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競合店舗の口コミを比較する方法|評価要因・不満・返信・件数から選ばれる理由を分析

部署:マーケティング担当者部署:広報・PR担当者部署:経営者・責任者レベル:実践口コミ分析口コミ対策、MEO、レピュテーション管理
自店舗と競合店舗の口コミを、星評価だけでなく口コミ本文や返信まで比較しているイメージ

競合店舗の口コミを調べるとき、平均星評価や口コミ件数だけを横に並べて終わりにしていませんか。その比べ方では、競合のほうが評価が高い、件数が多いといったことは分かっても、自店舗が何を直せばよいのかまでは十分に見えてきません。

星評価には、何が評価されたのか、何に不満が集まったのか、店舗側がどう応えたのかが含まれていないからです。そこで、自店舗と競合店舗の「比較条件」をそろえたうえで、評価されている点、不満が集まっている点、店舗側の返信を、同じ分類で確認します。

この記事では、Googleマップなどに投稿された店舗口コミを、カテゴリ・期間・店舗規模・評価テーマ・返信状況まで含めて比較する方法を解説します。競合との差を「口コミが多い・少ない」で終わらせず、自店舗が優先して改善するテーマと、競合に対して伸ばせる強みを整理できるようになります。

競合店舗の口コミ比較は「星評価」だけでは不十分

競合口コミ分析では、平均評価、件数、口コミ本文、返信の4つを分けて比較することが出発点です。

Googleでは、店舗のクチコミスコアは公開されている評価の平均で計算されます。つまり「4.3」という数字だけでは、その店舗が何を評価され、何に不満を持たれているのかまでは分かりません。

またGoogleは、ローカル検索の主要な要素として関連性・距離・知名度などを挙げ、クチコミ数と肯定的な評価もローカル検索結果に関係するとしています。クチコミへの有用な返信についても、店舗がユーザーの意見を重視していることを示し、店舗を目立たせる助けになると案内しています。評価の平均だけでなく、件数や返信まで比較する理由はここにあります。

そのため競合分析では、少なくとも次の項目を分けて確認します。

比較項目 確認する内容 分かること
平均評価 星1〜5の平均 全体的な評価水準
口コミ件数 累計・期間内件数 口コミの蓄積量と増加状況
評価要因 接客、品質、価格など 選ばれている理由
不満テーマ 待ち時間、説明不足など 改善すべき顧客体験
返信 返信率、内容、速さ 店舗側の対応姿勢
新しさ 最新投稿日、期間別件数 現在の顧客体験を反映しているか

表の「評価要因」と「不満テーマ」は、STEP4で分類する「評価テーマ」を、評価されている点と不満が集まっている点に分けて見たものです。どちらも口コミ本文から読み取ります。

平均評価は比較の入口にすぎません。「なぜその評価になっているのか」まで口コミ本文から分解することが、競合口コミ分析の中心です。

競合比較を含む口コミ分析全体の見方と活用先は、口コミ分析とは?で整理しています。

なぜ口コミ本文や件数まで比べる価値があるのか

星評価だけでなく本文まで比べる理由は、口コミの肯定・否定の方向や件数が、消費者の意思決定と関係しているためです。

QiuとZhangが2024年に発表したメタ分析は、オンラインレビューに関する156研究、214の効果量、合計69,006件の観測を統合しています。その結果、購入意向との関係はレビューの肯定・否定を示す「review valence」が特に強く、統合相関係数はr=0.563でした。レビュー件数との関係もr=0.317と報告されています。

ただし、この研究は店舗のGoogle口コミだけを対象としたものではありません。したがって「口コミを増やせば来店が必ず増える」と因果関係を断定するものではなく、評価内容と件数の両方が消費者判断と関連するため、競合比較でも両面を見る価値があると理解するのが適切です。

最初に競合店舗と比較条件をそろえる

口コミ比較では、分析ツールを選ぶより先に比較条件を決めます。条件が違うまま並べると、差が店舗の違いによるものか、条件の違いによるものかを読み違えるからです。

たとえば、客単価1万円の店舗と1,000円の店舗、開業10年の店舗と開業3か月の店舗をそのまま並べても、口コミ件数や評価基準の前提が違います。次の表の条件をそろえたうえで比較しましょう。

条件 推奨するそろえ方
業態・カテゴリ 同じ利用目的の店舗を優先
商圏 同じ検索エリア・生活圏
価格帯 自店舗と近い価格帯
主な顧客層 年齢、用途、利用シーンが近い
店舗規模 席数、多店舗・単店舗などを考慮
口コミ媒体 原則として同じ媒体同士
分析期間 同じ開始日・終了日
分析言語 日本語のみなど条件を統一

自店舗と競合店舗の口コミを比較するときに、業態や商圏、価格帯、媒体、期間などの条件をそろえる図

図のように、店舗条件・口コミ媒体・分析期間などをそろえてから比較すると、差の理由を判断しやすくなります。

なかでも、同じ口コミ媒体で比べることは重要です。HanとAndersonの研究では、オンラインレビューは投稿先プラットフォームによって、投稿する人の選ばれ方や評価の付け方に違いが生じる可能性が示されています。

Googleマップの評価と別サービスの評価をそのまま同じ指標として扱うより、まずGoogle同士、同一媒体同士で比較する方が条件を統一しやすくなります。

競合店舗の口コミを比較する7ステップ

競合口コミ分析は、次の7ステップで進めると整理しやすくなります。

競合店舗の口コミを選定、期間統一、評価分析、本文分類、言及率、返信比較、改善判断の順で分析する7ステップ

図のとおり、比較対象と期間を統一した後に、定量・定性の両面から差を確認し、最後に改善・差別化・監視へ分類します。

STEP1:競合店舗を3〜5店舗に絞る

最初に、顧客が実際に自店舗と比較しそうな店舗を選びます。

「地域名+業種」「地域名+サービス名」など、自店舗が集客したい検索語でGoogleマップを確認し、上位店舗の中から業態、価格、客層、規模が近い店舗を選びます。

比較対象には、次の2種類を含めると実務に使いやすくなります。

  • 現在の自店舗と条件が近い店舗
  • 自店舗より口コミ評価や件数で一段上にいる店舗

前者からは短期的に改善できる差を、後者からは中長期的に目指す状態を確認できます。

STEP2:分析期間を統一する

次に、すべての店舗で同じ期間を対象にします。「競合Aは過去5年分、自店舗は直近半年分」という比較は避けましょう。たとえば2026年3月1日〜8月31日の6か月間を見るなら、どの店舗もこの6か月で数えます。

期間内の口コミが極端に少ない場合は、自店舗だけ期間を延ばすのではなく、比較店舗すべてを12か月へ延長します。口コミ数が多すぎて全件を読むのが難しい場合も、特定店舗だけ最新50件にするのではなく、月別・星評価別など同じ抽出条件で、一部を抜き出して読みます。

STEP3:平均評価・件数・投稿ペースを分ける

ここからは、数字で比べられる指標を整理します。

平均評価だけでなく1〜5星の構成差まで比較する場合は、口コミの評価分布を分析する方法で分布の読み方を確認できます。

比較しやすい指標は次の通りです。

指標 計算方法 見る目的
平均評価 Google等の表示値 全体評価
期間内口コミ数 対象期間の投稿数 現在の口コミ量
月平均口コミ数 期間内口コミ数÷月数 投稿ペース
低評価割合 星1〜2件数÷期間内口コミ数 不満発生の大きさ
本文付き割合 本文付き口コミ÷全口コミ テーマ分析に使える量

累計口コミ数だけでは、現在も口コミが集まっている店舗なのか、数年前までに蓄積した店舗なのかを区別できません。そのため、累計件数と期間内の投稿ペースを分けて見ることが重要です。

STEP4:口コミ本文を同じテーマで分類する

次に口コミ本文を読み、店舗ごとに同じ評価テーマへ分類します。

複数店舗を同じテーマで比較するには分類基準の固定が必要になるため、口コミ分析のカテゴリ辞書を設計する方法で定義・正例・反例までそろえておくと比較がぶれにくくなります。

飲食店であれば、評価テーマは次のように分けられます。

  • 商品・料理
  • 接客
  • 価格・コストパフォーマンス
  • 待ち時間
  • 店内環境・清潔感
  • 予約・会計
  • アクセス

美容・医療・スクールなどでは、業種に合わせて「説明」「技術」「予約」「設備」などへ置き換えます。

ここで大切なのは、競合Aでは「接客」、競合Bでは「スタッフ対応」のように別分類にせず、同じ意味の項目は同じテーマへ統一することです。

STEP5:テーマごとの言及率と評価方向を見る

単純な言及件数だけでなく、割合に直して比べます。本文付き口コミのうち、あるテーマに触れた口コミの割合を、この記事では言及率と呼びます。たとえば接客テーマの言及率は、次の式で出せます。

「接客」に触れた口コミ数 ÷ 本文付き口コミ数 × 100

さらに、そのテーマに触れた口コミを、次の3つに分類します。

  • ポジティブ
  • ネガティブ
  • ポジティブ・ネガティブ両方を含む

これにより、「競合Aは接客への言及が多く、その大半が高評価」「自店舗は価格への不満割合が競合より高い」など、平均星評価では見えない差を確認できます。

STEP6:返信率だけでなく返信内容を比較する

口コミ返信は「返信したかどうか」だけでなく、中身も分けて確認します。比較項目は次の5つです。

返信項目 確認内容
返信率 全口コミのうち返信した割合
低評価返信率 星1〜2口コミへの返信割合
返信速度 投稿日から返信までの日数
個別性 口コミ内容に具体的に触れているか
改善提示 必要な場合に確認・改善方法を伝えているか

Googleも、口コミへの有用で前向きな返信は、顧客の意見を尊重していることを示す方法として案内しています。返信研究でも、返信の有無だけではなく、内容やタイミングを見る必要性が示されています。

Xie、So、Wangによるホテル業界の研究では、3,537ホテル、76,649件のレビューと22,483件の運営者返信を分析し、返信のタイミングや内容と将来の業績との関係を検討しています。

ただし、これはTripAdvisor上のホテルを対象とした研究です。Googleマップのすべての業種で同じ効果が生じると断定せず、返信率だけでなく返信品質を見るための参考根拠として利用するのが適切です。

STEP7:競合との差を改善・差別化・監視に分ける

最後に、差を見つけて終わらず、次の3種類に分類します。

  • 改善する項目:自店舗でネガティブ言及が多く、競合では少ない項目です。例:「待ち時間」「説明不足」「予約の取りづらさ」
  • 差別化する項目:自店舗でポジティブ言及が多く、競合では評価されていない項目です。例:「スタッフの説明が丁寧」「子連れでも利用しやすい」
  • 監視する項目:現時点では差が小さいものの、投稿件数が増えているテーマです。

この3つへ分類すると、口コミ分析を店舗改善や訴求内容へつなげやすくなります。

架空例で見る競合口コミ比較表の読み方

ここでは、比較表の読み方を架空の数値で確認します。割合に直すと、件数だけでは見えない差が分かります。

指標 自店舗 競合A 競合B
平均評価 4.2 4.4 4.0
期間内口コミ数 72 120 48
月平均口コミ数 12 20 8
接客のポジティブ言及率 32% 26% 38%
待ち時間のネガティブ言及率 18% 9% 22%
返信率 40% 92% 15%
低評価返信率 55% 100% 20%

自店舗と競合A・競合Bについて平均評価、口コミ数、待ち時間の不満率、返信率を比較した架空例

※数値は比較方法を説明するための架空例です。平均評価だけでなく、不満テーマや返信率まで分解すると、改善対象を特定しやすくなります。

このケースでは、自店舗は接客のポジティブ言及率が32%で、競合Aの26%を上回っています(競合Bは38%で、自店舗より高い水準です)。一方で、待ち時間のネガティブ言及率は競合Aの9%に対して18%、返信率は競合Aの92%に対して40%と、待ち時間への不満と返信対応に差があります。

このケースで優先する順番は次のとおりです。STEP7の分類では、待ち時間への対応が改善する項目に当たります。接客は競合Aと比べた場合に限って差別化する項目になり、競合Bには及ばないため、強みとして訴求するときは比較対象を明示します。

  1. 待ち時間の原因を確認する
  2. 低評価口コミへの返信基準を決める
  3. 接客の高評価を、競合Aとの比較に限って差別化材料として強化する

平均評価4.2を4.4へ上げることだけを目標にするより、評価差を生んでいる具体的な顧客体験まで特定する方が、現場で実行できる改善策になります。

口コミ比較で注意したい4つの偏り

口コミは有力な顧客情報ですが、「来店客全員の意見」ではありません。2025年にオンライン公開され、2026年号に掲載されたHanとAndersonの研究では、口コミ投稿には非回答による選択の偏りや、プラットフォームごとの測定の偏りが生じる可能性が指摘されています。

競合分析では、特に次の4点に注意します。

  1. 投稿者の偏り:満足・不満が強い人ほど投稿している可能性があります。
  2. 時期の偏り:繁忙期、キャンペーン、値上げ、スタッフ変更などにより評価テーマが変わります。
  3. 店舗条件の偏り:大型店と小型店、駅前店と郊外店では、待ち時間やアクセスへの期待自体が異なります。
  4. 口コミ媒体の偏り:投稿者層や評価方法が違う媒体をそのまま混ぜると、比較条件が変わります。

そのため、「口コミでは競合より接客評価が高かった」という結果は、「今回設定した媒体・期間・対象口コミの範囲では高かった」と解釈するのが適切です。

競合に追いつくためでも不自然な口コミ獲得は避ける

競合店舗の口コミ件数が多いと、短期間で件数差を埋めたくなる場合があります。しかしGoogleは、金銭、割引、無料の商品・サービスなどのインセンティブと引き換えに口コミを投稿・変更・削除してもらう行為や、評価を操作する口コミを禁止しています。

競合比較で件数差が見つかっても、目標にするのは「高評価を何件作るか」ではありません。次の順番で改善します。

  1. 実際の顧客体験を改善する
  2. 幅広い顧客へ自然に口コミ投稿を案内する
  3. 高評価・低評価の両方へ適切に対応する
  4. 口コミから見つかった問題を店舗運営へ戻す

幅広い顧客へ自然に口コミ投稿を案内する運用を仕組み化する場合は、アンケート起点の投稿導線を設計できるクチコミ増えるくんも選択肢になります。

口コミ分析は評価を操作するためではなく、顧客体験の差を発見するための仕組みとして使います。

競合口コミ分析は「何を直すか」まで決めて完了する

分析が終わったら、各テーマを次の3軸で評価し、直す順番を決めます。

判断軸 確認する質問
顧客への重要度 口コミで繰り返し言及されているか
競合との差 自店舗だけ評価が低い、または高いか
改善可能性 店舗側の運営で変えられるか

たとえば「待ち時間」の不満が多く、競合より明確に悪く、店舗運営で改善できるなら優先度は高くなります。一方、「駅から遠い」のように短期的に変更できない条件は、店舗移転ではなく、駐車場案内、アクセス説明、送迎など別の解決方法を検討します。競合が評価されている項目をすべて真似する必要もありません。

競合との差は、次の4つに整理できます。

  • 競合が強く自店舗が弱い→改善候補
  • 自店舗が強く競合が弱い→差別化候補
  • 両方が弱い→市場全体の改善余地
  • 両方が強い→顧客が当然と考えている基本品質

この整理で、改善と差別化を混同しにくくなります。

自店舗と競合店舗の強み・弱みを比較し、改善候補、差別化候補、基本品質、市場全体の改善余地に分類するマトリクス

図のとおり、強みと弱みの組み合わせで分けると、分析後に何をするかを決めやすくなります。

競合口コミ比較は定点観測する

口コミは毎月追加されるため、一度だけ比較して終わると変化を見落とします。実務では、同じ比較条件を維持しながら、次の項目を定期的に更新します。

  • 期間内口コミ数
  • 評価分布
  • 評価要因
  • 不満テーマ
  • 返信率
  • 低評価への返信
  • 新しく増えたテーマ

分類ルールまで毎回変えると過去比較ができなくなるため、基本分類は固定し、新しい顧客ニーズが継続して現れた場合のみ追加します。

「平均星評価が上がったか」だけでなく、「待ち時間の不満率が下がったか」「接客への肯定的な言及が増えたか」「競合との差が縮まったか」まで追うと、口コミを店舗改善のKPIとして利用しやすくなります。

まとめ

競合店舗の口コミ分析で大切なのは、星評価や累計件数を並べることではありません。

カテゴリ・商圏・価格帯・店舗規模・口コミ媒体・期間をできるだけそろえ、評価要因、不満テーマ、口コミ件数、返信まで同じ基準で比較することが基本です。

比較するときに確認したいのは、次の項目です。

  • 平均評価と期間内口コミ数
  • 口コミの増加ペース
  • 評価されているテーマ
  • 不満が多いテーマ
  • テーマごとの言及率
  • 返信率と低評価返信率
  • 返信内容の具体性
  • 自店舗だけが高く評価されている要素

競合分析の目的は、競合店舗をそのまま真似することではありません。「競合より直すべきこと」と「競合より伸ばせること」を分け、自店舗が比較されたときに選ばれる理由を具体化することが最終目的です。

最初の一歩は、比較する競合を3〜5店舗に絞り、分析期間と口コミ媒体をそろえることです。そこから、平均評価と件数、口コミ本文のテーマ、返信の順に同じ基準で比べていきましょう。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

‹ 親記事: 口コミ分析とは?「何を見て、どう活かすか」を体系的に整理する完全ガイド

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