MEO(Googleマップなどのローカル検索で店舗を見つけやすくする対策)の順位が急に落ちたとき、すぐにGoogleビジネスプロフィールの設定を変えていないでしょうか。最初から設定を変更するのは避けた方が安全です。先に確かめたいのは、「本当に順位が落ちたのか」と「どこまで落ちたのか」です。
理由は、ローカル検索の順位が店舗の状態だけで決まるわけではなく、検索した地点によっても結果が変わるからです。計測地点やキーワードが変わっただけで、順位が下がったように見えることもあります。
この記事では、次の順で原因を絞り込みます。まず計測地点とキーワードをそろえ、全店舗か一部店舗か、全キーワードか一部キーワードかを分けます。そのうえで、プロフィール変更、競合、クチコミの順に確認します。この順に進めると、原因と関係のない修正を減らせます。あわせて、原因候補が複数見つかったときの整理方法、多店舗での比較のしかた、最後に使えるチェックリストも紹介します。
MEO順位が急落したら、設定を変える前に計測条件と影響範囲を確認する
MEO順位の急落を見つけたら、最初に確認するのは計測条件と影響範囲です。順位の下落が「店舗側の問題」とは限らないためです。
Googleは、ローカル検索結果の順位を主に「関連性」「距離」「知名度」で決めると説明しています。距離は、検索ユーザーの現在地や、検索語句に含まれる場所によって変わります。そのため、同じ店舗・同じキーワードでも、計測地点が変われば順位は変わり得ます。
確認の出発点として、次の4つを同じ条件で比べてください。
- 計測した検索地点
- 対象キーワード
- 対象店舗
- 順位が下がり始めた日
条件をそろえたら、「全店舗か一部店舗か」と「全キーワードか一部キーワードか」の2軸で、落ち方を4つに分けます。次の表は、落ち方ごとに、最初に疑う対象と次に確認することをまとめたものです。
| 落ち方 | 最初に疑う対象 | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 全店舗 × 全キーワード | 計測条件、順位取得側の異常、広い範囲の変化 | 計測地点・取得条件、Googleビジネスプロフィールのパフォーマンス |
| 全店舗 × 一部キーワード | キーワード単位の関連性、競合構成の変化 | 上位店舗の入れ替わり、検索語句との関連性 |
| 一部店舗 × 全キーワード | 店舗固有のプロフィール状態や変更 | 停止・無効化、住所・カテゴリ・名称・URL等の変更 |
| 一部店舗 × 一部キーワード | 局所的な競合、距離、関連性 | 同じ地点での競合比較、該当キーワードだけの変化 |
表は、自店舗の落ち方に当てはまる行を探し、「最初に疑う対象」から確認を始めるために使います。この分け方を先に行うと、「順位が落ちたからクチコミを増やす」といった、原因を確かめないままの対応を避けやすくなります。
STEP1|同じ条件で測れているか、計測地点・キーワード・取得条件を確認する
最初の確認は、順位そのものではなく「同じものを測っているか」です。特に複数店舗を管理している場合、計測地点が店舗住所からずれたり、対象キーワードが入れ替わったりすると、複数店舗が同時に下がったように見えることがあります。

上の図は、計測条件から時系列の確認まで、6つのステップで原因を絞り込む流れです。順位が急落しても、プロフィールをすぐ変更せず、計測条件と影響範囲から順番に確認します。この節で扱うのは、その最初のステップです。
同じ地点・同じキーワードで順位を再取得する
順位計測ツールを使っている場合は、急落の前後で次の条件が変わっていないか確認します。
- 緯度・経度や市区町村などの計測地点
- 「地域名+業種」「業種のみ」などの検索語句
- 計測対象店舗
- 計測頻度
- 順位取得範囲
Googleは距離をローカル順位の主要要素の一つとしているため、地点の違いは無視できません。まず同一地点・同一キーワードで再取得し、急落が再現するかを確認します。再現しない場合は、計測条件の違いなどによる見かけの下落だった可能性も考えます。
Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスで、実際の露出の変化を確かめる
順位ツールの数字だけでは、実際に表示や行動が減ったのかは分かりません。Googleビジネスプロフィールでは、閲覧数、検索語句、ルート検索、通話、ウェブサイトクリックなどのパフォーマンスを確認できるため、順位と照らし合わせます。
順位ツールだけが急落し、プロフィールの閲覧や行動が大きく変わっていない場合は、影響が一部地点・一部キーワードに限られている可能性も残ります。反対に、順位と閲覧数の両方が同時に落ちているなら、実際の露出低下として調査を進める材料になります。
ただし、Googleの「検索」指標は月初に更新され、表示まで最大5日ほどかかる場合があります。急落当日の判定には使わず、順位データを補足する確認材料として扱います。
順位だけでなく、表示・行動・来店まで含めて継続的に見る指標と測定方法は、MEOの効果測定の全体像で整理しています。
STEP2|どの範囲で落ちたかを、店舗とキーワードの2軸で分ける
次に、どの範囲で落ちたかを整理します。多店舗運用では、店舗ごとに原因を追うより、共通している条件を先に探す方が早く絞り込めます。先ほどの表の4分類を、実際の店舗数とキーワード数に当てはめて使います。

上の図は、同じ4分類を、全店舗・一部店舗と全キーワード・一部キーワードの2軸で示したマトリクスです。店舗数とキーワード数のどこまで影響しているかを分けると、次に調べる対象を絞りやすくなります。
たとえば、20店舗・8キーワードを計測しているとします。落ち方ごとに、次のように確認先を決めます。
- 20店舗すべてで8キーワードが同時に低下した場合は、個別店舗の編集より、計測条件や共通要因を先に確認する
- 1店舗だけ8キーワードすべてが低下した場合は、その店舗のプロフィール状態や直近の変更を確認する
- 20店舗で特定の1キーワードだけが低下した場合は、その検索語句の競合構成や関連性を確認する
- 1店舗の一部地点・一部キーワードだけが低下した場合は、距離や周辺競合を含めて局所的に確認する
注意したいのは、この段階で原因を決めつけないことです。この分類は、次にどこを見るかを決めるために使います。
多店舗本部では、店舗×キーワードの一覧に「下落開始日」を加えると、同じ日に落ちた店舗だけをまとめて確認できます。
STEP3|Googleビジネスプロフィールの停止や、直近の変更がないか確認する
一部店舗だけが大きく落ちている場合は、その店舗のGoogleビジネスプロフィールを確認します。特に「検索やマップからほぼ見えなくなった」場合は、通常の順位変動より先に、停止・無効化の有無を確認します。
Googleは、ガイドラインに準拠しないビジネスプロフィールを停止または無効化する場合があると案内しています。プロフィール自体が削除された場合、一般ユーザーはそのプロフィールを閲覧できなくなります。
自社が直近で変更した項目と、反映状態を確認する
停止や無効化が見当たらなければ、次に急落前の自社の変更を振り返ります。次の項目を変更していないか確認してください。
- ビジネス名
- 主カテゴリ・追加カテゴリ
- 住所・地図上の位置
- 営業時間
- 電話番号
- ウェブサイトURL
- サービス内容
Googleビジネスプロフィールの編集内容は審査されることがあり、通常は10分ほどで処理されますが、場合によっては最長30日かかると案内されています。編集状態には「承認済み」「不承認」「保留中」があります。
順位低下と編集日が近い場合は、何を変えたかと現在の反映状態を照合してください。
Google側で情報が変更されていないか確認する
自社が触っていなくても、プロフィール情報が変わることがあります。Googleは、ユーザーからの報告や使用許諾済みコンテンツなど複数の情報源を使い、プロフィール情報を更新する場合があると説明しています。
そのため、「自社では変更していない」だけでプロフィール変更の可能性を除外しないでください。管理画面の通知や編集画面を見て、名称・住所・営業時間・カテゴリなどが意図した状態か確認します。
なお、プロフィールの停止・無効化が確認された場合は、Googleビジネスプロフィールの復旧手順に沿って原因確認、情報修正、証拠準備、再審査請求へ進みます。
STEP4|一部キーワードだけ落ちたときは、競合と「関連性」を比べる
一部キーワードだけが下がっている場合は、プロフィール全体の異常より、その検索語句に対する関連性と競合の入れ替わりを優先して確認します。
Googleが示すローカル順位の主要要素は、関連性・距離・知名度です。関連性は、検索語句とビジネスプロフィールがどれだけ合っているかを示します。知名度には、ウェブ上の情報やクチコミ数、評価なども関係します。
確認するときは、急落の前後で同じ地点から同じキーワードを見て、次の表の項目を比べます。
| 確認対象 | 見るポイント |
|---|---|
| 上位店舗 | 新しく入った店舗、順位を上げた店舗があるか |
| 主カテゴリ | 自店舗と上位店舗で業種の表現が大きく違わないか |
| 店舗情報 | 検索語句に対応するサービス情報が正確に登録されているか |
| クチコミ | 件数・評価に大きな変化がないか |
| ウェブ上の情報 | 公式サイトや外部情報が古くなっていないか |
表の項目は、上位店舗と自店舗の違いを探すための観点です。ここでも、「競合が投稿を増やしたから落ちた」など、単一の要素だけで原因を断定しません。
Googleは具体的な順位計算式や各要素の重みを公開していません。そのため、同じ地点・同じキーワードで前後の差を確認し、変化した要素を原因候補として残します。
STEP5|クチコミの件数・評価の変化は、順位が落ちた時期と重なるかを確認する
クチコミは確認対象に入れるべきですが、「クチコミが減った=急落の原因」と即断しないでください。
Googleは、クチコミ数と評価がローカル検索順位に関係すると案内しています。一方、表示されないクチコミについては、ポリシー確認による表示遅延、プロフィール統合、ポリシー違反による削除など複数の理由があると説明しています。クチコミが減って見える理由は、一つとは限りません。
確認するのは次の3点です。
- 急落前後でクチコミ件数が何件変わったか
- 平均評価がどの程度変わったか
- 変化した日と順位下落日が近いか
クチコミの変化と順位の変化が同時期でも、それだけで因果関係が確定するわけではありません。プロフィール変更や競合変化も同じ時期に起きていないか確認し、原因候補を一つずつ絞ります。
STEP6|原因候補が複数あるときは、変更日を時系列で並べる
急落時は、複数の変化が同時に見つかることがあります。その場合は、「重要そうなもの」から直すのではなく、まず日付を並べます。

上の図のように、順位が落ちる前に起きた変化と、落ちた後に起きた変化を分けると、原因候補を整理しやすくなります。
最低限、次の5列の表を作ります。下の表は記入のイメージで、「KW」はキーワードの略です。
| 日付 | 順位変化 | プロフィール変更 | クチコミ変化 | 競合変化 |
|---|---|---|---|---|
| 9/1 | 変化なし | 営業時間変更 | 変化なし | 変化なし |
| 9/3 | 一部KW低下 | 変更なし | 2件増加 | 競合Aが上昇 |
| 9/5 | 全KW低下 | 主カテゴリ変更 | 変化なし | 大きな変化なし |
この表を日付順に読むと、「順位が落ちる前に何が変わったか」と「順位が落ちた後に起きた変化」を分けられます。たとえばこの例では、一部のキーワードが下がった9/3より前に営業時間の変更(9/1)があり、全キーワードが下がった9/5にはカテゴリの変更が重なっています。ただし、この表だけで原因は決まりません。急落後に起きた変化を原因として扱う誤りを減らし、変化の前後関係を確かめるために使います。
原因候補を一つに絞れない場合は、確認できた誤りだけを修正し、その後の順位とパフォーマンスを記録します。
多店舗では、落ちた店舗と安定している店舗を同じ条件で比べる
多店舗本部が原因を絞り込むときは、落ちた店舗だけを見るより、同じエリア・同じ業態で順位が安定している店舗を比較対象にすると判断しやすくなります。

上の図のように、順位が落ちた店舗と安定店舗の差を同じ条件で比べると、店舗固有の原因を見つけやすくなります。
比較する項目は、次のように固定します。
- 計測地点とキーワード
- プロフィールの停止・保留状態
- 直近の名称・カテゴリ・住所・営業時間・URL変更
- クチコミ件数と評価の変化
- 同じ検索結果に出る競合
- プロフィールの閲覧数やルート検索、通話等の変化
たとえば10店舗のうち1店舗だけが全キーワードで低下し、残り9店舗が安定しているなら、その1店舗固有のプロフィール状態を優先して確認できます。逆に10店舗すべてが同じ日に低下したなら、個別店舗を一つずつ編集する前に共通条件を再確認します。
MEO順位が急落したときに避けたい対応
急落時は「何かしなければ」と考えやすいものですが、原因を確認せずに設定を変えると、あとから原因を絞り込みにくくなります。特に避けたいのは、次の対応です。
- 計測地点を確認せずに順位だけ比較する
- 複数店舗・複数項目を一度に編集する
- クチコミだけを原因と決めつける
- 競合の一つの施策をそのまま真似する
- ビジネス名へ検索キーワードや地域名を追加する
最後の項目には注意が必要です。Googleのガイドラインでは、ビジネス名には実際に使われている正確な名称を使用し、不要な情報を入れないよう求めています。不要な情報を含めるとプロフィールが停止される場合があります。
順位回復を狙って名称を変更するのではなく、実態どおりの情報を維持してください。
急落時の初動チェックリスト
ここまでの確認を、次の10項目にまとめます。この順番に固定しておくと、担当者が変わっても切り分けを再現しやすくなります。
- 急落前後で計測地点が同じか
- 対象キーワードが同じか
- 全店舗か一部店舗か
- 全キーワードか一部キーワードか
- Googleビジネスプロフィールが停止・無効化されていないか
- 直近で名称・カテゴリ・住所・営業時間・URL等を変更していないか
- Google側の更新で情報が変わっていないか
- 同じ地点・同じキーワードで競合が入れ替わっていないか
- クチコミ件数・評価が同時期に変わっていないか
- 順位変化とプロフィールの閲覧・行動データが同じ方向に動いているか
この10項目で原因候補を絞ったうえで、確認できた問題から修正します。
社内で急落対応の確認順を統一したい場合は、実務用の無料ダウンロード資料も利用できます。個別の施策を始める前に、確認項目を抜けなく整理したいときに使ってください。資料は無料ダウンロードページから確認できます。
よくある質問
Q. 1つのキーワードだけ順位が落ちた場合もプロフィールを直すべきですか?
すぐにプロフィール全体を直す必要はありません。
まず同じ地点でそのキーワードだけ下がっているか確認し、上位店舗の入れ替わりと検索語句への関連性を比較します。ほかのキーワードが安定しているなら、店舗全体の異常よりキーワード単位の変化を優先して確認します。
Q. プロフィールを編集した直後に順位が落ちました。編集を元に戻すべきですか?
まず編集内容のステータスと、変更した項目を確認してください。
Googleによる編集審査は通常10分ほどですが、最長30日かかる場合があります。事実と異なる変更なら修正が必要です。ただし、順位だけを理由に、正しい情報まで元へ戻すのは避けます。
Q. クチコミが減ったら、それが急落の原因ですか?
原因候補の一つにはなりますが、それだけでは断定できません。
Googleはクチコミ数と評価がローカル順位に関係すると説明しています。ただし、プロフィール変更、距離、関連性、競合なども同時に確認する必要があります。
まとめ
MEO順位が急落したときは、設定を変更する前に「計測地点」と「影響範囲」を確認します。
全店舗・一部店舗、全キーワード・一部キーワードに分ければ、計測条件、店舗固有のプロフィール変更、競合・関連性、クチコミのどこから確認すべきかを絞れます。Googleのローカル順位は、関連性・距離・知名度を主な要素として決まります。順位だけで原因を断定せず、プロフィールの状態、変更日、クチコミ、競合、パフォーマンスを同じ時系列で確認してください。
急落時ほど、一度に多くを変えず、確認できた問題から修正してください。そのためにも、最初の一歩は、急落前後で計測地点とキーワードが同じかを確かめることです。
参考文献・データ元
この記事で参照した情報を確認できます。
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」 参照ページ
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのパフォーマンスとインサイトを確認する」 参照ページ
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールの編集内容の反映」 参照ページ
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールに対する Google による変更を管理する」 参照ページ
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google に掲載するビジネス情報のガイドライン」 参照ページ
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「クチコミが表示されない場合、クチコミの表示が遅れる場合について」 参照ページ
- Google Business Profile Help「Fix suspended or disabled profiles」 参照ページ
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