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「SEO is dead」は嘘だった?約2万記事調査で見えた、AI検索時代にも残る“検索に伝える設計”

部署:マーケティング担当者部署:経営者・責任者レベル:実践
「SEO is dead」は嘘だった?の見出しと、記事タイトル・H1・メタディスクリプション・構造化データなど検索に伝える設計を示したアイキャッチ

[独自調査] Report ID: SBR-2026-036

公開日:2026年10月8日 著者:菊地 将

要旨

「SEOはもう終わった」と言われるAI検索時代。企業ブログ19,748記事を調べると、タイトル・大見出し・記事の説明文が揃った17,213記事でも、44.5%で記事向け構造化データを確認できませんでした。GoogleのAI検索向け公式見解と独自調査から、今も残る“検索に伝える設計”を考えます。

生成AIの普及と、Google検索のAI Overviews・AI Modeの登場によって、「SEOはもう終わった」「これからはAI対策だけを考えればいい」といった言葉を目にする機会が増えました。では、本当にSEOは不要になったのでしょうか。

答えは、SEOが不要になったわけではない、というものです。Googleは、AI OverviewsやAI Modeについて、従来のSEOの基本的な考え方は引き続き有効であり、AI検索に表示されるためだけの特別な最適化や専用の構造化データ(記事の種類や関連情報を検索エンジンへ明示するための記述)は必要ないと案内しています。つまり、ページが検索エンジンに発見され、内容を理解され、検索結果に出せる状態にしておくという土台は、AI検索時代になってもなくなっていません。

SEOの全体像や、内部対策・コンテンツ・外部対策の位置づけを確認したい場合は、「SEOの基礎知識を体系的に理解する」で整理しています。

そこでリブランディング株式会社では、企業が公開している記事19,748本を対象に、検索エンジンへ記事情報を伝えるための設定が、実際にどこまで整っているのかを調べました。

結果を見ると、ページタイトルは99.8%、大見出しは94.3%、記事の説明文は92.5%で確認できました。一方、Article・BlogPosting・NewsArticleのいずれかにあたる記事向けの構造化データを確認できたのは53.9%でした。

さらに、タイトル・大見出し・記事の説明文がすべて揃った17,213記事に絞っても、44.5%では記事向けの構造化データが確認できませんでした。

今回の調査から見えてきたのは、「SEOが死んだ」というより、人に読ませるための記事制作は整っていても、その内容を検索エンジンへ伝える設計までは十分に揃っていないという現状です。この記事では、調査結果を順に示したうえで、AI検索時代にSEOとして何を設計すべきかをまとめます。

Googleは、AI検索でもSEOの基本は残ると説明している

まず、Googleの公式な説明から、AI検索時代にも変わらない土台を確認します。Google検索セントラルは、AI OverviewsやAI Modeについて「SEOのベストプラクティスは引き続き関連性がある」と案内しています。AI検索に表示されるための追加の技術要件はなく、特別なAI向けファイルや専用のschema.orgマークアップも必要ないとしています。

そのうえでGoogleは、AI検索でも次のような既存のSEOの基本を挙げています。

  • Googleがクロール(ページを巡回して内容を取得すること)できる状態にする
  • 内部リンクなどで重要なページを見つけやすくする
  • 重要な内容をテキストで提供する
  • ページ体験を整える
  • 構造化データを、ページ上に実際に表示されている内容と一致させる

クロール、レンダリング、内部リンク、構造化データなどをまとめて点検したい場合は、「AIOの技術対策8領域」で確認できます。

つまり、AI検索だから従来の検索向け設計が不要になるのではなく、従来の土台の上にAI検索が加わっていると見る方が、Googleの説明には近いと言えます。

ただし、構造化データを入れればAI OverviewsやAI Modeに表示される、という意味ではありません。Google自身も、AI検索向けの特別なschema.orgは不要としています。今回の調査で構造化データを見るのは、AI検索への直接的な掲載効果を測るためではなく、企業が自社の記事情報を検索エンジンへどこまで明示的に伝える設計をしているかを見るためです。

約2万記事を調べると、基本設定は9割超でも記事向け構造化データは53.9%

今回、HTMLを解析できた19,748記事について、主な設定状況を確認しました。結果は次のとおりです。

確認した項目 確認できた割合
ページタイトル 99.8%
ページの大見出し 94.3%
記事の説明文 92.5%
記事向けの構造化データ 53.9%

出典:リブランディング株式会社 独自調査(2026年10月5日時点、分析対象19,748記事)

企業ブログ約2万記事でタイトル99.8%、H1 94.3%、Article系情報53.9%などを比較したグラフ

表のとおり、タイトル、大見出し、記事の説明文はいずれも9割を超えています。多くの記事では、記事として読んでもらうための基本設定がすでに整っているということです。

それに対して、Article・BlogPosting・NewsArticleのいずれかを確認できた記事は53.9%でした。GoogleはArticle構造化データについて、記事のタイトルや著者、公開日など、そのページがどのような記事なのかをより明示的にGoogleへ伝えるために利用できると説明しています。

構造化データとリッチリザルトの違い、対象タイプの選び方、実装後の確認方法は、「リッチリザルトと構造化データの関係」で詳しく整理しています。

記事を作るところまでは定着している。しかし、その記事が何なのかを検索エンジンへ伝える設定は、同じ水準まで定着していない。これが、今回の調査で最初に見えた差です。

基本設定が全部そろった記事でも、44.5%は記事向け構造化データがなかった

次に、ページタイトル、大見出し、記事の説明文の3つがすべて揃っていた記事だけに絞って見ます。対象は17,213記事です。

基本3項目がすべて揃った記事 記事数 割合
記事向けの構造化データあり 9,545本 55.5%
記事向けの構造化データなし 7,668本 44.5%
合計 17,213本 100.0%
基本3項目が揃った17,213記事のうち、記事向け構造化データありが55.5%、なしが44.5%だったことを示す比較図

出典:リブランディング株式会社 独自調査(2026年10月5日時点)

見た目上の基本設定がすべて揃っている記事でも、7,668本では記事向けの構造化データを確認できませんでした。

この結果は、「設定がほとんどされていないサイトだけが構造化データを入れていない」という話ではありません。タイトルも見出しも説明文もあり、記事として普通に読めます。それでも、検索エンジンへ記事の種類や関連情報を明示する設定だけが抜けているページが、4割以上ありました。

AI検索時代に「SEOは終わった」と考える前に、企業サイト側では、従来の検索に情報を渡す設計自体がまだ揃い切っていないということです。

構造化データを使っていても、29.1%は記事向けではなかった

「そもそも構造化データを使っていないサイトが多いだけではないか」という見方もできます。そこで、何らかのJSON-LD形式(構造化データを記述する書き方の一つ)の構造化データが確認できた記事だけを見ました。

19,748記事のうち、何らかの構造化データが確認できたのは15,017本、76.0%です。そのうち、Article・BlogPosting・NewsArticleのいずれかを確認できた記事は10,649本でした。

何らかの構造化データがある記事 記事数 割合
記事向けの構造化データあり 10,649本 70.9%
記事向けの構造化データなし 4,368本 29.1%
合計 15,017本 100.0%

出典:リブランディング株式会社 独自調査(2026年10月5日時点)

つまり、構造化データという仕組み自体を使っていても、約3割の記事では「この記事は何なのか」を記事向けの形式で明示できていませんでした。「SEO施策を何もしていない企業」と「十分に検索へ情報を渡せている企業」の二択では捉えられないことが分かります。

一部の検索向け設定はできている。しかし、記事情報まで一貫して設計されているとは限らない。この中間状態が、実際の企業サイトでは少なくありませんでした。

1本でも未設定が見つかった企業の92.3%は、確認した記事すべてで未設定だった

もう一つ特徴的だったのが、記事向け構造化データの「抜け方」です。HTMLを解析できた記事が2本以上ある2,721社について、企業内で設定状況がどう揃っているかを確認しました。

企業内での設定状況 企業数 割合
確認した記事すべてで設定あり 1,428社 52.5%
確認した記事すべてで設定なし 1,193社 43.8%
記事によって設定あり・なしが混在 100社 3.7%

出典:リブランディング株式会社 独自調査(2026年10月5日時点)

「すべて設定なし」の1,193社と「混在」の100社を合わせると、1本以上の未設定記事が見つかった企業は1,293社です。そのうち1,193社、92.3%では、今回確認した記事すべてで記事向けの構造化データが確認できませんでした。

未設定記事が1本以上見つかった1,293社のうち、92.3%で確認記事すべてが未設定だったことを示す図

記事によって設定の有無が混在していた企業は3.7%にとどまります。この調査だけで、CMSやテンプレートが原因だと断定することはできません。ただし、この揃い方を見る限り、未設定は「担当者が1記事だけ入れ忘れた」というより、サイト全体の出力設定として続いている可能性が高いと考えられます。

「SEO is dead」ではなく、SEOの仕事が変わっている

最初に、この調査で言えないことを押さえておきます。今回の調査だけで、「構造化データがある企業ほどAI検索に出る」「構造化データを入れれば順位が上がる」といったことは言えません。そこは今回測っていないからです。

SEOの整備状況とAIO関連要素がどこまで連動するかは、43,332社を対象にした「SEOとAIOの相関調査」でも検証しています。

そのうえで、今回の結果と、Googleの説明を合わせて見ます。GoogleはAI OverviewsやAI Modeでも、既存のSEOの基本は引き続き有効だとしています。そして企業ブログ約2万記事を調べると、人が読むための記事設定は9割以上まで整っている一方で、検索エンジンへ記事情報を明示するArticle系構造化データは53.9%でした。さらに、基本設定がすべて揃った記事でも44.5%が未設定で、未設定が見つかった企業の92.3%では確認記事すべてが未設定でした。

この結果を踏まえると、変わったのはSEOそのものではなく、検索キーワードに合わせて記事を作り、本数を増やすだけでSEOを完結させる考え方です。AI検索時代に必要なのは、AI専用の裏技を探すことではありません。

何を発信するか、検索にどう伝えるか、それを毎回正しく出せる仕組みにするか。ここまでを一つのSEOとして設計する必要があります。

AI検索時代のSEOで必要なこと

ここまでの調査結果とGoogleの説明を実務に置き換えると、必要なのは次の3点です。

  • 自社にしかない情報を出す
  • 検索に伝わる形に整える
  • 継続して正しく出力できる仕組みにする
AI検索時代のSEOで必要な3つの役割として、情報を出す、検索に伝わる形に整える、継続して正しく出せる仕組みにする、を整理した図

専門家や現場の知見を、検索に伝わる形で継続して公開できる状態をつくる。これが、ここでいう「検索に伝える設計」です。

出典:Google検索セントラル「AI features and your website」

調査概要

調査主体:リブランディング株式会社

調査時点:2026年10月5日

調査対象:オウンドメディアが確認・推定された企業5,073社

記事設定の分析対象:HTMLを解析できた確認済み記事19,748本、3,261社

企業ごとの設定状況の分析対象:HTMLを解析できた記事が2本以上ある2,721社

調査方法:公開されている企業サイト・記事ページを当社独自データベースで観測し、ページタイトル、大見出し、記事の説明文、JSON-LD形式の構造化データ、Article・BlogPosting・NewsArticleの有無を集計しました。

記事向けの構造化データは、取得したHTML内でArticle、BlogPosting、NewsArticleのいずれかを確認できた場合を「あり」としています。

なお、今回の調査は取得できたHTMLをもとに集計しています。JavaScriptによって後から生成される設定などは検出できていない場合があります。また、今回観測できた記事を対象とした分析であり、日本企業全体や各企業が保有する全記事を代表するものではありません。構造化データの有無だけで検索順位、検索流入、AI OverviewsやAI Modeへの表示状況を判断することもできません。

まとめ

Googleは、AI OverviewsやAI Modeでも従来のSEOの基本は引き続き有効であり、AI検索だけのための特別な最適化は必要ないとしています。

一方、今回調べた19,748記事では、タイトルや大見出し、記事の説明文は9割以上で確認できたものの、記事向け構造化データは53.9%でした。さらに、基本設定がすべて揃った17,213記事でも44.5%が未設定。1本でも未設定が見つかった企業の92.3%では、確認した記事すべてで未設定でした。

「SEO is dead」は、少なくとも“検索に伝える設計まで不要になった”という意味では当てはまりません。

変わったのは、検索キーワードに合わせて記事を作り、本数を増やすだけでSEOを完結させる考え方です。これから必要なのは、事業や現場の専門家が一次情報をつくり、SEO・Web担当が検索エンジンに伝わる形へ整え、制作・開発側がサイト全体で継続して出力できる仕組みにすることです。

専門家の知見を、SEOとWebの仕組みで検索に伝える。

AI検索時代にも残るSEOは、記事本数だけでは決まりません。何を発信し、検索にどう伝え、サイト全体で継続して出すか。この公開設計まで含めて考えることが、これからのSEOの前提になります。最初の一歩として、自社サイトの記事に、記事向けの構造化データが実際に出力されているかを確認しましょう。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

‹ 親記事: SEOの基礎知識を体系的に理解する|定義・3つの柱・歴史・AIO/MEOとの関係まで一気に整理

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