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YouTube広告とは?6種類の特徴・費用・出稿方法・使い分け

部署:マーケティング担当者部署:経営者・責任者レベル:基礎知識
複数の動画広告パターンを見比べながらYouTube広告の形式を選ぶ担当者の手元

YouTube広告を始めようとすると、広告形式が複数あり、どれを選ぶか、いくら予算を用意するかで迷いやすくなります。Googleが現在、主要な動画広告フォーマットとして案内しているのは、スキップ可能なインストリーム広告、スキップ不可のインストリーム広告、インフィード動画広告、バンパー広告、YouTubeショート広告、マストヘッド広告の6種類です。

選び方の結論は、形式名から選ぶのではなく「何を達成したいか」から逆算することです。認知を広げたいのか、動画をしっかり見てもらいたいのか、サイト訪問や問い合わせにつなげたいのかによって、適したフォーマット、入札方法、KPIが変わるためです。

この記事では、広告・マーケティング担当者が自社の目的、予算、手元の動画素材を整理し、使う形式と評価指標を決められるよう、現行のGoogle公式仕様をもとに判断の手順をまとめます。費用については、金額の相場を示すのではなく、課金方式と入札で費用が決まる仕組みと、予算の考え方を説明します。

YouTube広告はGoogle広告から配信する動画広告

YouTube広告は、Google広告を使ってYouTube上や対象となる動画パートナー面に配信する広告です。動画の再生前後や途中だけでなく、YouTubeの検索結果、ホームフィード、ショートフィードにも表示できます。

設定の起点になるのは「目標」です。Google広告では最初にキャンペーンの目標を選び、その目標に応じてキャンペーンの種類、利用できる広告フォーマット、入札方法などを設定します。現在の管理画面では、販売促進、見込み顧客の獲得、ウェブサイトのトラフィック、「YouTubeのリーチ、視聴回数、エンゲージメント」など、達成したい成果から設計する形になっています。

そのため、「動画広告を出したい」という段階で止めず、まず目的を一つに絞ります。目的の候補は次のとおりです。

  • 多くの人に知ってもらう
  • 商品・サービスへの興味を高める
  • 動画そのものを見てもらう
  • サイトへ誘導する
  • 問い合わせや購入などの成果につなげる

目的が決まれば、広告形式とKPIを選びやすくなります。

YouTube広告をSEO・SNS・CROなど他の施策と合わせて検討する場合は、Webマーケティングの全体像もあわせて確認してください。

YouTube広告の主要6種類と使い分け

Googleが現在案内している主要な動画広告フォーマットは6種類です。同じYouTube広告でも、表示場所、スキップの可否、課金の考え方、得意な目的が異なります。まず全体を図と表で比べ、そのあと形式ごとの使いどころと注意点を見ていきます。

YouTube広告6種類を動画再生面、フィード、Shorts、ホーム上部の表示場所別に整理した図

図のとおり、YouTube広告は動画の再生前後だけでなく、検索・ホームのフィード、Shorts、ホーム上部など複数の場所に表示されます。

次の表の「主な課金・購入の考え方」にあるCPVは視聴1回あたり、CPMは広告1,000回表示あたりの費用を見る考え方です。詳しくは、このあとの費用の節で説明します。

広告フォーマット 主な表示場所 特徴 主な課金・購入の考え方 向いている目的
スキップ可能なインストリーム広告 動画の再生前・途中・後など 5秒後にスキップ可能 TrueView視聴を基準にしたCPVなど 視聴獲得、比較検討、訴求理解
スキップ不可のインストリーム広告 動画の再生前・途中・後など 最後まで視聴される CPM系 認知、短時間でのメッセージ伝達
インフィード動画広告 YouTube検索、ホーム、関連動画周辺など サムネイルから能動的に視聴される 視聴・クリック等、キャンペーンによる 比較検討、詳しい情報の視聴
バンパー広告 動画の再生前・途中・後など 5~6秒の短尺でスキップ不可 目標CPM 認知、想起、短い訴求の反復
YouTubeショート広告 Shortsフィード 縦型の短尺視聴体験に合わせやすい キャンペーン設定による モバイル中心のリーチ、認知、視聴
マストヘッド広告 YouTubeホーム上部 大規模な露出を確保する予約型 CPM等の予約購入 新商品発表、大規模キャンペーン

※利用できるフォーマットや入札方法は、選ぶキャンペーン目標・サブタイプ・購入方法によって変わります。

スキップ可能なインストリーム広告は視聴の質を見ながら運用しやすい

スキップ可能なインストリーム広告は、動画の再生前・途中・後などに表示され、5秒後に視聴者がスキップできる形式です。

TrueViewのCPVで運用する場合、インストリーム広告では、30秒視聴、30秒未満の動画なら最後までの視聴、または広告への操作のいずれか早い時点でTrueView視聴として扱われます。「見てもらえた視聴」を基準に費用を考えやすいため、商品説明、サービス紹介、導入事例など、ある程度の尺を使って理解を深めたい場合に使いやすい形式です。

一方で、5秒後にはスキップできるため、冒頭で誰向けの広告か、何が得られるのかを伝えられなければ視聴は続きません。

スキップ不可のインストリーム広告は短いメッセージを確実に届けやすい

スキップ不可のインストリーム広告は、視聴者が途中でスキップできない形式です。Google公式ではキャンペーンの種類によって15~60秒の範囲が示されていますが、利用条件はサブタイプで異なります。作成時に管理画面で確認してください。

向いているのは、ブランド名、商品名、新サービスの開始など、短い時間で必ず伝えたい内容がある場合です。評価では、クリックだけでなく、リーチ、表示回数、フリークエンシー(同じ人に広告を表示した回数)、ブランド指標なども確認します。

インフィード動画広告は自分から見ようとする人へ届けやすい

インフィード動画広告は、YouTube検索、ホームフィード、関連動画周辺など、ユーザーが次に見る動画を探している場面に表示されます。

強制的に動画が始まる形式ではなく、サムネイルや広告見出しを見たユーザーが選んで視聴するのが特徴です。そのため、商品比較、使い方、事例、セミナーのダイジェストなど、情報収集の延長で見てもらいたい動画と相性があります。

バンパー広告は6秒前後で一つのメッセージに絞る

バンパー広告は、5~6秒の短尺でスキップできない形式です。Google公式では目標インプレッション単価による運用が案内されています。

尺が短いため、多くの情報を詰め込むのではなく、「商品名を覚えてもらう」「キャンペーン開始を知らせる」など、一つのメッセージに絞ります。既存の長尺動画を短く切るだけでは意図が伝わらないこともあるので、6秒で意味が完結する構成に作り直すのが基本です。

YouTubeショート広告は縦型素材との相性を確認する

YouTubeショート広告はShortsフィード内に表示されます。Googleは60秒未満を推奨しており、縦型9:16の素材も利用できます。

すでにSNS向けの縦型動画を持っている企業は流用しやすい形式です。ただし、他媒体の動画をそのまま転用すると、字幕位置、冒頭の速度、CTAの見え方がShortsの視聴体験に合わないことがあります。既存素材を使う場合も、最初の数秒で訴求が成立するかを確認してください。

マストヘッド広告は大規模な認知施策向けの予約型広告

マストヘッド広告は、YouTubeホームフィード上部の目立つ位置に掲載する形式です。Googleの営業担当者を通じた予約ベースでの利用が案内されています。

通常のオークション型広告のように、少額からテストする形式ではありません。新商品の発売や大型キャンペーンなど、短期間に大きなリーチを必要とする場面で検討する広告です。

YouTube広告の費用は固定相場ではなく課金方式と入札で決まる

YouTube広告に「1回いくら」という共通の固定料金はありません。実際の費用は、キャンペーン目標、広告フォーマット、入札方法、ターゲット、競合状況、配信期間などによって変わります。

そこで、費用は次の3つの見方で整理します。

  • CPV:視聴1回あたりの費用を見る考え方
  • CPM:広告1,000回表示あたりの費用を見る考え方
  • CPA:問い合わせや購入などの成果(コンバージョン、CV)1件あたりの費用を見る考え方

視聴を増やしたいならCPV、広く認知を取るならCPM、問い合わせや購入を重視するならコンバージョンを中心にKPIを設計する、と考えると整理しやすくなります。

予算は、「月いくら使えるか」だけでなく、必要な成果量から逆算して決めます。たとえば、動画視聴を目的にして、目標CPVを仮に8円、1日の広告予算を10,000円と置くと、単純計算では課金対象の視聴が1日あたり約1,250回となり、これが予算設計上の目安になります。

10,000円 ÷ 8円 = 1,250回

ただし、これは配信結果を保証する数字ではありません。実際の配信量や単価は、オークション、ターゲット、動画の反応などで変動します。Google広告の予測表示を確認しながら、入札と予算を調整してください。

目的から広告フォーマットとKPIを決める

フォーマット選びで迷ったときは、広告の目的、視聴者に取ってほしい行動、保有している動画素材の3点で判断します。

広告目的からKPI、YouTube広告形式、動画素材の順に決める判断フロー

YouTube広告は形式から選ぶのではなく、目的を決め、その目的に合うKPIと広告形式、動画素材へ順に落とし込むと判断しやすくなります。

次の表は、左から順に、広告目的、第一候補の形式、主に見るKPI、動画素材の考え方を示しています。CVRはコンバージョン率で、広告から成果に至った割合を見る指標です。自社の目的に当たる行を探し、候補とKPIを同時に決めてください。

広告目的 第一候補 主に見るKPI 動画素材の考え方
広く認知を取る 動画リーチ、バンパー、スキップ不可、Shorts リーチ、CPM、フリークエンシー 短く一つの訴求に絞る
動画を見てもらう スキップ可能、インフィード、Shorts TrueView視聴、CPV、視聴率 冒頭で対象と価値を明確にする
比較検討を進める スキップ可能、インフィード 視聴、サイト遷移、エンゲージメント 商品説明、事例、比較材料を入れる
問い合わせ・購入につなげる 目標に合うコンバージョン施策 CV、CPA、CVR CTAとランディングページまで一貫させる
短期間で大規模に露出する マストヘッド リーチ、表示回数、ブランド指標 大型施策として別途設計する

ここで注意したいのが、古い解説記事に残る「動画アクションキャンペーン」です。Googleは2026年5月までに、すべての動画アクションキャンペーンをデマンドジェネレーションへアップグレードしたと案内しています。問い合わせや購入を目的にする場合は、旧名称の手順をそのまま使わず、現在のGoogle広告管理画面で利用できるキャンペーン目標と配信方法を確認してください。

ターゲティングは「誰に」と「どこで」を分けて考える

YouTube広告では、ユーザー属性や興味・関心などの「誰に届けるか」と、動画・チャンネル・トピックなどの「どこで見せるか」を分けて考えると整理しやすくなります。

Google公式では、動画キャンペーンで利用できる主な方法として、年齢・性別などのユーザー属性、詳しいユーザー属性、興味・関心、購買意向、データセグメントなどが案内されています。コンテンツ側では、YouTubeチャンネル、YouTube動画、トピック、キーワードなどを指定できます。

ただし、設定項目を増やせば必ず成果が上がるわけではありません。特にコンバージョンを目的とする動画キャンペーンでは、Googleがコンテンツターゲティングを利用できない仕様へ変更している領域があります。

そのため、先にターゲット像を決め、現在のキャンペーンで利用できる設定だけを使います。絞り込みすぎて配信量が減らないよう、細かくしすぎないことも意識してください。

YouTube広告を出稿する基本手順

YouTube広告はGoogle広告の管理画面から作成します。細かな設定項目を見る前に、出稿全体を「準備・設計・設定・配信・改善」の5段階で捉えると進めやすくなります。

YouTube広告の出稿を準備、設計、設定、配信、改善の5段階で示したフロー図

図が示す5段階を、実際の操作の順に分けると、基本の流れは次の10ステップです。

  1. Google広告アカウントを準備する
  2. 広告に使用する動画をYouTubeへアップロードする
  3. 新しいキャンペーンを作成する
  4. 販売促進、見込み顧客、ウェブサイト流入、リーチ・視聴などの目標を選ぶ
  5. キャンペーンの種類と利用する広告フォーマットを選ぶ
  6. 予算、入札方法、地域、言語を設定する
  7. オーディエンスや利用可能なターゲティングを設定する
  8. 動画URL、最終ページURL、見出し、CTAなどを設定する
  9. プレビューと計測設定を確認して配信する
  10. 配信後にKPIを確認し、予算・ターゲティング・クリエイティブを改善する

Google広告の画面は更新されることがあります。手順名が記事や社内マニュアルと違う場合は、古い画面に合わせず、現在の管理画面とGoogle公式ヘルプを優先してください。

既存の動画資産を使う前に3点を確認する

すでに会社紹介、サービス紹介、セミナー、SNS動画などを持っていても、そのまま広告に転用できるとは限りません。広告として使えるかどうかは、少なくとも次の3点で判断します。

既存動画をYouTube広告に使う前に冒頭、比率と尺、CTAの3点を確認する図

既存動画を広告へ転用する前に、冒頭の訴求、配信面に合う比率と尺、視聴後のCTAがそろっているかを確認します。広告以外で動画を使う場合の設計は、動画コンテンツマーケティングの設計方法で解説しています。

冒頭で対象者と価値が伝わるか

通常のYouTube動画は前置きを置けますが、広告では数秒で離脱される前提で作る必要があります。「誰の、どんな課題に関係する動画か」が冒頭で分からない場合は、広告用に編集します。

配信面に合った比率と尺があるか

横型16:9だけでなく、Shortsを使うなら縦型9:16も検討します。Googleは動画リーチキャンペーンの例として、横型1,920×1,080、縦型1,080×1,920などの仕様を案内しています。

広告の目的につながるCTAがあるか

認知目的なのに問い合わせだけを強く求めたり、問い合わせ目的なのにブランドムービーだけで終わったりすると、広告目的とクリエイティブがずれます。視聴後に取ってほしい行動を一つ決め、動画、広告文、遷移先をそろえます。

配信開始後は広告形式ごとに評価指標を分ける

YouTube広告は、すべての形式を同じ指標で評価しないようにします。認知広告をクリック率だけで評価したり、視聴目的の広告を問い合わせ件数だけで判断したりすると、広告の役割と評価がずれるためです。

配信開始前に、広告形式ごとに「何を成功とするか」を決めておきます。目安は次のとおりです。

  • 認知:リーチ、表示回数、CPM、フリークエンシー
  • 視聴:TrueView視聴回数、CPV、視聴率
  • サイト誘導:クリック、クリック率、セッション
  • 成果獲得:コンバージョン、CPA、CVR
  • クリエイティブ改善:冒頭離脱、視聴維持、フォーマット別の成果差

Google広告では、広告フォーマット別のパフォーマンス分析も可能です。複数のフォーマットを併用する場合は、キャンペーン全体の平均だけでなく、フォーマットごとの差も確認すると、改善する対象を見つけやすくなります。

YouTube広告を始める前の判断チェックリスト

配信設定に入る前に、次の項目を一度確認してください。

  • 広告の目的を一つの文章で説明できる
  • 主なターゲットを説明できる
  • 認知・視聴・サイト誘導・コンバージョンのどれを最重要KPIにするか決めている
  • 使いたい広告フォーマットが目的に合っている
  • 広告用に使える動画がある、または必要な編集内容が分かっている
  • 横型・縦型など配信面に合う素材を用意できる
  • 最終ページURLとコンバージョン計測を確認している
  • 月予算だけでなく、CPV・CPM・CPAなど評価単価の基準を決めている
  • 配信後に改善する担当者と確認頻度を決めている

広告の種類を先に選ぶのではなく、これらの項目を埋めてからフォーマットを選ぶと、広告目的と運用判断をそろえやすくなります。

YouTube広告を含む集客施策の比較や、予算・KPIの整理に使える資料を確認したい場合は、無料資料ダウンロードページも活用してください。

まとめ:目的から逆算して形式と指標を決める

YouTube広告は、現在のGoogle公式案内では、スキップ可能なインストリーム、スキップ不可のインストリーム、インフィード動画、バンパー、YouTubeショート、マストヘッドの主要6フォーマットに整理できます。

選ぶ軸は、広告の知名度ではなく、広告目的、予算、動画資産、KPIです。認知ならリーチやCPM、視聴獲得ならTrueView視聴やCPV、問い合わせや購入ならコンバージョンやCPAを中心に設計します。

Google広告の仕様は変化しており、2026年5月までに動画アクションキャンペーンがデマンドジェネレーションへアップグレードされた例もあります。出稿時は、古い名称や過去の「○種類」という情報だけで判断せず、Google公式ヘルプと現在の管理画面を確認しながら設定してください。

最初の一歩は、広告の目的を一つの文章で書き出すことです。そこから、KPI、形式、使う動画素材の順に決めていきます。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

  1. Google 広告 ヘルプ「動画広告フォーマットの概要」
    https://support.google.com/youtube/answer/2375464?hl=ja
    使用内容:主要な動画広告フォーマット、表示場所、利用条件

  2. Google 広告 ヘルプ「動画キャンペーンの作成」
    https://support.google.com/google-ads/answer/2375497?hl=ja
    使用内容:キャンペーン作成の基本手順、目標・予算・ターゲティングの設定

  3. Google 広告 ヘルプ「YouTube の広告視聴単価制について」
    https://support.google.com/google-ads/answer/2472735?hl=ja
    使用内容:TrueView視聴、CPVの考え方

  4. Google 広告 ヘルプ「動画キャンペーンのターゲティングについて」
    https://support.google.com/google-ads/answer/2454017?hl=ja
    使用内容:オーディエンス、プレースメント、トピック、キーワード等のターゲティング

  5. Google 広告 ヘルプ「動画リーチ キャンペーンを作成する」
    https://support.google.com/google-ads/answer/10510238?hl=ja
    使用内容:リーチ目的の広告フォーマット、目標CPM、予算・入札設定

  6. Google 広告 ヘルプ「動画アクション キャンペーン」
    https://support.google.com/google-ads/answer/10147229?hl=ja
    使用内容:2026年5月までのデマンドジェネレーションへのアップグレード

  7. Google 広告 ヘルプ「動画広告の仕様とフォーマットの要件」
    https://support.google.com/google-ads/answer/17091270?hl=ja
    使用内容:動画アセットの比率、解像度、推奨尺

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