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企業担当者は検索結果のどこを見る?公式・比較・口コミを調査

部署:マーケティング担当者部署:経営者・責任者レベル:実践
BtoBサービスの検討者が公式サイト・比較サイト・口コミなど複数の情報源を確認する様子

[独自調査] Report ID: SBR-2026-008

公開日:2026年9月9日 著者:菊地 将

要旨

株式会社Coneの調査(2026年4月実施、BtoBサービス導入検討者221名対象)によれば、比較サイト・ポータルサイトを情報収集に利用する購買検討者は59.3%、「最も参考になった情報源」としても比較サイトが28.1%でトップです。本記事では、サービスの品質評価に関する学術理論と、弊社が47,967社(独自企業データベースの有効観測企業)のBtoB企業公式サイトを独自調査した結果を組み合わせ、情報源の使い分けが生まれる構造を検証します。なお、公式サイトの情報不足が比較サイトへの移動の直接的な「原因」であるという因果関係は、本記事の証拠からは断定できません。

調査概要

  • 対象:BtoB企業公式サイト
  • 期間:2026年9月4日時点
  • 方法:BtoB企業公式サイトの独自調査
  • サンプル:47,967社(独自企業データベースの有効観測企業)

株式会社Coneの調査(2026年4月実施、BtoBサービス導入検討者221名対象)によれば、比較サイト・ポータルサイトを情報収集に利用する購買検討者は59.3%、「最も参考になった情報源」としても比較サイトが28.1%でトップでした。

では、なぜ見込み客は公式サイトだけで判断を完結せず、複数の情報源を移動するのでしょうか。本記事では、サービスの品質評価に関する学術理論と、弊社が47,967社(独自企業データベースの有効観測企業)のBtoB企業公式サイトを独自調査した結果を組み合わせ、情報源の使い分けが生まれる構造を検証します。

先に答えの骨子を示します。学術研究は、使った後でも品質を判断しにくい「信用財型」のサービスでは、情報源の数は少なくても、得られた情報が意思決定に与える影響が大きいと示しています。BtoBサービスにはこの性質が当てはまるとみなすと、比較サイトのような特定の情報源が重視される現象と整合します。一方、弊社の調査では、価格・実績・口コミ相当の3情報を公式サイトだけで確認できる企業は4.9%にとどまりました。ただし、この不足が比較サイトへの移動の原因だとまでは、本記事の証拠では断定できません。あわせて、業種による差と、自社サイトを点検する視点も整理します。

本記事は個別テーマに絞っているため、上位の全体設計を確認したい場合は、メディア戦略・コンテンツ企画の全体像も参照してください。

検討者はどの情報源を参考にしているか:外部調査では比較サイトが1位

まず、検討者が実際にどの情報源を使い、どれを最も参考にしているのかを、Cone調査で確認します。

この調査は2026年4月27〜28日に、BtoBサービス導入検討に関わった会社員221名を対象にインターネットで実施されました。「最も参考になった情報源」では、2位の検索エンジン(16.4%)、3位の公式サイト(13.6%)との差は明確です。

BtoBサービス検討者の59.3%が比較サイトを利用し、最も参考になった情報源でも比較サイトが28.1%で1位だった調査結果

図は、情報源ごとの利用率と、最も参考になった情報源の内訳を並べたものです。

同調査では、複数の比較記事に掲載されているサービスを信頼すると回答した検討者が85.4%でした。比較記事での評価の低さ・言及不足が理由で候補から外れたケースも30.8%(候補除外理由の第3位)あります。最終選定の場面でも、比較記事の比較表を参考にすると回答した検討者が43.3%で最多でした。

外部サイト上のクチコミ・評判を継続的に監視する運用まで検討する場合は、デジタルリスクCLOUDのサービス内容も確認できます。

なぜ複数の情報源を使い分けるのか:サービス品質理論から考える

次に、「なぜ1つの情報源で完結せず、複数の情報源を使い分けるのか」を、学術研究に基づく理論で確認します。The Service Industries Journal誌に掲載された研究(Chocarro, Cortinas, & Villanueva, 2021、消費者492名・9種のサービスを対象)は、サービスを品質の確認しやすさによって次の3属性に分類しています。そして、属性ごとに消費者の情報探索行動が異なることを示しています。

  • サーチ型属性(購入前に品質を確認しやすいサービス):情報源の利用数・探索の強度が最も低い
  • 経験型属性(使ってみないと品質が分からないサービス):情報探索の強度・オンラインメディア利用が最も高い
  • 信用財型属性(使った後でも品質を判断しにくいサービス):情報源の数自体は少ないが、得られた情報が意思決定に与える影響は大きい

サービスをサーチ型・経験型・信用財型の3属性に分け、それぞれの情報探索行動の違いを示した概念図

本記事で注目するのは、このうち信用財型サービスに関する理論と、BtoBの外部調査結果との整合性です。

BtoBサービスの多くは、専門性が高く効果が長期的にしか判明しない「信用財型」の性質を強く持つと考えます。この理論に基づけば、BtoB見込み客は比較サイトのような特定の情報源(比較記事の評価)を強く重視する一方、情報源の総数自体はそれほど多くない、という行動パターンが理論的に予測されます。Cone調査で、最終選定の場面でも比較記事の比較表を参考にする回答が最多だったことは、この予測と整合的です。

ただし、この予測には限界があります。学術研究の対象は消費者(BtoC)であり、組織的な意思決定を伴うBtoB購買行動へ当てはめるには、決裁者の複数性や契約金額の大きさなど、制度・文化的な違いを考慮する必要があります。また、この理論的予測は「見込み客が実際にそう行動している」ことを直接観測したものではありません。この点に留意してください。

公式サイトは比較サイトの役割をどこまで担えているか:独自集計

では、公式サイト側はどうなっているのでしょうか。比較サイトが担っている機能(価格比較・実績の証明・第三者評判の確認)を、BtoB企業の公式サイト自体がどれだけ提供できているかを、弊社の独自データベース(観測時点:2026年9月4日、観測成功47,967社)で検証しました。結論として、3つの情報をすべて確認できる企業は4.9%でした。

47,967社のBtoB企業公式サイトを調査し、価格19.3%、実績・事例29.0%、口コミ相当14.0%、3情報すべてを備える企業4.9%と示したグラフ

図と次の内訳は、独自DBの47,967社を集計した結果です。情報ごとの充足率は次のとおりで、3つを同時に確認できる企業はさらに少なくなります。

  • 価格情報(料金ページ):19.3%(9,258/47,967)
  • 実績・事例情報(導入事例ページ):29.0%(13,927/47,967)
  • 口コミ・お客様の声相当の情報:14.0%(6,727/47,967)
  • 3つ全てを揃えている企業:4.9%(2,359/47,967)

独自データベースの実測が直接示しているのは、価格・実績・口コミ相当の3情報を自社サイト単体で揃えている企業が少ないという、供給側の情報充足状況です。これが見込み客の比較サイトへの移動の背景になっているかどうかは、本記事の証拠からは直接確認できません。

業種によって、情報の充足度には10倍以上の差がある

この4.9%は全体の平均です。

価格・実績・口コミ相当の3情報を揃える企業割合を業種別に比較し、15.1%から0.9%まで10倍以上の差があることを示したグラフ

図は、公式サイト上で3情報を揃える企業の割合を業種別に並べたものです。

3つの情報を揃えている企業の割合は、上位がIT・DX・マーケティング(15.1%)、service(12.1%)、情報通信(9.4%)です。下位は設備工事/管工事(0.9%)、医療・福祉・介護(1.5%)、宝飾・メガネ(1.6%)で、上位と下位の差は10倍以上になります。IT・SaaS系は比較サイト(BOXIL、ITreview等)への掲載文化が浸透しており、公式サイト側の情報整備も相対的に進んでいると考えられます。

3つの調査から、言えること・言えないこと

ここまでの学術理論、外部調査、独自集計を重ねると、何が言えて何が言えないのかを整理できます。使った材料は、学術理論(信用財型サービスでは特定の情報源への依存度が高まる)、外部一次情報(比較サイトが最も参考にされる情報源、利用率59.3%)、独自DB分析(公式サイト単体での情報充足率はわずか4.9%)の3つです。

  • 言えること:BtoBサービスという「信用財型」に近い性質を持つ商材において、公式サイトの構造的な情報不足(4.9%)が存在する実態、および比較サイトが重視される実態(外部調査)は、それぞれ独立して確認できる
  • 理論的に整合すること:信用財型サービスでは特定の情報源が重視されるという学術理論と、比較サイトが「最も参考になった情報源」1位である実態は整合的
  • 言えないこと:公式サイトの情報不足が、比較サイトへの移動の直接的な「原因」であるという因果関係は、本記事の証拠からは断定できない。相関または理論的整合性の指摘にとどまる(異なる調査・理論の重ね合わせによる示唆であり、同一の見込み客群を追跡した検証ではない)

自社の見込み客が問い合わせ前に検索・比較・評判・AIをどう使っているかを実際に調べる場合は、問い合わせ前の情報探索行動を調査する方法も参照してください。

自社サイトを点検するには、何を確認すればよいか

自社サイトの情報が足りているかは、すぐに確認できます。次の3点を確認してください。

  1. 価格・実績・口コミ相当の情報を自社サイトだけで確認できるか(全体平均は4.9%)
  2. 自社の業種平均と比較して、公式サイトの情報充実度は高いか低いか
  3. 比較サイト・口コミサイトへの掲載状況とあわせて、情報源全体としての充実度を評価できているか

まとめ

BtoB購買検討者の59.3%が比較サイトを情報収集に利用し、最も参考になった情報源としても比較サイトが1位という外部調査があります。一方、弊社の独自調査(47,967社)では、公式サイト単体で価格・実績・口コミ相当の情報を揃えている企業はわずか4.9%でした。業種による差は10倍以上に及び、比較サイト文化が浸透しているIT・SaaS系ほど公式サイトの情報整備も進んでいる傾向が見られました。

見込み客が公式サイトだけで判断せず情報源を使い分ける背景には、企業側の情報不足という構造的要因も関わっている可能性があります(相関・理論的整合性の指摘であり、直接の因果検証ではありません)。まずは、上の3点のうち、価格・実績・口コミ相当の情報を自社サイトだけで確認できるかを点検してください。下記の資料をご活用ください。


参考文献・出典URL

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