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Google口コミ運用のKPI設計|店舗別の件数・評価・返信・来店・売上をどう追うか

部署:マーケティング担当者部署:広報・PR担当者部署:経営者・責任者レベル:実践Google口コミ、口コミ、KPI口コミ対策

Google口コミ運用のKPI設計|店舗別の件数・評価・返信・来店・売上をどう追うか

口コミ件数や星評価を毎月眺めていても、次に何を直せばよいかは決まりません。特に複数店舗では、絶対件数を並べると来店規模の大きい店舗が有利に見えてしまい、本当の改善余地を見誤ります。

Google口コミ運用のKPI設計では、月次で改善を続けるために、口コミ件数や星評価に加えて、「依頼した母数」「返信の実行状況」「Google上の行動」「実来店・予約・売上」を、同じ定義で記録する必要があります。

本記事は、口コミ・風評対策全体の効果測定ではなく、Google口コミ運用を店舗別に月次管理する実務に範囲を限定します。KPIの計算式、分母、データ元、欠損時の扱い、店舗比較、月次シート、そしてGoogle上の行動を実来店・売上につなぐときの注意点まで、順に整理します。

依頼の導線づくりは「口コミを増やす依頼導線の作り方」、口コミ・風評対策全体の効果測定は「口コミ・風評対策の効果測定、何を・どう見ればいいのか体系整理」もあわせて参照してください。

店舗別に比べる前に、定義・分母・期間・データ元をそろえる

最初に整えるのは、KPIを増やす前の土台です。同じ数字を誰が集計しても同じ結果になる状態を作ります。店舗別比較で最も起きやすい失敗は、店舗ごとに分母や期間が違うまま率を並べることです。そこで、次の5点を先に固定します。

  • 定義:何を1件として数えるか。重複、取消、対象外をどう扱うか。
  • 分母:口コミ依頼数、来店数、新規口コミ数など、率の基準となる数。
  • 期間:暦月、4週間、施策開始日から28日など、集計の期間を統一する。
  • データ元:Googleビジネスプロフィール、CRM、予約、POS、店舗記録のどれを正とするか。
  • 欠損:データが取れない店舗を0として扱わず、「未取得」と「対象外」を区別する。

この記事は店舗別のKPIに絞っているため、扱わない範囲を先に示します。

この記事で扱わない範囲
口コミ・風評対策全体では、評判内容、炎上・風評、ソーシャルリスニングなども効果測定の対象になります。本記事ではそれらを広げず、Google口コミ運用の店舗別KPIに集中します。

月次で追うKPIの定義と計算式

最初は、改善判断に直接使える指標から始めます。下の表は月次管理の基本形で、口コミの依頼と獲得、返信、評価、Google上の行動、実来店・予約、売上の順に並べています。業種やシステムによって取得できるGoogleビジネスプロフィールの指標は異なるため、利用できない項目は無理に0で埋めません。

KPI定義・計算式主なデータ元更新頻度担当・欠損時ルール
口コミ依頼実施率依頼した顧客数 ÷ 依頼対象顧客数 ×100店舗記録・CRM週次〜月次店舗責任者/対象母数が取れなければ率は未算出
口コミ獲得率対象期間の新規口コミ数 ÷ 口コミ依頼数 ×100店舗記録+Google月次運用担当/自然投稿を含む場合は「参考値」と明記
返信率返信した新規口コミ数 ÷ 返信対象の新規口コミ数 ×100Google・管理ログ週次〜月次運用担当/返信対象の定義を固定
SLA内返信率社内基準時間内の返信数 ÷ 返信対象の新規口コミ数 ×100管理ログ週次〜月次運用担当/営業時間外の扱いを定義
新規口コミ数対象期間に新たに投稿された口コミ数Google月次運用担当/削除・再投稿の扱いを統一
期間平均評価対象期間の新規口コミの星合計 ÷ 新規口コミ数Google月次運用担当/新規口コミ0件なら未算出
低評価比率星1・2の新規口コミ数 ÷ 新規口コミ数 ×100Google月次運用担当/母数を併記
Google上の行動ルート、通話、Webサイトクリック、予約等の利用可能な指標Googleビジネスプロフィール月次MEO担当/取得可能項目だけを採用
計測できた来店・予約流入元を確認できた実来店・予約数予約・CRM・POS月次店舗・CRM担当/Google上の行動と混同しない
売上・粗利対象顧客の売上または粗利POS・基幹月次〜四半期経営・店舗担当/流入元確認できる範囲で集計

表の右端の列には、担当者と欠損時のルールも入れています。数字を出す人と、数字が取れなかったときの扱いを先に決めておくと、月ごとに集計の仕方がぶれにくくなります。続いて、表だけでは分かりにくい3つの指標を補足します。

店舗規模の差は、来店100件当たりの口コミ獲得数でならす

店舗規模が違う場合は、「新規口コミ数 ÷ 来店客数 ×100」で来店100件当たりの口コミ獲得数を出すと、絶対件数より比較しやすくなります。来店数がPOS・予約システムで安定して取れない業態では、予約完了数や会計件数など、全店舗で共通して取得できる代替分母を決めます。

評価は累計ではなく、期間中の新規口コミで見る

累計の平均評価は、既存の口コミが多いほど動きにくくなります。そのため月次の改善には、「当月の新規口コミ平均」「直近3か月の新規口コミ平均」「星1・2比率」を併記します。累計評価は店舗の現在地、期間中評価は最近の顧客体験の変化を見る指標として使い分けます。

返信は、社内で決めたSLAと、SLA内返信率で管理する

Googleは口コミへの返信を推奨していますが、一律の「24時間以内」などの公式目標値があるわけではありません。そこで、自社の営業時間、担当体制、エスカレーション方針に合わせて、返信までの期限を「原則48時間以内」などの社内SLAとして定めます。SLAとは、ここでは社内で決めた返信の期限のことです。追うのは平均返信時間だけでなく、その期限内に返信できた割合であるSLA内返信率です。

複数店舗は、分母をそろえた率と近い条件の店舗群で比べる

次に考えるのは、店舗同士を公平に比べる方法です。

google review review 2

店舗規模が違うときは、絶対件数ではなく分母をそろえた率で比較します。

店舗別ランキングは、客数・商圏・営業時間が違うと、そのままでは意味を持ちません。比較の目的に応じて分母を固定し、近い条件の店舗同士で比べます。次の表は、比較したいことごとに、分母をそろえた率(ここでは「正規化KPI」と呼びます)と、分母が取れないときの扱いをまとめたものです。

比較したいこと推奨する正規化KPI分母が欠損した場合
依頼から口コミにつながる力新規口コミ数 ÷ 口コミ依頼数 ×100獲得率は未算出。新規口コミ数だけ別表示
来店規模を考慮した口コミ発生新規口コミ数 ÷ 来店数 ×100予約完了・会計件数など共通分母へ置換
低評価の発生状況星1・2口コミ数 ÷ 新規口コミ数 ×100新規口コミ0件なら未算出
返信運用の遵守SLA内返信数 ÷ 返信対象口コミ数 ×100対象0件は「対象なし」
Google行動の比較各行動数 ÷ プロフィール閲覧等の共通分母取得できない店舗は同じ比較群から外す

分母が取れない店舗を0件として並べると、順位が実態からずれます。表の右の列のとおり、未算出として別表示にするか、共通の分母に置き換えるか、同じ比較群から外すかを、先に決めておきます。

比較群は、「業態」「商圏」「営業時間」「店舗規模」などが近い店舗で作ります。全店平均だけでなく中央値も置くと、極端に大きい店舗の影響を受けにくくなります。Googleビジネスプロフィールでは、複数プロフィールのパフォーマンスデータをまとめてダウンロードして比較できます。

施策の効果は、変更日と比較期間を記録して確かめる

ここでは、施策の前後をどう比べるかを見ます。

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施策前後だけでなく、複数の期間と比較店舗を使って変化を確認します。

QR設置、依頼トーク、返信ルールなどを変えた月だけを前月と比較すると、繁忙期、天候、キャンペーン、競合の変化を施策の効果と誤認しやすくなります。月次シートには施策の変更日を残し、できれば施策前8〜12週間程度の基準期間と、施策後の複数期間を比較します。記録と比較で押さえる点は、次の5点です。

  • 施策の変更日と変更内容を記録する。
  • 施策前の基準期間と、施策後の同じKPIを保存する。
  • 前月比だけでなく、3か月推移と、必要に応じて前年同月も見る。
  • 複数店舗がある場合は、条件が近い未実施の店舗、または導入時期が違う店舗とも比較する。
  • 「同時期に改善した」と「施策が原因で改善した」を分けて記録する。

最後の項目を分けておくと、翌月以降に数字が動いたとき、それを施策の効果として扱ってよいかを判断しやすくなります。

Google上の行動は、実来店・売上と分けて記録し、自社データでつなぐ

ここで確かめるのは、Google上の行動を事業成果とどう結びつけるかです。

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Google上の行動は、POS・予約・CRMなどの自社データと接続して、事業成果を確認します。

Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスで確認できる「ルート」は、ルート検索をリクエストしたユーザー数、「通話」は通話ボタンがクリックされた回数、「Webサイトのクリック」はプロフィール上のウェブサイトリンクがクリックされた回数です。Googleは、ビジネスに該当する指標のみが表示され、すべての指標が全プロフィールで利用できるわけではないと案内しています。これらは実来店、予約成立、売上そのものではありません。

では、どうつなぐか。接点ごとに、次の方法で流入元を残し、売上まで追います。

  • Web・予約:プロフィールから遷移する自社URL側で流入元を識別し、予約完了までつなぐ。
  • 電話:クリック数と予約成立数を分け、受付・CRMに流入元を残す。
  • 店頭:初回来店時の流入元を選択式で取得し、POSや会員データへつなぐ。
  • 売上:口コミ接点が確認できた顧客だけを集計し、推計値と実測値を分ける。

つないだあとも、読み方には限界があります。

Google上の行動を読むときの限界
Google上の行動が増えても、実来店・売上が同じ割合で増えるとは限りません。オンライン行動と事業成果の間には、予約導線、電話応対、営業時間、価格、競合など別の要因があります。

月次KPIシートは、全店舗で同じ列にそろえて作る

月次シートは数字の保管場所ではなく、「どこが詰まり、翌月に何を変えるか」を決めるための1枚にします。まず全店舗で同じ列を使い、計測できない項目は空欄ではなく「未取得」「対象外」を選べるようにします。次の表は、シートに並べる行と列の例です。

KPI当月前月3か月推移同群中央値目標判定
口コミ依頼実施率
口コミ獲得率
来店100件当たり新規口コミ数
期間平均評価
低評価比率
SLA内返信率
Google上の行動
計測できた来店・予約
売上・粗利

表の下には、少なくとも「今月の施策」「変化の仮説」「データ上の注意点」「翌月の施策」「担当者」「期限」を記録します。新店、営業時間の変更、計測方法の変更、大型キャンペーンなどは、翌月以降に数字を読み違えないよう、必ず残します。

KPIの組み合わせから、次に直す場所を見つける

月次シートの数字がそろったら、指標を1つずつ見るのではなく、組み合わせで読みます。次の表は、よく起きる状態ごとに、考えられる状況と、次に確認することをまとめたものです。

状態考えられる状況次に確認すること
依頼実施率は高いが口コミ獲得率が低い接点・タイミング・依頼導線が機能していないQR/リンクの到達、依頼文、依頼タイミング
口コミ指標は改善したがGoogle行動が変わらないプロフィール情報や次の行動導線が弱い写真、店舗情報、Web/予約導線
Google行動は増えたが実来店が増えない予約・電話対応か計測接続に課題予約完了率、電話受付、流入元取得漏れ
来店は増えたが売上が変わらない客単価・商品構成・対象顧客が変化客単価、粗利、新規/既存の内訳
全段階が継続改善良い兆候比較店舗・前年同月でも傾向を確認

読み方は、口コミ、Google上の行動、来店、売上の順に、数字が止まっている段階を探すことです。止まっている段階が見つかったら、右端の「次に確認すること」から着手します。

目標は、店舗ごとの自社実績から置く

口コミ獲得率や返信SLAに、万能な業界標準はありません。まず直近3〜6か月の自社実績を基準にし、同条件の店舗の中央値と、改善施策の実行可能性を加味して目標を置きます。母数が小さい店舗は、単月では判定せず、3か月累計や移動平均も併記します。

目標は「件数を増やす」ではなく、「率のどこを改善するか」とセットで設定します。例えば、新規口コミ数だけが未達でも、来店数が落ちている店舗と、依頼実施率が落ちている店舗とでは、打ち手が違うからです。

まとめ|月次シートから始め、翌月に直す1か所を決める

Google口コミ運用のKPIは、店舗別に同じ定義・分母・期間・データ元でそろえて初めて、改善判断に使えます。口コミ件数、期間中評価、返信SLA、Google上の行動、実来店・予約・売上をつなぎ、Google上のクリックやルート検索を実来店と同じものとして扱わないことが、判断を誤らないための条件です。

まずは店舗別の月次シートに、口コミ依頼実施率、口コミ獲得率、来店100件当たりの口コミ数、期間平均評価、SLA内返信率、Google上の行動、計測できた来店・予約を並べてください。そして、数字が止まっている箇所を見つけ、翌月に直す1つを決めるところから始めましょう。

参考情報

この記事で参照した情報を確認できます。

Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのパフォーマンスとインサイトを確認する」:https://support.google.com/business/answer/9918094?hl=ja

Google ビジネス プロフィール ヘルプ「リンクまたは QR コードを作成してクチコミをリクエストする」:https://support.google.com/business/answer/16816815?hl=ja

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