AIO対策会社へ相談したいのに、「まだ現状を測れていない」「何を伝えればよいか分からない」と手が止まっていませんか。最初から正式な提案依頼書(RFP)を用意する必要はありません。
初回相談で用意したいのは、完成した資料ではなく、次の6つの情報です。対象AI、質問セット(顧客が使いそうな質問)、現在の回答・引用、対象ページ、目標、社内体制を、分かる範囲で整理します。分からない項目は「未確認」のまま持ち込んで構いません。初回相談の目的は要件を決め切ることではなく、何から確認すべきかを専門会社とすり合わせることだからです。
この記事では、6項目それぞれの整理のしかたと、そのまま使える相談メモ、RFPや見積比較に進む順番を説明します。
なお、この記事ではAIOを、ChatGPTやGoogleのAI機能、Microsoft Copilotなどを通じて、自社や商品・サービスの情報が正確に理解・参照されやすい状態を整える取り組みという意味で使います。
初回相談の前に、6つの情報を分かる範囲で整理する
この節では、整理する6項目の全体像を確認します。
次の表は、6項目について、相談前に最低限書くことと、分からない場合の扱いをまとめたものです。
| 整理する情報 | 相談前に最低限書くこと | 分からない場合 |
|---|---|---|
| 対象AI | 顧客が使いそうなAI・AI検索 | 「未定」でよい |
| 質問セット | 顧客が実際に聞きそうな質問 | 営業・問い合わせ内容から仮置きする |
| 現在の回答・引用 | 自社が出るか、何と説明されるか、どこが引用されるか | 未計測と明記する |
| 対象ページ | 相談対象にしたいサービス・記事・会社情報など | 候補URLだけでもよい |
| 目標 | 何が変われば前進と判断するか | 「まず現状把握」でもよい |
| 社内体制 | 窓口、確認者、サイト修正の可否 | 未定の役割を明記する |
どの項目にも、分からない場合の書き方があります。目指すのは6項目を完璧に埋めることではなく、どこまで分かっていて何が分からないかを共有できる状態です。空欄を隠さず、そのまま示してください。

図の見方:6つの情報の関係を示した図です。分かる項目から埋め、分からない項目は「未確認」のまま持ち込みます。
対象AIは、顧客が使いそうなものから決める
最初に決めるのは、どのAIやAI検索を相談の対象にするかです。すべてを同時に対象にする必要はありません。顧客が商品・サービス・会社を探す場面を思い浮かべ、優先するものを選びます。
たとえば法人向けサービスなら、次のような場面が候補になります。
- ChatGPTで「○○に強い会社」を探す場面
- GoogleのAIによる概要やAIモードで課題を調べる場面
- Microsoft Copilotで比較・情報収集する場面
- その他、自社の顧客が実際に利用しているAIサービス
Googleは、AIによる概要とAIモードで関連するウェブページへのリンクを表示し、回答を作る際に複数の関連検索を行う「クエリファンアウト」を使用する場合があると説明しています。
Googleを対象に含める場合は、「AI検索に出ているか」を感覚だけで話すのではなく、Search Consoleで確認できる範囲も相談材料にできます。確認できる内容は、「現在の回答・引用」の節で説明します。
質問セットは、顧客の検討行動から作る
AIO対策では、「自社名をAIに聞いたら出た」という確認だけでは、顧客の検討行動を十分に捉えられません。顧客が実際にAIへ入力しそうな質問を、仮でよいので用意しておくと、相談が具体的になります。
質問は、顧客が自社を知る場面、比較する場面、課題を解決する場面の3種類に分けて作ると整理しやすくなります。質問の言葉は、企業が使いたいものではなく、顧客がその場面で使うものから選びます。

図の見方:質問の3種類の分類を示しています。次の項目で、種類ごとに質問例を挙げます。
指名質問:自社が正しく説明されるかを見る
会社名やサービス名を指定して、自社が正しく説明されるかを見る質問です。
- 「株式会社○○は何をしている会社?」
- 「○○サービスの特徴は?」
- 「○○はどの地域に対応している?」
ここでは、会社名が出るかだけでなく、事実誤認や古い情報がないかも確認します。
カテゴリ・比較質問:候補に入るかを見る
まだ自社名を知らない見込み客が、候補を探す場面を想定した質問です。
- 「○○に強い会社を教えて」
- 「○○を依頼するならどんな会社がある?」
- 「○○と△△の違いは?」
自社が候補に入るかに加えて、競合や業界メディアのどのページが参照されているかも確認します。
課題解決質問:困りごとから探されたときの見え方を見る
顧客が抱える問題から始まる質問です。
- 「○○がうまくいかない原因は?」
- 「○○を改善するには何から始める?」
- 「○○を外注するとき何を確認すればいい?」
顧客が困ったときに使う言葉は、営業担当者が商談で受ける質問、問い合わせフォームの内容、失注理由、FAQなどからも集められます。
現在の回答・引用は、確認できた範囲だけ記録する
この節では、現状を確認する方法を2つに分けて説明します。初回相談の前に、すべてのAIで大規模な計測をする必要はありません。まずは、同じ質問を同じAIに入力して、結果を記録します。
記録する項目は、次の程度で十分です。
| 項目 | 記録内容 |
|---|---|
| 確認日 | いつ確認したか |
| AI・機能 | ChatGPT、Google AIモードなど |
| 質問文 | 実際に入力した文 |
| 自社の言及 | あり/なし |
| 回答内容 | 自社がどう説明されたか |
| 引用・参照 | 自社ページ、競合、第三者メディアなど |
| 気づいた問題 | 誤情報、古い情報、対象外の説明など |
この表の形で毎回残しておくと、回答が変わったときに、いつのどの質問への回答かを後から確かめられます。
ChatGPTのウェブ検索では、回答に引用や情報源へのリンクが表示される場合があります。一方、OpenAIは、検索結果や引用が不完全、古い、または誤っている場合があるため、引用元を開いて確認するよう案内しています。そのため、1回の回答を固定的な「正解」として扱わず、確認日と質問文を残します。
手動の確認とは別に、公式の計測画面でも全体の傾向を確認できます。Google Search Consoleでは、2026年8月31日から生成AIパフォーマンスの分析情報が世界中のウェブサイト向けに展開されました。生成AIパフォーマンスレポートでは、AIによる概要・AIモードでのインプレッションや表示ページを確認できます。
Bing Webmaster ToolsのAI Performanceでは、Microsoft CopilotやBingのAI生成回答などで引用されたページ、引用数の推移、関連するグラウンディングクエリを確認できます。Microsoftは、このデータが個々の完全なユーザー質問を示すものではなく、集約された情報であることも説明しています。
公式レポートと手動確認は、同じものではありません。Search Consoleはページ・国・デバイス・日付などの集計を確認するもので、実際の個々の質問文や回答そのものを一覧化する仕組みではありません。
そこで相談前は、「公式データで全体傾向を見る」「固定した質問で実際の回答を見る」の2つを分けて整理すると、話が混ざりません。

図の見方:公式レポートは全体傾向を、手動確認は個別の質問・回答・引用を確認するために使います。
対象ページは、質問と関係するページから選ぶ
相談時に対象ページを伝えるときは、アクセスが多いページや古いページを並べるのではなく、質問セットと関係するページを挙げます。
候補になりやすいのは次のページです。
- 主力サービスページ
- 会社情報・事業紹介
- 導入事例・実績
- 料金・対応範囲
- よくある質問
- 専門記事・調査記事
- 採用が目的なら採用情報や職種紹介
たとえば「○○に強い会社を教えて」という質問を重視するなら、その質問に対して自社の強みを説明できるページがどこかを確認します。
対象ページを決め切れない場合は、候補を挙げたうえで、「どのページから優先すべきかも相談したい」と伝えれば十分です。初回相談の段階で、改修対象を確定する必要はありません。
目標は、「AIに出たい」から一段具体化する
「AI検索で露出を増やしたい」だけでは、相談後の優先順位が決まりにくくなります。そこで、事業上どの状態になれば前進と言えるかを、一段具体的にしておきます。
たとえば次のように整理できます。
- 指名質問で、古い会社情報ではなく現在の情報が説明される状態
- 重要なカテゴリ質問で、自社が候補として扱われる状態
- 自社が参照される質問と、参照されない質問の差を把握できている状態
- 主力サービスに関係するページのAI検索上の表示状況を、確認できている状態
- AI検索経由の露出を、問い合わせやサイト流入まで含めて評価できる状態
目標を立てるときは、Googleの説明も手がかりになります。Googleは生成AI検索について、従来のSEOの基本が引き続き有効であり、AI機能向けだけの追加技術要件はないと説明しています。
そのため、相談前から「新しい特殊施策を何か入れなければならない」と決めつける必要はありません。現在のサイト、コンテンツ、検索での見え方を確認し、必要な改善を見極めることが先です。
社内体制は、誰が何を判断できるかだけ共有する
初回相談で、詳細な運用体制まで固める必要はありません。ただし、誰が窓口になり、どこまで社内で対応できるかを共有しておくと、相談内容を現実的な範囲に絞りやすくなります。
最低限、次を整理します。
- 相談窓口になる担当者
- サイト修正を社内でできるか
- 記事や事例の確認者は誰か
- 営業・CS・採用などから一次情報を集められるか
- Search ConsoleやCMSの権限を確認できるか
- 予算や契約を最終判断する人が誰か
ここでも「未定」で問題ありません。たとえば「CMS改修を社内でできるか分からない」と伝えれば、初回相談で技術対応の範囲も確認できます。
相談前に社内と外部支援の役割分担まで整理したい場合は、「AIO導入の体制構築」もあわせて確認してください。
計測できていなくても、相談は始められる
AIO対策会社へ相談する前に、現状の観測を終えている必要はありません。「どこから測ればよいか分からない」こと自体が、相談のテーマになります。
相談前の準備は、いまの状態に応じて次の3つに分けて考えると進めやすくなります。表は、状態ごとに持っていく情報と、相談で確認することを対応させたものです。
| 状態 | 持っていく情報 | 相談で確認すること |
|---|---|---|
| まだ何も測っていない | 対象AIの候補、質問セット、対象サービス、目標 | 何をどう測るか |
| 手動で少し確認した | 質問文、回答、引用元、気づいた誤り | 確認条件をどう固定するか |
| 公式レポートも見られる | Search ConsoleやBingの集計、対象ページ | 手動観測と公式データをどう組み合わせるか |
どの状態でも、未計測の部分を隠して「ある程度分かっている前提」で話すことは避けます。分からない項目を明確にするほど、初回相談で確認すべき論点が見えてきます。
初回相談用メモは、この形で書き出す
正式なRFPを作る前であれば、初回相談は次のメモで始められます。6項目に対応した形で、空欄のまま持ち込んでも構いません。
AIO対策 初回相談メモ
- 対象AI
- 優先して確認したいAI:
- まだ決めていないAI:
- 質問セット(顧客が使いそうな質問)
- 指名質問:
- カテゴリ・比較質問:
- 課題解決質問:
- 現在の回答・引用
- 確認日:
- 使用したAI:
- 自社の言及:
- 引用・参照されたページ:
- 気になった誤り・不足:
- 未計測の場合:未計測
- 対象ページ
- 主力サービス:
- 会社情報:
- 事例・FAQ・記事など:
- どのページを優先すべきかも相談したい:はい/いいえ
- 目標
- まず確認したいこと:
- 改善したい状態:
- 事業上つなげたい成果:
- 社内体制
- 窓口:
- サイト修正:社内対応可/不可/不明
- コンテンツ確認者:
- 各種ツールの権限確認:可/不可/不明
このメモは、要件を確定するための書類ではありません。初回相談で「何が分かっていて、どこから一緒に整理したいか」を共有するためのものです。
RFP・見積比較は、初回相談の後に進める
初回相談の段階では、成果指標、作業範囲、月次の計測条件、納品物、契約条件まで細かく決め切る必要はありません。
初回相談で現状と目的を共有したあと、外注範囲を具体化し、複数社へ正式な提案を依頼する段階になったらRFPを作成します。
RFPを作成するときは、「AIO支援会社への提案依頼書の作り方」を使って、対象AI・質問セット・成果定義を要件化できます。

図の見方:初回相談、RFP作成、見積・提案の比較の順に進むことを示しています。
提案がそろった後は、費用だけでなく、計測方法、対応範囲、実装の有無、運用体制などを同じ条件で比較します。
この順番を分けることで、「相談したいが要件が固まっていない段階」と「発注先を比較して決める段階」を混同せずに進められます。
まとめ:6項目のメモを持って相談を始める
AIO対策会社への初回相談に、完成したRFPは必要ありません。対象AI、質問セット、現在の回答・引用、対象ページ、目標、社内体制の6つを、分かる範囲で整理すれば始められます。
なかでも、顧客がどのような質問をAIへ入力するかを先に考えると、「AIに出たい」という漠然とした相談が、どの質問で、どのページを、どの状態へ改善したいかという具体的な相談に変わります。
最初の一歩は、初回相談用メモの6項目を書き出すことです。現状観測や質問セットがまだ整理できていなければ、その状態もそのまま相談材料にしてください。AIO対策の無料相談を利用する場合も、このメモがあれば、現状確認と次の一手をすり合わせやすくなります。
参考文献・データ元
この記事で参照した情報を確認できます。
-
Google Search Console「生成 AI パフォーマンス レポート(検索)」
2026年8月31日からの世界展開、AIによる概要・AIモードのインプレッション、ページ別等の確認方法に使用。 -
Google Search Console「検索の生成 AI 設定」
AIによる概要・AIモード等へのサイト表示設定の確認に使用。 -
Google 検索セントラル「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」
生成AI検索でもSEOの基本が有効であること、RAG・クエリファンアウトの説明に使用。 -
OpenAI Help Center「ChatGPT でウェブを検索する」
ウェブ検索時の引用・情報源表示と確認上の注意に使用。 -
Bing Webmaster Tools「AI Performance」
Microsoft Copilot等での引用ページ、グラウンディングクエリ、推移の確認方法に使用。
‹ 親記事: AIO導入の体制構築とは?内製・外注・ハイブリッドの判断基準と進め方の全体地図
関連記事
- › 【会社で9割決まる】LLMO対策会社おすすめ12社比較!失敗しない選び方
- › 【最短で結果】東京でGEO対策するならここ!おすすめ会社と失敗しない選び方
- › AIO対策の費用が高すぎる?相場・内訳・コストを抑える5つの方法
- › 【2026年版】AIO対策ツールおすすめ10選|AI検索の可視性・引用・競合分析を比較
- › AIO対策会社へ依頼する前に決めること|対象AI・計測・成果定義
- › AIO対策会社の見積もりはどこを比較?AI数・頻度・費用
- › AIO対策会社を乗り換える方法|質問・計測履歴・改善履歴・権限
- › AIO対策会社の契約更新判断|AI回答・引用・残る課題・次の提案
- › AIO対策会社の月次レポートの見方|AI回答・引用・競合露出・改善内容を評価
- › 社内AIO担当者の引き継ぎ|質問・計測履歴・改善内容・権限
- › AIO施策が進まない原因は?露出・引用・観測・実装・体制を診断する10項目チェックリスト
- › AIO対策を契約する前の確認|対象AI・実装責任・データ・引継ぎ
- › AIO対策を外注から内製へ切り替える|質問・計測履歴・権限を引継ぎ




