

社内の専門担当へ切り替えるべきか

個人情報、脅迫、権利侵害、重大な虚偽情報など、通常の口コミ運用だけでは判断しにくい案件は、法務担当者や外部専門家への相談対象として切り分けます。削除申請の担当者が法的判断まで単独で行うのではなく、エスカレーションの条件を事前に決めておくことが重要です。その条件の考え方を、次の節で説明します。

エスカレーションは日数だけでなくリスクの4軸で決める

SLAの表で「社内基準到達時」とした長期未解決案件を責任者へ上げる基準は必要ですが、経過日数だけで判断するのは不十分です。影響範囲、内容の重大性、拡散状況、対応状態の4軸で判定すると運用しやすくなります。次の表は、各軸の低・中・高の目安です。

判定軸低中高
影響範囲1店舗・限定的複数拠点全社・ブランド全体
内容の重大性通常の低評価虚偽・攻撃的表現個人情報・脅迫等
拡散状況口コミ内のみSNS等へ波及報道・大規模拡散
対応状態通常審査中長期停滞利用可能な通常手続き終了
口コミ削除案件のエスカレーションを影響範囲、重大性、拡散状況、対応状態の4軸で判断する図

たとえば「10営業日経過したら必ず法務へ」という一律ルールより、高リスク案件は即時エスカレーション、通常案件は所定の確認サイクルで追跡するという設計の方が合理的です。

毎日の確認は「期限超過案件」に絞る

口コミ削除案件が増えても、担当者が毎日すべての案件を確認する必要はありません。台帳から、「クローズしていない」かつ「次回確認日が今日以前」という条件の案件だけを抽出し、担当者が確認するのは原則としてこの期限超過リストにします。

確認後は、次の4つを行います。

  • ステータスを更新する
  • 証跡を追加する
  • 次回確認日を設定する
  • 必要なら担当を変更する

この仕組みにすると、案件数が増えても確認業務を「記憶」ではなく「期限」で動かせます。

週次では個々の案件ではなく滞留状況を確認する

担当者の日次確認とは別に、管理者は週1回程度、案件全体の滞留を確認します。見るべき指標は、削除成功率だけではありません。次の7つを見ます。

  • 未クローズ案件数
  • SLA超過案件数
  • 判定待ち件数
  • 再審査中件数
  • 高リスク案件数
  • 平均初回対応時間
  • 次回確認日未設定件数

このうち特に「次回確認日未設定」は重要な管理指標です。削除成功率は媒体側の判断にも左右されますが、次回確認日の設定率や期限内確認率は自社で改善できます。口コミ対策の運用品質を測るなら、結果だけではなく自社が管理できるプロセス指標を分けて追う必要があります。

自社SLAを導入する前に確認する12項目

運用開始前に、次の12項目を確認してください。「はい」と答えられない項目がいくつあるかを数えます。

  • 案件ごとに一意のIDを発行している
  • 口コミURLまたは対象を特定できる情報を保存している
  • 申請前のスクリーンショットを残している
  • 申請理由と該当ポリシーを記録している
  • 申請日を記録している
  • 現在ステータスを統一している
  • 次回確認日を必須にしている
  • 再審査の実施履歴を残している
  • メールやケースIDを保存している
  • 高リスク案件のエスカレーション先が決まっている
  • 削除・非削除を問わず最終結果を記録している
  • クローズ条件が決まっている

3つ以上未整備なら、個々の削除方法を増やすより先に案件管理の標準化を進める価値があります。

まとめ

口コミ削除申請の進捗管理では、「何日で削除されるか」を予測することより、「自社がいつ確認し、次に何をするか」を標準化することが重要です。受付、申請、判定待ち、再審査、エスカレーション、クローズまでを1案件として管理し、すべての未完了案件へ次回確認日を設定してください。

Googleでは、ポリシー違反の口コミを報告でき、不承認時には条件を満たせば1回限りの再審査を利用できます。一方で、判定が長期化する相談も実際に確認されており、媒体の処理を待つだけの運用では確認漏れが起きます。削除の成否は媒体側の判断に左右されますが、受付から申請までの期限、証跡保存、次回確認、再審査の判断、社内エスカレーションは企業側で管理できます。

まずは現在対応中の口コミ削除案件を一覧化し、「現在ステータス」「担当者」「次回確認日」の3項目がすべて埋まっているか確認するところから始めてください。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

‹ 親記事: ネット上の投稿を削除依頼する方法|媒体別の流れと削除できない場合の対処法

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