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風評被害対策会社の提案はどこを比較?費用・範囲・成果条件

部署:広報・PR担当者部署:経営者・責任者レベル:実践
複数の風評被害対策会社から届いた提案書を企業担当者が比較表に整理しているデスク

風評被害対策会社から複数の提案を受けても、「A社はSNS監視」「B社はWebモニタリング」「C社は24時間監視」のように呼び方が違えば、そのままでは比較できません。

この記事は、すでに2社以上から提案書・見積書を受け取ったものの、サービス名も料金体系も成果条件の書き方も会社ごとに違い、そのまま比較できない担当者に向けて書いています。

名称や金額の見かけで比べると、同じ金額でも含まれる対象や作業が違ったり、「改善」や「24時間」が指す内容が違ったりします。その状態では、金額や作業量に差があっても、提案内容そのものの差なのか、書き方や前提の違いなのかを判断できません。

解決の方法は、各社の提案書を「対象、監視、対応手段、削除支援、逆SEO等、費用・期間、成果・報告、緊急・法務」の8項目に変換し、A社・B社・C社を同じ比較表へ転記することです。

この記事では、各社の提案内容が同じ項目にそろい、空欄、定義の違い、追加確認が必要な条件を一覧で確認できる状態を目指します。

会社をまだ探している段階であれば、風評被害対策会社の選び方を先に確認してください。

風評被害対策会社の提案は8つの項目を同じ定義にそろえて比較する

最初にやることは、A社・B社・C社の提案書を横に並べ、会社ごとの見出しやサービス名をそのまま比べるのをやめることです。代わりに、すべての提案書から次の8項目だけを抜き出し、共通のフォーマットへ転記します。

次の表は、項目ごとに、提案書のどこを見るか、何を転記するか、曖昧なときに何を質問するかを1行にまとめたものです。

比較軸 提案書のどこを見る 比較表へ転記する内容 曖昧な場合に質問すること 比較表の記載例
対象 対象範囲、見積前提、調査対象 媒体、検索語、URL、アカウント、対象件数 「この金額に含む対象はどこまでですか」 Google口コミ3店舗、社名検索2語
監視 監視仕様、モニタリング条件 対象媒体、頻度、アラート条件、有人確認、夜間休日 「24時間とは自動取得ですか、有人確認まで含みますか」 X・Google口コミ、1時間ごと、自動+有人確認
対応手段 実施内容、作業工程、対応フロー 問題発見後に実際に行う作業 「発見後に誰が何を行いますか」 一次確認→担当者通知→対応案提示
削除支援 削除対応、申告支援、法務連携 申告支援、書類整理、掲載元対応、弁護士との境界 「削除支援の中で御社が実施する作業はどこまでですか」 申告文案作成まで。代理交渉は含まない
逆SEO等 検索対策、成果条件、対象キーワード 対象検索語、対象URL、施策、測定順位、判定期間 「成果判定は何を、どの環境で、いつ測りますか」 社名+評判、対象URL2件、月4回測定
費用・期間 見積明細、契約条件、別紙 初期費用、月額、最低月数、必須オプション、追加料金 「契約上、最低限発生する総額はいくらですか」 初期10万円+月20万円×6か月
成果・報告 KPI、成果条件、報告仕様 成果指標、測定条件、報告頻度、定例会、未達時対応 「『改善』は何を満たした状態ですか」 対象URL順位を指定条件で計測、月次報告
緊急・法務 緊急対応、対象外、法務連携 緊急連絡条件、夜間休日、法的判断との境界 「緊急対応に含む作業と追加料金を教えてください」 休日は一次受付のみ、法的判断は対象外

表にある「逆SEO」は、この記事では、検索結果の表示順位に働きかけて、問題のある情報を目立ちにくくする施策の意味で使います。

内容の異なる3社の風評被害対策提案を共通条件へ整理して比較可能にする流れ

この表を使うときに大切なのは、提案書に書かれていない内容を推測で埋めないことです。不明な項目は「要確認」とし、各社へ同じ質問を返します。回答が来たら、その回答も会社独自の表現のまま残さず、同じ項目へ変換し直します。

各社の提案を比較する前提となる「どこまでを自社で担い、どこから外注するか」は、口コミ・風評対策の内製・外注・ハイブリッド判断で整理できます。

以降の節では、対象(各社の見積もり前提)、監視・対応手段・削除支援・逆SEO等、費用・期間、成果・報告、緊急・法務の順に、転記のしかたを説明します。

各社へ渡した前提条件が違っていないか確認する

提案を比べる前に確認するのは、問題そのものの整理ではなく、各社が何を前提に見積もったかです。前提がそろっていなければ、提案金額も作業範囲も横並びにできません。

たとえば、相談範囲が次のように違っていたとします。

会社 見積もり時の前提
A社 Google口コミのみ
B社 社名検索結果全体
C社 社名検索+SNSまで

この場合は、比較表の「対象」欄に各社の前提をそのまま転記し、差を見える形にします。そのうえで必要であれば、各社へ「同じ対象条件にした場合の費用・作業範囲」を再確認します。

ここで、URL、証拠、発生時期、拡散状況を集め直す必要はありません。それらの整理がこれからであれば、風評被害対策会社へ相談する前に整理する情報で相談前の準備を確認してください。

提案書のサービス名を「実際に行う作業」へ分解する

提案書では、同じ作業に会社ごとに別の名前が付いていることがあります。A社が「SNS監視」、B社が「Webモニタリング」、C社が「24時間監視」と書いていても、名称だけでは比較しません。まず、各名称を次の実作業に分解します。

  • 対象媒体
  • 監視頻度
  • アラート条件
  • 有人確認の有無
  • 夜間休日対応
  • 問題発見後の対応
  • レポート範囲

このうち「問題発見後の対応」が、8項目でいう対応手段にあたります。この節では、監視、削除支援、逆SEOの順に、提案書から抜き出す項目を示します。

監視は提案書から同じ項目を抜き出す

監視については、ページ、仕様表、見積内訳から、次の項目をA社・B社・C社ごとに抜き出します。

転記項目 A社 B社 C社 要確認事項
対象媒体
対象検索語・登録語数
監視頻度
アラート条件
有人確認
夜間休日対応
問題発見後の対応
レポート範囲

「24時間監視」とだけ書かれている場合は、「24時間自動取得する」のか、「24時間有人確認する」のか、「24時間連絡を受け付ける」のかを分けて質問します。

比較表には「24時間監視」とは書かず、「自動監視24時間/有人確認9〜18時」のように作業単位で記載します。

削除支援は「誰が・何を・どこまで行うか」へ分解する

提案書に「削除対応」「削除支援」と書かれていても、あり・なしの二択にはしません。次の項目に分けて転記します。

転記項目 確認する内容
プラットフォームへの申告支援 申告方法の案内のみか、申告文案の作成まで含むか
申請書類整理 必要情報の整理、文案作成、提出準備のどこまでか
掲載元とのやり取り 対応の有無と、実施主体が誰か
弁護士対応との境界 法的判断、代理交渉、法的手続を誰が担当するか
削除不可だった場合の対応 代替作業、再申請、別施策の扱い
追加料金 追加申請、追加媒体、専門家連携などで料金が発生する条件

質問するときは、「削除できますか」ではなく、「御社が契約上実施する作業はどこからどこまでですか」と確認します。

比較表には「削除支援あり」とだけ書かず、「申告文案作成まで/提出は自社/代理交渉は対象外」のように、誰が何をするかが分かる形で記載します。

提案書に書かれた逆SEOの成果条件を同じ形式へ変換する

ここでは逆SEOの仕組みは扱わず、提案書に書かれた成果条件だけをそろえます。各社から次の9項目を抜き出します。

  • 対象検索語
  • 対象URL
  • 施策内容
  • 測定順位
  • 測定環境
  • 測定頻度
  • 成果判定期間
  • 未達時の扱い
  • 契約終了後の扱い

たとえば、A社が「10位以下」、B社が「1ページ目から除外」、C社が「検索結果の改善」と書いているとします。これでは、同じ条件とはいえません。

「何位を」「どの検索語で」「どの端末・地域・計測方法で」「何日間満たせば成果か」を各社へ確認し、比較表へ同じ形式で記載します。「改善」のように数値条件がない場合は、推測で置き換えず「成果条件:要確認」とします。

提案に監視ツールが含まれている場合は、対象媒体・監視・分析・返信支援を機能単位で確認します。具体的な監視ツールの機能例も参考に、提案書のサービス名ではなく実作業に分けて比較してください。

3社の見積書を同じ費用項目へ転記して最低支払総額を出す

ここでは料金相場を調べません。手元にあるA社・B社・C社の見積書を、同じ費用項目へ転記します。

費用項目 A社 B社 C社 要確認事項
初期費用
月額
最低契約月数
必須オプション
成果報酬
追加キーワード
追加媒体
緊急対応費
解約条件
最低支払総額

最低支払総額は、見積書と契約条件に書かれた最低限の支払い条件だけで計算します。月額だけでなく、初期費用や契約期間を含めた総額で比べるためです。

最低支払総額 = 初期費用 + 月額 × 最低契約月数 + 必須オプション + 契約上発生する追加費用

成果報酬や追加費用が条件付きで、発生するかどうかを確定できない場合は、最低支払総額に無理に含めません。その場合は、「最低支払総額」と「条件成立時の追加費用」を別の欄に分けます。

風評被害対策会社の費用を月額だけでなく初期費用や契約期間を含む総額で比較する図

成果・報告は会社ごとの言葉を同じ定義へ変換する

提案書の「改善」「対策完了」「成果発生」は、会社ごとに意味が違う可能性があります。そのため、成果と報告に関する次の項目を、提案書・契約書から抜き出します。

転記項目 提案書・契約書で確認する内容
成果指標 何を成果としているか
測定条件 検索語、対象URL、媒体、端末、地域、測定方法など
報告頻度 毎週、月次、四半期など
レポート項目 順位、投稿件数、アラート、対応履歴など何が載るか
定例会 有無、頻度、参加者
改善提案 レポート提出のみか、次の対応案まで含むか
成果未達時の対応 継続、再対応、契約延長、追加費用などの扱い

「月次レポートあり」とだけ書かれている場合は、何が載るのかを確認します。

「改善」と書かれている場合は、比較表へ「改善」と転記せず、「対象URLが10位以下の状態を14日間維持」のように、可能な範囲で測定条件へ変換します。具体化できない場合は「要確認」と記載します。

「対応可能」「改善」「成果保証」の意味を各社へ確認する

提案書にある強い言葉も、そのまま比較表へ転記しません。「対応可能」「削除対応」「改善」「成果」「保証」「緊急対応」が契約上何を意味するのかを、発注前に確認します。

提案書の表現 発注前に確認する質問 比較表へ転記する内容
対応可能 何を実施した時点で対応完了ですか 実施作業と完了条件
削除対応 誰が、何を、どこまで行いますか 支援範囲と対象外
改善 何がどうなれば改善ですか 測定対象と達成条件
成果 成果発生の判定条件は何ですか 指標、測定条件、判定期間
保証 結果を保証しますか、作業実施を保証しますか 保証対象と対象外条件
緊急対応 何時間以内に、誰が、何をしますか 受付時間、初動、追加費用

特に「保証」は、結果そのものの保証と、契約で定めた作業を実施する保証を分けて確認します。

比較表では「保証あり/なし」と書かず、「作業実施保証」「特定条件達成時のみ成果報酬」「結果保証の記載なし」のように、契約上確認できた内容へ置き換えます。

緊急対応と法務との境界を提案書から抜き出す

緊急・法務の欄では、一般的な法的判断は行わず、各社の契約範囲だけを比較します。A社・B社・C社の提案書から、次の8項目を抜き出します。

  • 緊急連絡を受け付ける時間
  • 夜間休日の受付方法
  • 一次回答までの目安
  • 緊急時に実施する作業
  • 緊急対応の追加料金
  • 法的判断が必要な場合の扱い
  • 弁護士等へ引き継ぐ条件
  • 対策会社が担当しない業務

自社、対策会社、弁護士等の専門家の役割は、次の図のように分けて考えます。

風評被害対応における自社、対策会社、弁護士等の専門家の役割を分けて示した図

「弁護士連携あり」と書かれていても、それだけでは比較できません。比較表には、「法的判断は提携弁護士へ別途相談」「紹介のみ」「別契約・別料金」のように、誰が何を担当するかを記載します。

個別案件で違法性や削除可否を判断することは、この記事の範囲には含めません。

空欄と定義違いを各社への確認質問に変える

ここまで転記すると、比較表には空欄や「要確認」が残ります。その空欄が、そのまま各社へ返す質問リストになります。質問は、たとえば次のようにそろえます。

  • 「24時間監視」とは、自動取得・有人確認・連絡受付のどこまでを含みますか。
  • 「削除支援」には、申告文案作成、申請書類整理、掲載元とのやり取りのどこまでが含まれますか。
  • 「改善」と判定する具体的な指標、測定条件、判定期間を教えてください。
  • 最低契約期間中に必ず発生する支払総額と、条件付きで発生する追加料金を分けて教えてください。
  • 成果条件を満たさなかった場合、契約期間・追加費用・再対応はどう扱われますか。
  • 契約終了後、監視データ、レポート、制作物、検索対策施策はどのように扱われますか。

質問への回答を受け取ったら、メール本文や口頭説明のまま管理せず、再び比較表の該当欄へ転記します。

受領した提案書を転記する最終比較表

この記事のゴールは、次の表を完成させることです。

項目 A社 B社 C社 要確認事項
対象
対象媒体
対象検索語
監視頻度
問題発見後の対応
削除支援の範囲
逆SEOの対象
成果指標
最低契約期間
最低支払総額
追加料金
報告頻度
緊急対応
法務との境界
成果未達時
契約終了後

表は、次の順番で埋めます。

  1. 提案書に書かれている内容を転記する。
  2. 書かれていない内容と空欄を「要確認」に移す。
  3. 各社への質問の回答で、空欄を埋める。

費用の表で使った「最低契約月数」は、この表の「最低契約期間」の欄に入れます。会社ごとに表現が違う場合は、原文を残す列を別に作っても構いません。ただし、発注判断に使う列では同じ定義に変換してください。

まとめ

複数社から提案書・見積書を受け取った後にやることは、会社一般の選び方をもう一度調べることではありません。各社の提案書を同じ項目へ転記し、サービス名は実作業へ、料金は共通の費用項目へ、成果の表現は測定条件へ変換します。

そのうえで、空欄や定義の違いを各社への質問で埋め、同じ比較表を見ながら発注判断できる状態にしてください。まずは1社分の提案書から、最終比較表の「対象」の欄を埋めるところから始められます。

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