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来店前の利用者はGoogleマップの写真の何を見る?外観・店内・商品・古さの影響を調査

部署:マーケティング担当者部署:経営者・責任者レベル:実践
来店前にスマートフォンで店舗写真を確認する利用者の手元と、「写真は効く。でも、どれが効く?」という記事の核心を表した画像

[独自調査] Report ID: SBR-2026-030

公開日:2026年9月16日 著者:菊地 将

要旨

写真があると信頼や購買意向に影響することを示す研究は複数あります。ただ、外観・店内・商品・スタッフ・更新時期のどれが来店判断を左右するかは、確認した研究では判断できませんでした。カテゴリごとの証拠の強さも分けて示しました。

Googleマップに写真を載せてはいるものの、外観・店内・商品・スタッフ・更新時期のどれを優先すべきか、判断材料がないまま運用している店舗は少なくありません。写真は増やしたほうがよいと言われますが、来店前の利用者がその写真のどこを見て店舗を比べているのかは、はっきりしていないのが実情です。

本記事では、国内外で公表されている学術研究や消費者調査を独自の基準で整理しました。先に答えの骨子をお伝えすると、写真があること自体が利用者の信頼や来店・購入意向に影響する傾向は、複数の研究で確認されています。一方で、どの種類の写真が来店判断を左右するのかを直接調べた消費者行動研究は、今回確認できた範囲では見つかりませんでした。タイトルの問いに対して、現時点で答えられる範囲と答えられない範囲を分けて示すのが、本記事の内容です。

読み終えたあとは、分かっていることとまだ分かっていないことの境目を踏まえて、自社の写真掲載状況を点検する判断軸を持てるようになります。

なぜGoogleマップの写真は、優先順位を決めにくいのか

「写真は定期的に追加した方がよい」「外観・店内・商品の写真をバランスよく載せるとよい」といった助言は数多くあります。しかし、これらの多くは運用のコツとして語られるものです。来店を検討している利用者が実際に何を見て、どう店舗を比較しているのかという利用者側の視点を、実証データで裏付けたものは多くありません。優先順位を決めにくい背景には、この根拠の不足があると考えられます。

そこで本記事では、次の一点を問いとして調べました。

来店前の利用者は、Googleマップ上の店舗写真の何を見て、店舗を比較・判断しているのか。

既存の研究・調査がこの問いにどこまで答えているのかを、まず結論から確認します。

調べて分かったこと、分からなかったことは何か

この節では、調査全体の答えを先に示します。分かっているのは写真の有無が与える影響までで、どの写真が効くのかは、まだ分かっていません。

導入で示した2点のうち、後者は「重要ではない」という意味ではありません。今回確認できた一次研究では、直接検証されていないということです。

そのため、特定の種類の写真に力を入れれば来店が増えるとは、現時点では言えません。以降の節では、この境目を公開されている一次情報にもとづいて、順に確認します。

どのような方法で、研究を整理したのか

結果を読む前に、調べ方と整理の軸を説明します。店舗の写真と消費者の信頼・行動に関する学術論文と、国内外の調査会社による消費者調査を洗い出しました。情報源は、査読を経た学術研究や大手調査会社の一次調査を優先し、根拠の曖昧な二次情報は除外しています。

集めた研究は、「外観」「店内」「商品・料理・施術」「スタッフ・オーナー」「更新時期・古さ」「写真全般」「顧客投稿写真」という共通の切り口で独自に整理し直しました。このうち、外観・店内・商品・スタッフ・更新時期の5つはカテゴリ別の節で、写真全般と顧客投稿写真はそれぞれ別の節で扱います。

研究ごとに、調査対象・対象国・調査方法・測定内容が異なります。そのため、人数を単純に合算したり、異なる調査の効果の大きさを直接比べたりはしていません。「どのカテゴリに、どの程度の証拠があるか」という構成の違いを見えるようにすることに、焦点を当てています。証拠の程度は、直接証拠・隣接証拠・参考情報という3つの区分で示します。それぞれの意味は、カテゴリ別の節で説明します。

店舗写真に関する研究を収集し、写真カテゴリと証拠区分で整理して分かっていることと未検証領域を確認する調査フロー

上の図は、研究を集め、写真カテゴリと証拠区分で整理して、分かっていることと未検証の領域を確認する流れを示しています。

「写真があること」自体は、信頼や来店・購入意向に影響するのか

この節では、写真の有無そのものが利用者の判断に影響するかを確認します。結論として、複数の独立した研究が同じ方向の結果を示しています。

飲食店のオンラインレビューを対象にした実験研究では、写真の有無が信頼に影響し、高評価かつ写真ありの条件で信頼が最も高かったという結果が示されています。信頼を介した購買意向との関係も確認されています。

また、消費者がレストランを選ぶときの視線の動きを計測した研究では、参加者はレビューの文章を丁寧に読むというより、レビューに埋め込まれた画像に注視が集中する傾向が観察されています。

2つの研究の対象と結果を、表にまとめます。

研究 対象 測定した効果 主な結果
オンラインレビュー実験(2021年) レストラン利用者 信頼度・購入意向 写真の有無は信頼に影響し、高評価かつ写真ありの条件で信頼が最も高かった。信頼を介した購買意向との関係も確認された
視線計測研究(2022年) レストラン選択時の消費者30名 注視行動 レビュー本文よりも埋め込み画像への注視が集中

表のとおり、一方は写真の有無と信頼・購買意向の関係を、もう一方は画像への注視を扱っています。測っているものは違いますが、どちらも写真が利用者の注意や信頼に関わることを示しています。

写真の有無、画像への注視、信頼、購買・来店意向について研究で確認された関係と、Googleマップでの直接検証ではない点を整理した図

上の図は、写真の有無や画像への注視と、信頼・購買意向との関係を整理したものです。Googleマップを直接検証した結果ではない点も、あわせて示しています。

これらはいずれも、レビューサイト全般を対象にした研究です。Googleマップの写真欄そのものを検証したものではない点には、注意が必要です。ただし、「写真の有無が判断に影響する」という基本的な傾向は、手法の異なる複数の研究で共通して確認されています。そのため、写真を載せること自体の価値は支持されますが、Googleマップでも同じ程度に当てはまるとまでは言えません。

外観・店内・商品・スタッフ・更新時期の写真は、それぞれどこまで検証されているのか

ここからは、記事のテーマである5つのカテゴリについて、現時点で確認できる証拠を1つずつ整理します。研究によって検証の確からしさが異なるため、次の3つの区分を分けて示します。

「直接証拠」は、そのカテゴリ自体を検証した消費者行動研究です。「隣接証拠」は、近い領域を扱うものの、対象や方法が異なる研究です。「参考情報」は、消費者の行動そのものではない情報です。

店舗写真全般には信頼や注視への影響を示す研究がある一方、外観・店内・商品・スタッフ・更新時期ごとの直接検証は確認できていないことを示す概念図

上の図のとおり、「写真があること」の影響を示す研究はある一方で、どの写真カテゴリが来店判断を左右するかは、今回確認した研究だけでは判断できません。カテゴリごとの状況は、次の表のとおりです。

カテゴリ 直接証拠 隣接証拠 参考情報
外観 なし あり(店舗の見え方に関する研究) なし
店内 なし なし なし
商品・料理・施術 なし なし なし
スタッフ・オーナー なし あり(オーナー写真に関する調査) なし
更新時期・古さ なし なし あり(検索順位に関する専門家評価)

表を見ると、どのカテゴリにも直接証拠はありません。隣接証拠があるのは外観とスタッフ・オーナー、参考情報があるのは更新時期・古さだけです。店内と商品・料理・施術は、3つの区分のどれにも当たる証拠を確認できませんでした。各カテゴリの内容は、次の順に見ていきます。

外観:店頭の見え方を扱った研究はあるが、オンライン写真での検証はない

店舗の窓越しの見え方(透明度)を扱った、仮想空間(VR)での実験では、店内が見えやすいディスプレイほど、魅力度の評価が高くなり、見ている時間も長くなる傾向が確認されています。ただし、この実験は仮想空間で店頭を体験させるものでした。実際に入店する行動そのものには、有意な差が見られていません。仮想空間では実際に店に入れないことが、要因の一つとして考えられています。

この研究が扱ったのは、静止画としてのGoogleマップの写真ではなく、仮想空間での店舗体験です。そのため、外観の写真が来店判断に与える効果を直接検証した消費者行動研究は、今回確認できませんでした。言えるのは、店頭の見え方が印象に関わる可能性までです。

店内:今回確認できた一次研究はなかった

店内の写真そのものを対象にした学術研究や大規模な消費者調査は、今回の探索範囲では1件も確認できませんでした。「内観を見て雰囲気を確認する」という行動はよく語られますが、これを実証的に検証した一次情報は見つかっていません。

商品・料理・施術:飲食店を対象にした研究はあるが、写真の種類を検証した研究ではない

「写真があること」の節で紹介した信頼度と注視行動の研究は、いずれもレストランを対象にしています。ただし、これらの研究が検証したのは「写真の有無」です。「料理写真」や「商品写真」という特定の被写体を条件として操作し、比べたものではありません。

「レストランを対象にした研究」であることと、「商品・料理の写真そのものを検証した研究」であることは、別です。この違いを踏まえると、商品・料理・施術という被写体のカテゴリを単位に直接検証した消費者行動研究は、今回確認できませんでした。

スタッフ・オーナー:自社サイトでの効果は確認されているが、Googleマップでの検証はない

企業の自社ウェブサイトを対象にした大規模な消費者調査では、オーナー本人の写真を掲載したサイトは、写真がないサイトよりも信頼度が高いという結果が示されています。業種によって差はあるものの、一貫してオーナー写真ありの方が高い傾向でした。

ただし、この調査の対象は企業の自社ウェブサイトで、Googleマップではありません。また、確認できているのはオーナー本人の写真についてで、従業員(スタッフ)の写真にも同様の効果があるかどうかは、この調査からは分かりません。そのため、Googleマップ上でのスタッフ・オーナーの写真の効果を直接検証した消費者行動研究は、今回確認できませんでした。

更新時期・古さ:検索順位への影響は指摘されているが、消費者心理への効果は確認されていない

ローカル検索の専門家を対象にした調査では、Googleビジネスプロフィールに写真が新しくアップロードされているかどうかが、検索結果での表示のされやすさに関わる要素として重視されています。

ここで押さえておきたいのは、この情報が示しているのが「検索結果に表示されやすいかどうか」という技術的な側面だという点です。「利用者が古い写真を見てどう感じるか」という消費者心理を測ったものではありません。Googleマップ・Googleビジネスプロフィール自体を対象にした情報としては、この調査が該当します。しかし、対象を「利用者の閲覧・信頼・来店判断」まで広げると、直接測定した研究は今回確認できませんでした。

利用者が投稿した写真は、どれくらい重視されているのか

店舗自身が掲載する写真とは別に、利用者が投稿した写真をどの程度重視するかについては、業種別の調査データがあります。宿泊業では32%、飲食業では29%、美容・ウェルネス業では26%の消費者が、顧客投稿写真を重視すると回答しています。

顧客投稿写真を重視する消費者の割合が宿泊32%、飲食29%、美容・ウェルネス26%であることを比較したグラフ

グラフのとおり、顧客投稿写真を重視する割合は、宿泊業32%、飲食業29%、美容・ウェルネス業26%と、業種によって差が確認されています。

また、別の研究では、消費者が投稿した写真の量や内容が、飲食店の存続を予測する一つの手がかりになるという分析結果も示されています。これは、個々の利用者がどう判断しているかを直接示すものではありません。ただ、顧客投稿写真が店舗の実態を映す指標として機能しうることを示唆しています。

今回確認できた研究には、どのような偏りがあったのか

ここまで整理してきた研究群には、結果の使える範囲を左右する次の偏りがあります。

  • Googleマップ・Googleビジネスプロフィール上の利用者の閲覧・信頼・来店判断そのものを直接測定した研究は、今回確認できた範囲では0件でした。
  • 対象業種は飲食業に集中しています。宿泊業や美容業への言及は一部の調査に限られ、小売業やその他のサービス業を対象にした消費者行動研究は、ほとんど確認できませんでした。
  • 対象国が判明している研究は米国が中心で、日本国内の消費者を対象にした同種の実証研究は、今回確認できませんでした。
  • レビューサイト全般、企業の自社ウェブサイト、Yelp、仮想空間(VR)など、Googleマップ以外のプラットフォームを扱った隣接研究が大半を占めています。

これらの偏りがあるため、本記事の整理は、日本のGoogleマップ利用者にそのまま当てはまる結論ではなく、判断の出発点として読むのが適切です。

今、店舗運営者・MEO担当者は何をすればよいのか

今回の調査結果を踏まえると、現時点で実務に活かせる範囲は、次のように考えられます。

  • 写真を、店舗選びに関わる重要な情報として軽視しないこと。写真の有無が信頼や来店・購入意向に影響するという傾向は、複数の独立した研究で確認されています。
  • 自社が掲載する写真だけでなく、利用者が投稿する写真も含めて、自社のGoogleマップ上の見え方を確認しておくこと。
  • 外観・店内・商品・スタッフ(オーナー含む)・更新状況について、自社の掲載状況を点検する項目として持っておくこと。
  • 一方で、これらのうちどれを優先すべきかという優先順位は、現時点の研究だけでは断定できません。自社の業種・客層に応じて、複数の要素をバランスよく確認していく姿勢が現実的です。

自社の写真掲載状況を点検する際のチェック項目としてまとめた資料もご用意していますので、あわせてご活用ください。

写真だけでなく、NAP(店名・住所・電話番号)や、サイテーション(ほかのサイトでの店舗情報の言及)、地域ページなども含めて改善範囲を整理したい場合は、ローカル検索対策の全体像を参照してください。

写真の種類・品質・更新ルールを実務に落とす際は、Googleビジネスプロフィールの写真・動画最適化で具体的な運用ルールを確認できます。

まとめ:最初の一歩は、自社の写真掲載状況の点検

Googleマップの店舗写真について、「写真があること」自体が利用者の信頼や来店・購入意向に影響する傾向は、複数の独立した研究によって支持されています。一方で、外観・店内・商品・スタッフ・更新時期のうち、どれが具体的に来店判断を左右するのかを直接検証した消費者行動研究は、今回確認できた範囲では見つかりませんでした。

この「分かっていること」と「まだ分かっていないこと」の境目を示すことが、今回の調査の結果です。特定の写真に絞らず、まずは5つの観点で自社の掲載状況を点検するところから始めましょう。今後、Googleマップを対象にした消費者行動の研究が蓄積されれば、この境目はより明確になっていくと考えられます。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

本文で整理した研究・調査の出典は、次のとおりです。

  • Park, C.W., Sutherland, I., & Lee, S.K.(2021).Effects of online reviews, trust, and picture-superiority on intention to purchase restaurant services.Journal of Hospitality and Tourism Management, 47, 228-236.論文ページ
  • Investigating Consumers’ Online Restaurant Selection Behaviors Using Eye-tracking Technology and Retrospective Think-aloud Interviews.International Journal of Hospitality & Tourism Administration, 24(5)(2022).論文ページ
  • BrightLocal.Local Business Discovery & Trust Report(2023).調査ページ
  • BrightLocal.Images inspire trust in your local business website(2014).調査ページ
  • Kalantari, S., Xu, B., Govani, V., & Mostafavi, A.(2022).Analyzing the effects of storefront window display transparency on perceived store attractiveness and approach behavior.Journal of Retailing and Consumer Services.論文ページ
  • Consumer-posted photos as a leading indicator of restaurant survival.Management Science.論文ページ
  • Whitespark.Local Search Ranking Factors(2026).調査ページ

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