[独自調査] Report ID: SBR-2026-007
公開日:2026年9月9日 著者:菊地 将
要旨
本報告書は、原記事に記載された調査の内容を、原記事の記載の範囲で報告する。弊社が47,967社のBtoB企業サイトを独自分析したところ、料金ページを保有する企業は19.3%でした。さらに、料金ページを保有する企業から45社を無作為抽出して実際に開いて確認したところ、具体的な金額が記載されていたのはわずか20.0%、そもそも料金ページとして機能していなかったものが26.7%ありました。本記事では、この独自データベースと実ページ監査の結果を報告します。この8カテゴリは、AIO(生成AI検索対策)を扱う解説記事群で共通して言及される「比較材料になりうる情報の型」を参考に整理したものであり、見込み客が実際にAIへ投げている質問の文言・頻度を示すものではありません。
調査概要
- 対象:BtoB企業サイト
- 期間:2026年9月4日時点(観測成功47,967社)
- 方法:独自企業データベース分析+実ページ監査
- サンプル:47,967社(データベース分析) + 45社(料金ページ保有企業からの無作為抽出実査)
企業のマーケティング・Web担当者にとって、自社サイトの情報が生成AIにどう扱われるかは気になるところです。生成AIがBtoB企業を比較・説明するとき、その材料になりうる情報は、企業サイト上にどこまで公開されているのでしょうか。
弊社の独自企業データベース(以下、独自DB)で、BtoB企業47,967社のサイトを分析しました。その結果、料金ページのURLを持つ企業は19.3%でした。さらに、そのURLを持つ企業から45社を無作為に抽出し、実際にページを開いて内容を確認しました(以下、実査)。具体的な金額が記載されていたのは20.0%にとどまり、そもそも料金ページとして機能していなかったものが26.7%ありました。
本記事で報告するのは、企業側がサイトにどんな情報を公開しているかという実態です。見込み客が実際にAIへどんな質問をしているかは、調査の範囲に含みません。独自DBの分析と実査の結果に加え、最後に自社サイトを点検する3つの視点を示します。
本記事は個別のテーマに絞っています。上位の全体設計から確認したい場合は、AI検索の信頼性シグナルの全体像も参照してください。
比較材料になる情報はどれだけ公開されているか:料金URL保有企業は19.3%
まず、独自DBの全体像から見ます。観測時点は2026年9月4日、観測に成功したのは47,967社です。生成AIがBtoB企業を紹介・比較するときに参照しうる8つの情報カテゴリについて、保有率は次の表のとおりでした。なお、会社概要だけは母数が37,924社で、ほかの7カテゴリ(47,967社)と異なります。
| 情報カテゴリ | 保有率 |
|---|---|
| 会社概要(信頼性の基本情報) | 81.7%(30,993/37,924) |
| サービス説明 | 51.3%(24,628/47,967) |
| 構造化データ(機械可読) | 33.3%(15,953/47,967) |
| 事例関連URL | 29.0%(13,927/47,967) |
| 料金URL | 19.3%(9,258/47,967) |
| FAQ | 16.8%(8,044/47,967) |
| お客様の声 | 12.9%(6,178/47,967) |
| レビュー導線 | 3.0%(1,460/47,967) |

会社概要は81.7%で確認できる一方、料金URLは19.3%、FAQは16.8%と、比較の材料になる情報ほど保有率が低くなっています。
この8カテゴリは、AIO(本記事では、生成AI検索への対応を指します)を扱う解説記事群で共通して言及される「比較材料になりうる情報の型」を参考に整理したものです。見込み客が実際にAIへ投げている質問の文言や頻度を示すものではありません。この点は、本記事全体に共通する前提です。
料金URLがあれば金額は読めるのか:45社の料金ページ実査
ここで確かめるのは、URLを持つことと、具体的な料金情報が読めることが同じかどうかです。両者は別の問題です。そこで、料金ページのURLを持つ9,258社から45社を無作為に抽出し、実査を行いました(2026年9月10日実施)。
料金・プラン情報を公開した後に、AI検索上で金額や条件が正しく扱われているかまで確認する場合は、AI検索に表示される料金・プラン情報の監査方法も参照してください。
標本の大きさは、別記事で行ったBtoB導入事例の実査と同じn=45にしました。理由は2つあります。①同一の信頼水準・調査体制で実施すると、記事間で結果を比べられること。②母集団9,258社に対し、95%信頼区間は該当率20%前後の指標でおおむね±11〜12ポイントとなり、傾向をつかむには十分な精度が得られることです。
実査した45社の内訳は、次の表のとおりです。
| 分類 | 該当数/45社 | 割合 |
|---|---|---|
| 具体的な金額の記載あり | 9社 | 20.0% |
| 価格帯のみの記載 | 1社 | 2.2% |
| プラン名のみ(金額情報なし) | 1社 | 2.2% |
| 問い合わせのみ(金額情報なし) | 14社 | 31.1% |
| 実は料金ページではなかった | 12社 | 26.7% |
| 取得失敗(判定不能) | 8社 | 17.8% |
最も多かったのは、問い合わせのみで金額情報がない14社(31.1%)です。具体的な金額が記載されていたのは9社(20.0%)でした。注目したいのは、実は料金ページではなかった12社(26.7%)です。DB上では「料金URLを保有している」と分類されていたのに、ページを開くと料金とは無関係の内容(製品写真、ニュース記事、無関係なブログ記事等)だったものです。つまり、独自DBのURL分類は完全ではありません。この制約は、結果を読む際の前提として正直に示します。
取得失敗(リンク切れ、PDFの読み取り不可、アクセスブロック等)の8社(17.8%)は、扱いを分けています。これらは「情報がない」のではなく、「今回の手法では判定できなかった」ケースです。ほかの分類と区別するため、次の集計からも除きました。
そこで、取得に成功し、かつ実際に料金ページだった25社(45社から、料金ページでなかった12社と取得失敗の8社を除いた数)で見ます。具体的な金額が書かれていたのは36.0%(9/25)、価格帯のみが4.0%(1/25)、プラン名のみが4.0%(1/25)、問い合わせのみが56.0%(14/25)でした。料金ページとして機能しているページでも、半数以上は問い合わせのみで、金額情報がありませんでした。

URLを保有していることと、比較に使える金額が読めることの間には、大きな差があります。
導入事例でも同じ差があるのか:別記事の実査結果から
次に、料金とは別のカテゴリでも同じ傾向があるかを、別記事の結果で見ます。BtoB導入事例に関する別記事(本記事と同じ独自DBを使用)では、事例関連URLを持つ企業45社を、同様の手法で実査しました。成果数値の記載があったのは20.0%、成果数値・導入期間・対象企業条件の3つが全て揃っていたのは8.9%でした。さらに、45社の82.2%は個別の事例ではなく、一覧ページや関連ページでした。
料金ページ(本記事)と事例ページ(別記事)という異なる2つのカテゴリで、いずれも「URLの保有率」と「実際に読める具体的な情報の量」の間に大きな差があるという共通のパターンが確認されています。

5つの情報カテゴリを同時に満たす企業はわずか2.7%
個々のカテゴリではなく、複数を同時に備えているかも集計しました。料金・事例関連・サービス説明・FAQ・構造化データの5カテゴリを同時に備えている企業は、47,967社中1,276社、2.7%にとどまりました。

この集計は、各カテゴリに対応するURLやデータの有無に基づいています。一方、本記事の実査では、料金URLとして取得されたページの26.7%が、実際には料金ページとは言いにくい内容でした。この結果を踏まえると、内容の具体性まで基準にした場合、5カテゴリをすべて満たす企業の割合は2.7%をさらに下回る可能性があると考えます。
ただし、料金ページ以外の4カテゴリについては同様の内容監査を実施していないため、正確な割合は算出していません。
業種によって公開状況は違うのか
業種別に、構造化データと料金URLの保有率を見ます。構造化データの保有率は、IT・DX・マーケティング(45.5%)、情報通信(42.1%)が上位でした。ところが、同じ2業種の料金URLの保有率は31.5%・24.7%にとどまります。構造化データの整備と、価格の具体的な開示は、必ずしも連動していません。
外部調査で見る背景:生成AI利用の広がりと、企業比較での使われ方
ここまでの独自DB分析と実査の結果は、いずれも企業側の情報公開の実態です。生成AIの利用実態そのものについては、次の外部の一次情報を背景として紹介します。それぞれ調査の対象や方法が異なるため、結果は個別に読んでください。
HubSpot Japanの一次調査「日本の営業に関する意識・実態調査2026」では、B2Bの購買検討プロセスで生成AIを情報源として活用した買い手の割合は、2024年の4.3%から2025年の11.7%へ、約2.7倍に増えたと報告されています。この数値は、2025年10月30〜31日に調査したビジネス商品の購入担当者515名の回答に基づきます。同調査は売り手側1,545名も対象にしていますが、4.3%と11.7%は買い手本人の回答です。
総務省「令和7年版情報通信白書」は、所属企業のAI活用方針を把握している回答者を基に、業務で生成AIを何らかの形で利用している企業の割合を、日本で55.2%と推計しています。調査方法が異なるため、2023年の値との単純比較はできません。
AI可視性分析企業のProfound社は、2025年6月25日付の記事で、5,000万件超のChatGPTプロンプトをもとにした意図分類を公表しています。分類と割合は次のとおりです。
- 生成型(比較・提案作成等を依頼):37.5%
- 情報型:32.7%
- 商業型:9.5%
- 意図なし:12.1%
- 商取引型:6.1%
- ナビゲーション型:2.1%
この分類を読むときは、BtoB企業比較に特化したものではなく、AI利用全般の意図分類であることに注意が必要です。またProfound社自身が「絶対的な数値は精密な値ではなく方向性を示すもの」「同社のエンタープライズ顧客向けパネルに基づく推定」と説明しており、代表性のある無作為抽出データではありません。「生成型37.5%の中にBtoB企業比較の質問が何%含まれるか」は不明です。本記事は、この数字を「BtoB比較質問の割合」として読み替えていません。
学術研究としては、ACM主催の情報検索国際会議CHIIR 2026に掲載された論文(Kilian & Elsweiler、”Rules, Resources, and Restrictions: A Taxonomy of Task-Based Information Request Intents”)を確認しました。空港案内係へのインタビューに基づくグラウンデッド・セオリー研究であり、LLMとの対話が、単純な検索語から「タスク全体の支援」を求める複合的なリクエストへ、利用者の期待を広げているという理論的な知見を示しています。BtoB企業比較を直接検証した研究ではありません。ただし、AIへの質問が単純な検索語にとどまらない可能性を示す背景理論として参照しました。
ここで紹介した調査は、生成AIが購買検討や業務で使われ始めている背景を示すものです。企業側の公開状況を調べた本記事の結果とは、調べている対象が異なります。
確認した競合2記事と、本記事の違い
確認した2記事は、いずれもAIに引用されるための施策を解説していました。ただし、実際の買い手が入力した質問文言を観測・集計したデータは、確認できませんでした。本記事は、企業側の情報公開の具体性を、実ページ監査によって定量化した点が異なります。
自社サイトを点検する3つの視点
ここまでの結果から、自社サイトで確認したい点を3つにまとめます。
- 料金・事例等の情報URLがあるだけでなく、実際に具体的な数字が書かれているか(実査では、料金ページと確認できた25社の64%が具体的金額を開示せず)
- 5つの主要情報カテゴリ(料金・事例関連・サービス説明・FAQ・構造化データ)を同時に満たせているか(全体2.7%)
- リンク切れや読み取り不能なページになっていないか(実査では17.8%が取得失敗)
まとめ:URLの保有率より、公開されている中身を見る
弊社が独自に分析した47,967社のデータでは、料金URLを保有する企業は19.3%でした。さらに、実査した45社のうち26.7%は、実際には料金ページとして機能していないことが分かりました。取得に成功し、料金ページと確認できた25社のうち、具体的な金額が書かれていたのは36.0%にとどまります。生成AIがBtoB企業を比較・紹介する際に参照しうる情報は、URLの保有率だけで見るよりも、さらに手薄である可能性があります。
なお、見込み客が実際にAIへどのような質問を投げているかは、本記事の調査範囲では直接確認できていません。最初の一歩として、自社サイトで料金・事例などのURLを開き、具体的な数字が読めるかを確かめてみてください。前の節の3つの視点が、そのまま点検の出発点になります。
参考文献・出典URL
この記事で参照した情報を確認できます。
- Kilian, M. A., & Elsweiler, D. “Rules, Resources, and Restrictions: A Taxonomy of Task-Based Information Request Intents.” Proceedings of the 2026 Conference on Human Information Interaction and Retrieval (CHIIR ’26), ACM. DOI: 10.1145/3786304.3787863 https://doi.org/10.1145/3786304.3787863
- HubSpot Japan「日本の営業に関する意識・実態調査2026」(買い手515名・売り手1,545名を2025年10月30〜31日に調査、2026年2月27日公表) https://www.hubspot.jp/company-news/stateofsales-20260227
- Profound「AI Search intent study: What 50M+ ChatGPT prompts reveal」(参考・外部データ) https://www.tryprofound.com/blog/chatgpt-intent-landmark-study
- 総務省「令和7年版情報通信白書」所属企業のAI活用方針を把握する回答者から推計した日本企業の業務利用55.2%(2023年値と単純比較不可) https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd112220.html
- HubSpot Japan「BtoB製品の比較・検討はどう変わる?AI検索時代の購買プロセスとAEO戦略」(競合分析対象) https://blog.hubspot.jp/marketing/aeo-btob
- テクロ株式会社「BtoB企業が取り組むべき生成AI検索対策」(競合分析対象) https://techro.co.jp/blog/seo-ai-search/llmo-aio/btobaio/
- 弊社独自企業データベース(dataset_version: v1_production_20260905、観測対象47,967社、実査対象45社)
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