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Googleマップ経由の電話成果を測る方法|発信・応答・予約・来店を店舗別に追う

部署:マーケティング担当者レベル:実践

Googleビジネスプロフィール(GBP)の「通話数」が増えていても、その電話が実際に店舗へつながったのか、予約になったのか、来店したのかは、この数字からは分かりません。

理由は、Google公式の「通話数」が、ビジネスプロフィール上の通話ボタンがクリックされた回数だからです。着信・応答・予約・来店を測るには、自社の電話システムや予約管理のデータを組み合わせる必要があります。

この記事では、Google検索・Googleマップからの電話を「電話クリック→実着信→応答→有効通話→予約→来店」の流れに分けます。段階ごとに何を見て、どこから数字を取るのかを順に整理し、店舗ごとの取りこぼしを確認できる状態まで進めます。

電話成果は「通話数」ではなく6つの段階に分けて測る

結論から言うと、GBPのパフォーマンスで確認できる通話指標は、電話が成立した件数ではありません。Google公式では「ビジネスプロフィールの通話ボタンがクリックされた回数」と定義されています。Business Profile Performance APIでも、通話は CALL_CLICKS として提供されています。

そのため、電話成果は次の6段階に分け、それぞれ別の取得元から数字を集めます。

段階 確認する内容 主な取得元
電話クリック 通話ボタンが押された Googleビジネスプロフィール
実着信 実際に店舗へ着信した 電話・PBXシステム
応答 スタッフや受付システムが応答した 電話・PBXシステム
有効通話 顧客からの問い合わせとして成立した 電話ログ・CRM
予約・問い合わせ成立 来店予約や商談等につながった CRM・予約システム
来店 実際に来店した 予約・店舗管理システム

電話クリック、実着信、応答、有効通話、予約、来店までの6段階で電話成果を確認するフロー図

表の取得元にあるPBXは、店舗の電話を受けて内線へつなぐ電話設備のことです。CRMは、顧客情報や問い合わせ履歴を管理するシステムを指します。

図のとおり、GBPで分かる電話クリックは入口にすぎません。実際の成果を見るには、実着信・応答・有効通話・予約・来店まで、段階を分けて確認します。なお、ここでいう段階ごとに件数が減っていく流れを、以下ではファネルと呼びます。

段階を分ける理由は、電話クリックの多さだけでは店舗の成果を判断できないためです。電話クリックが増えても無応答が多ければ、成果にはつながりません。反対に、電話クリック数が多くなくても、応答率や予約化率が高ければ、電話チャネルとして効率よく成果を生んでいる可能性があります。

電話成果では「何件電話されたか」より、「どの段階で落ちているか」を見ます。

STEP1|まず電話クリックと実際の着信を分ける

最初に分けるのは、GBP上の電話クリックと、実際に店舗へ入った電話です。

Google公式の CALL_CLICKS は、電話ボタンのクリック回数です。電話が最後まで発信されたか、店舗につながったか、スタッフが応答したかは示しません。

また、GBPに以前あった通話履歴機能は、2024年7月31日に終了しています。現在は、ビジネスプロフィールだけで個々の通話履歴を確認する前提にはできません。

したがって、最低でも次の2種類のデータを別々に持ちます。

データ 例 意味
GBP側 call_clicks 電話しようとした行動
電話システム側 inbound_calls 実際に店舗へ入った着信

Googleビジネスプロフィールの電話クリックと店舗への実着信は別の指標であることを示す比較図

電話ボタンが押された回数と、実際に店舗へ入った着信数は別のデータです。両者を同じ電話件数として扱わないことが、計測の出発点になります。

STEP2|着信を「応答」と「未応答」に分けて記録する

次に、実際に入った着信を、応答できたものと応答できなかったものに分けます。

店舗型ビジネスでは、電話が増えてもスタッフが出られなければ、予約や問い合わせにはつながりません。電話数だけを見て「集客が伸びた」と判断すると、実際には機会損失が増えているのに気づけない場合があります。

そこで電話ログには、可能な範囲で次の項目を残します。

  • 通話ID
  • 店舗ID
  • 着信日時
  • 応答有無
  • 通話開始時刻
  • 通話終了時刻
  • 通話時間
  • 通話結果

電話システムによっては、answered、no-answer、busy、completed などの状態を取得できます。ただし、システム上で「完了」と記録されても、人と有効な会話が成立したとは限りません。自動音声案内(IVR)や留守番電話につながっただけで、接続済みとして扱うシステムもあるためです。

通話システムのステータスだけで有効通話と決めず、次のSTEPで内容を確認して分類します。

STEP3|応答した電話を「有効通話」と「対象外」に分類する

応答件数が分かったら、次は、その電話が問い合わせとして意味のあるものだったかを分類します。

有効通話の定義は業種によって変わります。「30秒以上なら有効」のように、一律の秒数で決めない方が安全です。最初に実際の通話を一定件数確認し、自社の電話対応に合う判定ルールを作ります。

分類の例は、次の表のとおりです。

分類 例 成果集計
有効問い合わせ 予約、商品・サービス相談、来店前確認 含める
既存顧客対応 予約変更、利用後問い合わせ 新規成果とは分ける
営業電話 他社からの営業・勧誘 除外
間違い電話 店舗利用と無関係 除外
無言・即切断 会話が成立していない 除外
重複問い合わせ 同一人物の同一要件での再電話 重複ルールを決める
判定不能 内容を確認できない unknownとして残す

ここで大切なのは、対象外の通話を削除しないことです。

「営業電話が多い」「無応答が多い」「短時間で切られている」といった状態も、店舗の電話運用を改善するためのデータになります。対象外として分類したうえで、件数は残してください。

STEP4|有効通話を予約と来店までつなぐ

有効通話が分かっても、予約や来店まで追えなければ、電話が事業にもたらした成果は判断できません。

理想は、電話の call_id と予約の reservation_id を対応づけられる状態です。たとえば、電話受付時にCRMや予約システムへ予約を登録するとき、元になった通話IDまたは問い合わせIDを一緒に残します。データの構造は次のようになります。

call_id → reservation_id → visit_status

こうしておくと、次の流れを一続きで追えます。

  1. 電話があった
  2. 有効な問い合わせだった
  3. 予約になった
  4. 実際に来店した

システム間でIDを直接つなげない場合は、受付時に「Google検索・Googleマップを見て電話した」などの流入元を確認し、予約データへ記録する方法でも構いません。

この方法は完全な自動計測ではありません。ただ、「電話予約のうちGoogle経由と確認できた件数」という名前でKPI化すれば、計測範囲を誤解しにくくなります。

なお、複数のシステムを store_id で統合する全体設計は、電話に絞った本記事では扱いません。GBP・Web・予約・電話・POS全体の店舗ID統合は、「多店舗MEOの成果データを統合する方法」で詳しく整理しています。

STEP5|店舗別に電話成果KPIを計算する

電話成果は、月間の総電話数だけでなく、ファネルの段階ごとの率で確認します。主なKPIと計算例は次の表のとおりです。

KPI 計算例 分かること
電話応答率 応答数 ÷ 実着信数 電話を取りこぼしていないか
有効通話率 有効通話数 ÷ 応答数 顧客からの実質的な問い合わせ割合
電話予約化率 電話予約数 ÷ 有効通話数 問い合わせを予約へ変えられているか
予約来店率 来店数 ÷ 電話予約数 予約後の来店状況
無応答率 未応答数 ÷ 実着信数 電話対応の機会損失
対象外通話率 対象外通話数 ÷ 応答数 営業・間違い電話等の割合

電話応答率、有効通話率、予約化率、来店率を店舗別に確認するための電話成果KPI図

電話成果は総電話数だけでは判断できません。応答率、有効通話率、予約化率、来店率を分けて見ると、どの段階を改善すべきかを把握しやすくなります。

ただし、取得範囲の異なる数字を無理に割らないでください。たとえば、GBPの電話クリック数を分母にして、店舗に入ったすべての電話予約を分子にすると、Google以外からの電話も混ざる可能性があります。

電話クリックから予約までの転換率を出す場合は、期間・店舗・流入元の識別条件がそろっているかを先に確認します。そろっていない場合は、次の2つを別々のKPIとして並べる方が安全です。

  • GBP電話クリック数
  • MEO経由と識別できた電話予約数

店舗別の取りこぼしはどの段階で起きているか

複数店舗を管理している場合、電話件数だけを横並びにすると、店舗の状態を見誤ります。段階ごとの落ち幅を見て、次の表のように確認します。

状態 考えられる課題 優先確認
電話クリック多・実着信少 クリックと電話データの識別差、番号設定 計測方法・電話番号
実着信多・応答少 人員不足、営業時間、電話集中 無応答時間帯
応答多・有効通話少 営業電話、誤認、情報不足 電話内容の分類
有効通話多・予約少 案内内容、空き枠、価格説明 予約化しない理由
予約多・来店少 キャンセル、予約間隔、案内不足 来店率・キャンセル理由

電話クリックから来店までの各段階で、電話成果が落ちる原因と優先確認項目を整理した診断図

電話件数そのものではなく、どの段階で成果が落ちているかを見ることで、店舗ごとの改善対象を切り分けられます。

電話成果の改善は、「もっと電話を増やす」ことだけではありません。すでに入っている電話を取りこぼしている店舗では、MEOの表示回数や順位をさらに伸ばす前に、受付体制を改善した方が成果につながりやすい場合があります。

最初は1店舗・1か月分の表から始める

最初から大規模なデータ基盤を作る必要はありません。

まずは1店舗×1か月を1行として、次の程度から始めます。

month store_id GBP電話クリック 実着信 応答 有効通話 電話予約 来店
2026-08 store_001 - - - - - -

数値を取得できなかった場合は、0に置き換えないことも大切です。0件は「計測できていて、結果が0件」という意味です。

一方、未連携やデータ欠損で件数が分からない場合は、NULL や「未取得」として区別します。未取得を0件にすると、「成果が出ていない店舗」と「そもそも計測できていない店舗」が同じに見えてしまうからです。

コールトラッキングがなくても測れるか

専用のコールトラッキング環境がなくても、段階的に計測できます。最小構成は、次の4つです。

  1. GBPの電話クリックを月次で取得する
  2. 店舗の電話システムで着信・応答件数を確認する
  3. 電話予約時に流入元を記録する
  4. 予約システムで来店済みかを確認する

まずはこの方法で十分です。

Googleは2026年6月から、GBPとGoogle Analyticsの直接連携を提供しています。GBPの通話、ウェブサイトクリック、ルート、予約などをGA上でも確認できます。

ただし、複数のBusiness Profileを1つのGAプロパティへリンクした場合、GBP指標は合算され、個々のプロフィール単位ではフィルタやセグメントができないと、Google公式ヘルプに記載されています。店舗別の電話成果を確認するときは、GAの合算値だけに頼らないようにしてください。

計測のために電話番号を置き換えてよいか

コールトラッキングを導入するときは、GBPの電話番号に関するルールにも注意が必要です。

Googleは、可能であれば個々の店舗へ直接つながる電話番号を使うよう求めています。また、実際のビジネスとは異なる電話番号へユーザーを転送・誘導する番号を登録しないよう定めています。

そのため、「計測したいから」という理由だけで第三者の転送番号へ置き換える運用は避けてください。導入する電話システムと、現在のGoogleガイドラインを確認することをおすすめします。

GBPには主電話番号に加えて追加電話番号も登録できます。ただし、主電話番号は、顧客が店舗へ直接連絡するための中心番号として設計する必要があります。

Google広告の通話計測とは分けて管理する

Google広告にも、Google転送電話番号を使った通話レポートがあります。通話時間、開始時刻、接続状況などを計測でき、一定時間以上の通話をコンバージョンとして扱うこともできます。

ただし、これはGoogle広告の通話計測です。Google検索・Googleマップのオーガニックなビジネスプロフィール経由の電話クリックとは、計測範囲が異なります。

レポートを作るときは、次の3つの流入元を混在させず、分けて管理してください。

  • GBPの電話クリック
  • Google広告からの電話
  • その他の電話

始める前に確認する電話成果チェックリスト

電話成果を測り始めるときは、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

  • GBPの電話番号が正しい
  • GBPの電話クリック数を月次で取得できる
  • 店舗の実着信数を確認できる
  • 応答/未応答を分けられる
  • 有効通話の判定ルールが決まっている
  • 電話予約を記録できる
  • 予約後の来店を確認できる
  • 各レコードに店舗を識別する情報がある
  • 未取得と0件を区別している
  • Google広告等の別チャネルを混ぜていない
  • 電話番号の計測方式がGoogleの現行ガイドラインと矛盾していない

すべてを一度に自動化する必要はありません。まず1店舗で「クリック→着信→応答→有効通話→予約→来店」が再現できるかを確認してください。計測ルールが固まってから他店舗へ広げる方が、数字のずれを見つけやすくなります。

まとめ

Google検索・Googleマップ経由の電話成果を正しく測るには、GBPの「通話数」だけで判断しないことが出発点です。

GBPで確認できるのは、電話ボタンがクリックされたという行動までです。実際の着信、応答、有効通話、予約、来店を確認するには、自社側の電話・CRM・予約データを接続する必要があります。

最初の一歩は、次の順番で数字を分けることです。

  1. 電話クリック
  2. 実着信
  3. 応答
  4. 有効通話
  5. 予約
  6. 来店

店舗別に応答率・有効通話率・予約化率・来店率を見ると、課題の場所が分かります。「電話そのものが少ない」のか、「電話はあるのに出られていない」のか、「問い合わせはあるのに予約になっていない」のかを切り分けられます。

電話成果を含むMEO全体の測定設計から整理したい場合は、MEOの効果測定は何から始める?を確認してください。

GBP・予約・電話・POSを店舗IDで統合する全体設計は、多店舗MEOの成果データを統合する方法で詳しく解説しています。

資料ダウンロードページでは、現在提供中の資料を確認できます。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

Google Business Profile Help「ビジネス プロフィールのパフォーマンスとインサイトを確認する」
通話指標がビジネスプロフィールの通話ボタンのクリック数であることの確認に使用。

Google for Developers「Business Profile Performance API / DailyMetric」
CALL_CLICKS、ロケーション単位の日次指標仕様の確認に使用。

Google Business Profile Help「Google ビジネス プロフィールのチャットと通話履歴に対する変更」
2024年7月31日の通話履歴機能終了の確認に使用。

Google Analytics Help「Connect Google Business Profile to Google Analytics」
GBPとGA4の直接連携、複数プロフィールの合算・個別セグメント制約の確認に使用。

Google Business Profile Help「Google に掲載するビジネス情報のガイドライン」
店舗電話番号・転送番号に関するルール確認に使用。

Twilio「Call resource」
一般的な電話システムにおける通話状態管理の例として確認。

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