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法人向けサービスの資料請求フォームは何項目で離脱する?必須項目・個人情報入力・入力時間を調査

部署:マーケティング担当者部署:経営者・責任者レベル:実践
資料請求CTAを持つ企業の78.8%が代替導線を併設していない実態を表したアイキャッチ

[独自調査] Report ID: SBR-2026-012

公開日:2026年9月11日 著者:菊地 将

要旨

本記事では、外部の入力者・運用者調査に加え、約4.8万社分のWeb観測データを持つ独自企業データベースを使い、実際に「資料請求」という入り口を運用している企業がどれだけあり、離脱を防ぐための代替導線をどこまで用意できているかを実測しました。「何項目を超えると急激に離脱率が上がる」という明確な閾値までは特定できませんでした。Coneの調査(214名)はアンケートの自己申告に基づき、実際のフォーム行動ログではありません。

調査概要

  • 対象:企業サイトのCTA文言
  • 期間:2026年9月4日時点
  • 方法:Web観測データ(独自企業データベース)によるCTA文言調査
  • サンプル:47,967社(Web観測成功)

資料請求フォームを最後まで入力してもらえず、見込み客を取りこぼしていないでしょうか。外部の調査では、フォーム入力経験者の76.9%【外部一次情報】が入力の途中で離脱した経験を持ち、その理由として入力項目の多さ、必須項目の多さ、個人情報の入力への抵抗が挙がっています。

では、何項目からフォームは離脱されやすくなるのでしょうか。確認できた調査からは、「この項目数を超えると急に離脱が増える」という明確な境目までは特定できませんでした。一方で、入力項目を1つ減らすごとに通過率が約2ポイント向上するという目安は確認できました。入力時間については、実測のデータが見つからなかったため、この記事では推測であることを明示しながら整理します。

本記事では、外部の入力者・運用者調査に加えて、約4.8万社分のWeb観測データを持つ独自企業データベースを使い、実際に「資料請求」という入り口を運用している企業がどれだけあるか、離脱を防ぐための代替導線をどこまで用意しているかを実測しました。記事の最後に、自社の資料請求フォームで見直す点を4つの確認事項にまとめています。

フォームだけでなく、記事からリード獲得までの導線全体で資料請求を捉える考え方は、オウンドメディアの集客導線とフォーム最適化の基本で整理しています。

資料請求の入り口を持つ企業はどれだけある?独自データベースでは4.6%

自社の独自企業データベース(2026年9月4日時点の観測データ、Web観測に成功した47,967社が対象)で、各社のサイト上のCTA(行動喚起ボタン)の文言を調べました。その結果、「資料請求」という文言を含むCTAを持つ企業は2,216社(4.6%)【弊社調査】にとどまりました。残りの多くは「お問い合わせ」という一般的な文言のみで、資料請求という具体的な入り口自体を用意していないことがわかります。なお、この保有率や次に示す代替導線の数値は、CTAの文言から判定した値です。判定の方法と限界は、後半の「この調査結果を読むときの注意点」にまとめています。

さらに、資料請求の入り口を持つ2,216社のうち78.8%(1,747社)【弊社調査】は、導線が「資料請求」だけでした。「無料相談」「デモ依頼」「お試し」「電話」といった、入力負担のより軽い代替導線を併設している企業は、21.2%(469社)【弊社調査】にとどまります。

これは、資料請求の入り口を持つ企業の約8割が、見込み客に「資料請求フォームに全項目を入力する」か「離脱する」かの二択しか用意していないということです。

47,967社のうち4.6%が資料請求CTAを持ち、その78.8%が代替導線を併設していないことを示す図

表1:業種別「資料請求」CTA保有率(観測成功企業300社以上の業種のみ抜粋)【弊社調査】

業種によって保有率に差があるかを確認するため、観測に成功した企業が300社以上の業種に絞り、保有率の高い順に並べました。

業種 観測成功企業数 資料請求CTA保有企業数 保有率
HR・経理 492社 67社 13.6%
教育 388社 42社 10.8%
IT・DX・マーケ 820社 81社 9.9%
総合工事業 1,581社 131社 8.3%
情報通信 980社 64社 6.5%
製造業 3,762社 140社 3.7%
ソフトウエア 483社 11社 2.3%
不動産仲介 702社 10社 1.4%
物流/倉庫/運送 487社 1社 0.2%

表1を見ると、HR・経理、教育、IT・DX・マーケ、情報通信など、法人向けサービス色の強い業種で保有率が相対的に高く、物流や不動産仲介など現場・実店舗型の業種では極めて低くなっています。業種の特性に沿った傾向です。

企業規模別に見ると、資料請求CTAの保有率は11〜50人規模が最も高く、大企業ほど低い

企業規模ごとに保有率を比べると、規模が大きいほど資料請求を使うという単純な結果にはなりませんでした。

表2:企業規模別「資料請求」CTA保有率【弊社調査】

従業員規模 観測成功企業数 資料請求CTA保有率
1〜10人 13,321社 5.8%
11〜50人 542社 8.9%
51〜200人 700社 5.6%
201〜1,000人 534社 4.1%
1,000人以上 207社 1.4%

保有率が最も高いのは11〜50人規模の8.9%です。そこから規模が大きくなるにつれて下がり、1,000人以上では1.4%まで低下します【弊社調査】。

この理由は、今回のデータだけでは判別できません。考えられる見方は二つあります。一つは、大企業ほど「お問い合わせ」に導線を一本化し、営業担当者への直接連絡を優先している可能性です。もう一つは、資料請求という言葉を使わず、「ご相談」「お見積り」などの別の表現で同様の機能を提供している可能性です。

入力者が離脱する理由と、運用者の考えはどうずれているか

ここまでは企業側のサイト設計の実態を見てきました。この節では、実際にフォームを入力する見込み客側と、フォームを運用する企業側の声を、外部の調査から確認します。

株式会社Cone(BtoBサイト制作サービス「formmate」運営)が2025年11月3日〜5日に実施した調査(調査対象は214名。回答の分析群としてフォーム入力経験者130名と運用担当者79名を記載)によると、フォーム入力経験者の76.9%【外部一次情報】が入力途中で離脱した経験があります。離脱の理由は、「入力項目が多すぎた」62.9%、「必須項目が多かった」50.8%、「個人情報の入力に抵抗があった」46.8%【外部一次情報】の順でした。

一方、運用担当者側は、「会社名(正式名称)」58.2%、「メールアドレス」49.4%、「氏名(フルネーム)」39.2%【外部一次情報】を「削れない」項目と位置づけています。年間予算・購買権限のような踏み込んだ質問は、CVRへの悪影響を懸念して、すでに必須化を避けているとされています。ここから、運用者は項目数全体は減らさず、踏み込んだ質問を避けることで入力者の負担を抑えていると読み取れます。

フォーム入力者の離脱理由と運用者が削れないと考える入力項目の認識差を比較した図

この運用者の工夫の一歩先に、資料請求とは別に、より軽い相談窓口を用意するという対応があります。ところが、独自データベースの実測【弊社調査】では、そこまで実践している企業は、資料請求CTAを持つ企業のうちわずか21.2%【弊社調査】でした。運用者の意識(深さを抑える、外部一次情報)と、実際のサイト設計(代替導線を併設する、弊社調査)の間には、まだ埋まっていないギャップがある可能性があります。ただし、二つのデータは調査の対象も方法も異なるため、直接比べた結果ではなく、一つの見方として受け止めてください。

調査結果を実際のフォーム改善へ落とし込む場合は、必須・任意項目、エラー表示、完了後導線まで含む問い合わせフォームの設計手順も確認してください。

何項目から離脱される?項目を1つ減らすと通過率は約2ポイント向上する

「具体的に何項目からフォームは離脱されやすくなるのか」という問いについては、株式会社WACULの「WACULテクノロジー&マーケティングラボ」がBtoBサイトのフォームを対象に行った調査(2019年6月時点で公開)が参考になります。結果のうち、本記事に関わる3点を挙げます。

  • 調査対象フォームの通過率:平均20.37%、最大34.40%【外部一次情報】
  • 入力項目を1項目減らすごとに、通過率は約2ポイント向上する【外部一次情報】
  • 送信ボタンの文言が入力内容と一致している場合の通過率は約21.7%、一致していない場合は約16.6%(約1.3倍の差)【外部一次情報】

項目数に直接関わるのは2つ目です。3つ目は項目数ではなく送信ボタンの文言に関する結果で、フォームを見直すときに項目数とあわせて確認できる点として挙げています。

フォームの入力項目を1つ減らすと通過率が約2ポイント向上するという調査結果を表した図

「何項目を超えると急激に離脱率が上がる」という明確な閾値までは、確認できた調査からは特定できませんでした。ただし、「1項目減らすごとに約2ポイント」という関係から逆算すると、仮に10項目のフォームを5項目まで減らせれば、単純計算で約10ポイント程度の通過率改善が見込める計算になります【弊社算出】。実際の効果はフォームの内容や項目の組み合わせによって変わるため、あくまで目安として使ってください。

入力者がためらう項目と、運用者が「削れない」項目はどこが違うか

先に見たCone調査の節では、離脱の理由と運用者の考えを全体の傾向として見ました。ここでは、Coneの調査で明らかになった、入力者が「入力をためらう項目」を具体的に確認し、運用者の考えと照らします【外部一次情報】。入力をためらう割合の高い順に並べると、次の4項目です。

  1. 社内資料のアップロード:40.0%
  2. 会社名(正式名称):39.2%
  3. 年間予算・導入予算:38.5%
  4. 電話番号:37.7%
見込み客が入力をためらう4項目と割合を示した図

表3:入力者の負担感と運用者の必要度のギャップ【外部一次情報】

表3は、上の4項目のうち3項目について、入力者がためらう割合と運用者側の扱いを並べたものです。運用者側の数値は、その項目を「削れない」とする割合を指します。

項目 入力者がためらう割合 運用者側の扱い(数値は「削れない」とする割合)
会社名(正式名称) 39.2% 58.2%
電話番号 37.7% 「できれば欲しい」項目として言及
年間予算・導入予算 38.5% 「深い質問項目」として必須化を避ける傾向

代表例は会社名(正式名称)です。運用者の58.2%が「削れない」と考える一方で、入力者の39.2%がためらう項目でもあり、双方の認識に開きがあります。年間予算・導入予算は、運用者側も必須化を避ける傾向があり、入力者がためらう項目と運用者が慎重に扱う項目が重なります。削れない項目は残しつつ、入力者の負担を和らげる方法を、後半の確認事項で挙げます。

入力時間についてはどこまで分かる?定量データは限定的

タイトルにある「入力時間」について、入力項目数・必須項目・個人情報項目ほど明確な定量データを、外部情報から見つけることができませんでした。独自データベースにも、フォームの入力項目構造や入力時間を記録するフィールドはありません。企業ごとにCTAのテキストやリンクは観測していますが、フォーム自体の項目数や入力所要時間は収集対象外です。

一般的には、項目数が多いほど入力時間は長くなると考えられます。ただし、これは項目数の調査から推測される関係であり、入力時間そのものを対象にした実測データではありません。

自社のフォームで実際の入力時間を知りたい場合は、EFO(入力フォーム最適化)ツールの分析機能で項目別の入力時間を計測する方法があります。外部のデータが乏しい現状では、自社で測るのが現実的です。

この調査結果を読むときの注意点

ここまでの数値は、次の4点を踏まえて読んでください。

  • 独自データベースの「資料請求CTA保有率」は、CTAボタンの文言に「資料請求」という文字列が含まれるかどうかで判定しています。「カタログ請求」「資料ダウンロード」など、意味は同じでも異なる表現を使っている企業は集計に含まれていません。そのため、実際に資料請求に相当する導線を持つ企業の割合は、本記事の数値よりやや高い可能性があります。
  • 「代替導線の併設率」(21.2%)は、CTA文言に「相談」「デモ」「お試し」「無料体験」「見積」「電話」のいずれかが含まれるかで判定した代理指標です。実際にその導線がどれだけ入力負担を軽減しているかまでは確認していません。
  • Coneの調査(214名)はアンケートの自己申告に基づき、実際のフォーム行動ログではありません。
  • WACULの調査データは2019年6月時点のものであり、現在の入力環境とは異なる可能性があります。

マーケティング・Web担当者は、この結果をどう受け止めればよいか

自社が「資料請求」という入力負担の大きい入り口しか用意していない場合、見込み客の約4割が抵抗を感じる項目(会社名の正式名称、電話番号など)【外部一次情報】が、そのまま離脱のハードルになっている可能性があります。

独自データベースの実測【弊社調査】では、資料請求とあわせて「無料相談」「デモ依頼」など、より軽い入り口を併設している企業は、資料請求CTAを持つ企業の2割程度でした。残りの約8割は資料請求だけで、見直しの余地がある企業は少なくないと考えます。

自社のフォームで確認したい4つのこと

次の4点のうち、まず確認したいのは、1つ目の入り口の数と、2つ目のフォームの項目数です。3つ目以降は、その確認を終えてから順に見ていきましょう。

  1. 自社サイトの資料請求CTAとは別に、より入力項目の少ない相談・デモ申込等の導線を用意しているか
  2. 資料請求フォームの入力項目数が何項目あるか、任意項目も含めて数えているか
  3. 必須項目のうち、「なくても営業活動が成立する項目」が含まれていないか
  4. 会社名・電話番号など、入力者がためらいやすい項目について、入力例や補足説明を添えているか

まとめ:まず入り口の数とフォームの項目数を確認する

何項目から離脱されるかについては、明確な境目は特定できませんでしたが、入力項目を1つ減らすごとに通過率が約2ポイント向上するという調査があります【外部一次情報】。独自企業データベースの実測【弊社調査】では、「資料請求」という具体的な入り口を用意している企業は観測対象の4.6%にとどまり、そのうち78.8%は資料請求以外の軽い代替導線を持っていませんでした。外部調査【外部一次情報】では、フォーム入力経験者の76.9%が入力途中で離脱した経験があり、最大の理由は項目数の多さ(62.9%)です。運用者側は踏み込んだ質問の必須化を避けているとされていますが、代替導線の併設まで実践できている企業はまだ少数派で、ここに改善余地があります。

最初の一歩は、自社の入り口が資料請求だけになっていないか、フォームの項目が何個あるかを確かめることです。入力時間のように現時点で外部データが乏しい点は、EFOツールで自社のフォームを計測して補いましょう。

参考文献・出典

この記事で参照した情報を確認できます。

‹ 親記事: オウンドメディアの集客導線とは?記事からリード獲得までを設計する全体像とCTA・リードマグネット・フォーム最適化の基本

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