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SNS採用のKPI設計|認知・クリック・応募・採用まで指標をつなぐ方法

部署:人事・採用担当者部署:経営者・責任者レベル:実践
スマートフォンとノートパソコンの横で、指標を矢印でつないだメモをノートに書いている採用担当者の机の上の様子

「SNSの投稿は続けているが、フォロワー数や再生数が採用につながっているのか分からない」。SNS採用を運用していると、こうした疑問が出てきます。 結論から言うと、フォロワー数だけを追わず、最終ゴール(KGI)から逆算して、認知・クリック・応募・採用の4段階を数字でつなぐと、どこで止まっているかが見えます。あわせて、SNS経由の応募を数える方法と、判断する時期も、投稿を始める前に決めておきます。 この記事では、最終ゴールの置き方、4段階の指標、必要数の逆算、応募の数え方、判断する時期の順に、SNS採用のKPIを設計する手順を説明します。手順や指標の例は参考文献に挙げた公開資料にもとづき、段階の呼び方や計算は筆者が整理したものです。記事中の数値は考え方を示すための例で、目標値や平均ではありません。

最初に決める|最終ゴールを数値と期限で置き、指標を逆算する

SNS採用のKPIは、投稿の反応から順に決めるのではなく、最終ゴールから逆算して決めます。手順は、次の4つです。

  • 最終ゴール(KGI)の数値と期限を設定する。例は「◯月までにSNS経由で2名採用する」。
  • ゴールから逆算して、KPIを分解する。KPIツリーで、指標同士の関係を整理する。
  • 目安となる数値を決める。根拠には、自社の過去実績、SNSの分析データ、同業他社の公開事例、数か月の試行で得た自社の基準値を使う。
  • 数値を測る方法を決める。自社サイトへの流入は、GA4などで計測する。

ここで決めた人数と期限が、あとの「逆算のしかた」の出発点になります。

4段階でつなぐ|認知・クリック・応募・採用の指標

まず、応募までの流れを数字で追う例を示します。今期中に1名を採用する場合の例として、月あたりの数値を次のように置きます(段階の呼び方は筆者が付けたものです)。

段階指標例の数値(月あたり)
認知リーチ数10,000件
関心プロフィールアクセス数500件
クリック採用ページへのクリック数100件
応募応募数5件

この例の段階間の率は、プロフィールアクセスがリーチの5%、採用ページへのクリックがプロフィールアクセスの20%、応募が採用ページへのクリックの5%です(この記事の計算)。段階ごとの率を並べると、どの段階で数が大きく減っているかを比べられます。ただし、これは例の数字で、目標値や平均ではありません。ここでの率は、例の数字同士を割った比率です。実際に使うときは、各指標の集計単位と期間をそろえてください。

SNS採用の4段階の例を左から右に並べた図。リーチ数10,000件、プロフィールアクセス数500件、採用ページへのクリック数100件、応募数5件。段階間の率は5%、20%、5%

上の表の例を、段階間の率とあわせて図にしたものです。目標値や平均ではありません。

応募のあとの段階では、見るべき主なKPIは次の3つです。

  • 応募数:期間中のSNS経由の応募件数。
  • 面接通過率:一次面接の通過者数 ÷ 面接実施数。
  • 内定承諾率:内定承諾数 ÷ 内定数。

どれも、SNS経由の候補者に限って数えるか、どの期間の分をいつの時点で集計するかを、自社で決めておく必要があります。

また、応募数が出る前に運用の状態を見るための先行指標として、採用ページへの訪問(UTM付きリンクからの訪問数)、リンクのタップ数や保存数、プロフィールへのアクセスがあります。

ここまでの指標を、認知・クリック・応募・採用の4段階に整理すると、次の表のようになります(筆者の整理)。

段階指標の例主な数え方
認知リーチ数、インプレッション数各SNSの管理画面
クリックプロフィールアクセス数、リンクのタップ数、採用ページへの訪問各SNSの管理画面、UTM付きリンク
応募SNS経由の応募数UTM、応募フォームの設問、面接での質問
採用面接通過率、内定承諾率、採用数採用管理の記録

リーチ数やインプレッション数は、各SNSの管理画面で確認する数字です。何を数えた数字かを、使うSNSのヘルプで確認してから、目標を置いてください。

逆算のしかた|採用目標から、各段階の必要数を求める

最終ゴールが決まったら、段階間の率を使って、各段階の必要数を逆算します。考え方は、次の段階の必要数を、その段階への率で割ることです。

前の節の例の率(5%、20%、5%)を使い、応募から採用までの率を仮に10%として、1名を採用する場合を計算します(いずれも仮の数字で、この記事の計算です)。ここで求める必要数は、採用期限までの累計の目安です。

  • 採用1名に必要な応募数:1 ÷ 10% = 10件。
  • 応募10件に必要な採用ページへのクリック数:10 ÷ 5% = 200件。
  • クリック200件に必要なプロフィールアクセス数:200 ÷ 20% = 1,000件。
  • アクセス1,000件に必要なリーチ数:1,000 ÷ 5% = 20,000件。
1名の採用から必要数を逆算する図。採用1名には応募10件、採用ページへのクリック200件、プロフィールアクセス1,000件、リーチ20,000件が必要という仮の計算

応募から採用までの率10%を仮に置いた計算です。実際の率は自社の実績で置き換えてください。

この計算は、率が変わらないと仮定した目安です。運用を始めると各段階の実績の率が出るので、そこから置き換えます。応募から採用までの率は、自社の過去の採用実績から求めます。自社の率に置き換えれば、投稿を始める前に、必要なリーチ数の見当をつけられます。

SNS経由の応募を数える|UTM・設問・面接を重ねる

応募の数え方は、投稿を始める前に決めておく必要があります。SNS経由の応募は、UTM付きリンク、応募フォームの「知ったきっかけ」の設問、面接での質問の3つを重ねて数えます。UTMだけでは、求人媒体から応募した「SNSも見た人」が漏れるため、設問と質問で補います。同じ応募を複数の方法で確認できた場合は、1件として数え、重複して足さないようにします(これは筆者の提案です)。また、SNSから直接応募した人と、求人媒体から応募してSNSも見た人は分けて記録し、ゴールの応募数でどちらを数えるかを決めておきます。クリックからの逆算には、同じ経路で数えた応募数を使います(これも筆者の提案です)。

UTMは、リンク先のURLに付ける識別用のパラメータです。付けると、Googleアナリティクスで、どのキャンペーンがトラフィックを呼び込んでいるかが分かります。使う場合は、utm_source、utm_medium、utm_campaignの3つが必須です。

  • utm_source:参照元を識別する。例はinstagram、tiktok、x、youtube。
  • utm_medium:マーケティングメディアを識別する。例はsocial。
  • utm_campaign:商品やプロモーションなどを識別する。例はrecruit_2026。

値は小文字にそろえ、媒体ごとに1つに決めます。

もうひとつ、守る点があります。Googleは、個人情報(PII)をGoogleに送信することをポリシーで禁止しており、URLのパスとパラメータのどちらにも個人情報が含まれていないことを確認するよう求めています。応募者の氏名やメールアドレスを、UTMの値に入れてはいけません。

SNS経由の応募を数える3つの方法を重ねた図。UTM付きリンク、応募フォームの設問、面接での質問。UTMだけでは漏れる応募があり、UTMには個人情報を入れない

UTMで取れない応募は、設問と質問で補います。

判断する時期|最初の3か月は先行指標、応募数は3〜6か月後

採用SNSの支援会社が示す目安では、応募数の評価は始めてから3〜6か月後です。最初の3か月は先行指標を見て、運用の型ができているかを確認します。面接通過率と内定承諾率は、6か月以降が目安です。1〜2か月での判断は、推奨されていません。KPIそのものの見直し時期の目安も、3〜6か月程度とされています。応募数の集計自体は、始めた時点から続けてください。評価の時期は、集まった件数や自社の選考期間に合わせて決めます(この2文は筆者の補足です)。

この時期の区切りは目安で、すべての企業に当てはまる決まりではありません。自社の採用の流れ(応募から内定までの期間など)に合わせて、確認する時期を決めてください。採用の効果測定の全体像は、採用改善の効果測定の指標体系とPDCAで整理しています。

SNS採用のKPIを判断する時期を示した時間軸。開始から3か月は先行指標、3〜6か月は応募数、6か月以降は面接通過率と内定承諾率で判断する目安

時期は目安で、自社の採用の流れに合わせて決めます。

設計でよくある失敗と、指標の数を絞る考え方

SNS採用のKPI設計でよくある失敗は、次の3つです。

  • フォロワー数だけを目標にしてしまう。
  • KPIを決めただけで、振り返りをしない。
  • 指標を細かくしすぎて、何を見ればいいか分からなくなる。

3つめの失敗を避けるには、重点的に管理する指標を3〜4項目程度に絞ります。たとえば、応募後の段階では、応募数、面接通過率、内定承諾率の3つを主なKPIにする考え方があります。

設計前に確認したい7項目

投稿を始める前に、次の7項目を決めておきます。

  • KGI:採用したい人数と期限を、数値で決める。
  • 指標:認知・クリック・応募・採用の4段階から、重点的に管理する3〜4項目を選ぶ。
  • 目安の数値:自社の過去実績や試行の結果を根拠に決める。
  • 応募の計測:UTM、応募フォームの設問、面接での質問の3つの方法を決める。
  • 個人情報:URLやパラメータに個人情報を入れないルールを決める。
  • 判断の時期:先行指標を見る期間と、応募数や面接通過率を見る時期を決める。
  • 振り返り:KPIを見直す時期と、担当者を決める。

まとめ

SNS採用のKPIは、最終ゴールを数値と期限で置き、そこから逆算して、認知・クリック・応募・採用の4段階を数字でつなぐと設計できます。重点的に管理する指標は3〜4項目に絞り、フォロワー数だけを追うことは避けます。

応募の数え方は、UTM付きリンク、応募フォームの設問、面接での質問を重ねて決めておきます。判断は、最初の3か月は先行指標で、応募数は3〜6か月後を目安にしてください。

最初の一歩は、採用したい人数と期限を決め、自社の過去の採用実績から、応募から採用までの率を求めることです。そこから、この記事の逆算の計算で、各段階の必要数が見えてきます。SNSを含む採用チャネル(求職者との接点となる採用の経路)全体の選び方は、採用チャネルの選び方と予算配分で扱っています。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

‹ 親記事: 採用改善の効果測定は何をどう見ればいい?指標体系とPDCAの全体像

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